マイホームを建てるときは、補助金制度や税制優遇措置を利用することで、住宅取得にかかる負担を軽減できます。
制度をうまく活用すれば、数十万円から場合によっては数百万円もの費用削減が可能です。
ただし、制度は毎年のように変更され、申請条件も複雑なため、どの制度が自分に当てはまるのか判断するのは簡単ではありません。
ここでは、2026年時点で利用できる主な補助金制度や税制優遇措置について解説します。
もくじ
注文住宅に対して補助金・税制優遇措置が行われる背景
近年、注文住宅には、さまざまな補助金や税金の優遇措置が用意されていて、購入後の金銭的な負担を軽減できるようになっています。国や自治体が支援をする理由は、環境に優しい家づくりを普及するためです。
日本政府は今、二酸化炭素(CO2)やメタン、一酸化二窒素(N2O)などの温室効果ガスの排出量と吸収量を差し引いて「実質ゼロ」にするカーボンニュートラルの実現を2050年までに目指しています。
特に建築分野では温室効果ガスを排出する割合が多いため、高い断熱性能や効率の良い設備機器、太陽光発電などの再生可能エネルギーを活用した、省エネ性能の高い住宅の建設を強く推進しています。
ただし、省エネ性能の高い住宅は、建築コストも高くなるので、普及が難しい面があります。そのため、補助金や税制優遇措置などを用意して、こうした住宅の普及を促進しているのです。

出典:住宅ローン減税省エネ要件化等についての説明会資料|国土交通省
省エネ性能が高い注文住宅ほど優遇される傾向がある
住宅に関する補助金や税制優遇制度は、省エネ性能が高いほど優遇される傾向があります。

家庭から排出される温室効果額を減らすには、住宅の省エネ性能を高めることが効果的です。そこで、より環境に優しい高性能な住宅を選んでもらうため、省エネ性能が高いほど支援も大きくする仕組みになっているためです。
このような段階的な支援制度によって、少しでも多くの高性能住宅が建てられ、住宅分野での環境負荷削減を進めようとしています。
また、省エネ性能は、「建設住宅性能評価書」や「住宅省エネルギー性能評価書」などの認定制度によって目に見える形で評価されます。

出典:住宅ローン減税省エネ要件化等についての説明会資料|国土交通省
省エネ性能が高い住宅は、断熱性能が高く1年中快適に過ごせるうえ、光熱費の削減効果が期待できるので、資産価値も高く、将来的に高く売却できる可能性があります。
【2026年版】押さえておきたい注文住宅の補助金・税制優遇の変更点
注文住宅に対する、2026年度の国の補助金一覧とその条件について、下記にまとめました。
| 補助金の名称 | 補助金額の上限 |
|---|---|
| みらいエコ住宅2026事業(旧子育てグリーン住宅支援事業) | GX志向型住宅・長期優良住宅・ZEH水準住宅の新築を補助 |
| 給湯省エネ2026事業 | エコキュート・ハイブリッド給湯機・エネファームの導入を補助 |
| ZEH・ZEH+化等支援事業 | ZEH・ZEH+の新築住宅を対象に補助 |
| 自治体独自の補助金 | 新築住宅、省エネ設備、子育て・移住など地域ごとの支援制度 |
補助金制度は、省エネ性能や子育て支援など、国の政策方針に沿った住宅建築を促進するために設けられています。補助金額は合計すると数十万円から数百万円に達することもあり、住宅建築費用の大きな負担軽減になります。
特に注目すべきは、これらの補助金制度が単発ではなく、条件を満たせば複数の制度を併用できる可能性があることです。
事前に各制度の詳細を把握し、計画的に申請することで、最大限の支援を受けることができます。
住宅建築を検討している方は、以下で解説する各制度の詳細を確認し、自分の住宅計画に合った補助金を活用しましょう。
みらいエコ住宅2026事業(旧子育てグリーン住宅支援事業)
みらいエコ住宅2026事業は、高い省エネ性能を備えた住宅の普及を目的とした補助金制度です。2025年度の「子育てグリーン住宅支援事業」の後継事業として実施されており、住宅省エネ2026キャンペーンの対象事業となっています。
対象となるのは、GX志向型住宅を新築するすべての世帯と、長期優良住宅またはZEH水準住宅を新築する子育て世帯・若者夫婦世帯です。
補助額は住宅性能や建築地域によって異なり、以下のとおりです。
| 補助対象住宅 | 対象世帯 | 地域区分1~4 | 地域区分5~8 | 古家除却加算 |
|---|---|---|---|---|
| GX志向型住宅 | すべての世帯 | 125万円 | 110万円 | ― |
| 長期優良住宅 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 | 80万円 | 75万円 | 20万円 |
| ZEH水準住宅 | 40万円 | 35万円 |
なお、長期優良住宅またはZEH水準住宅では、一定の条件を満たす古家を解体して新築する場合、20万円が加算されます。
補助金を利用するには、みらいエコ住宅事業者として登録された住宅会社・工務店と工事請負契約を締結することが必要です。また、GX志向型住宅では、建築事業者がGXへの協力表明を行っていることも条件となります。
対象となる住宅にも条件があり、建築主本人が居住する住宅であることや、床面積が50㎡以上240㎡以下であること、立地要件を満たすことなどが求められます。また、2025年11月28日以降に基礎工事へ着手した住宅が補助対象です。
交付申請は基礎工事の完了後から行えますが、予算上限に達すると受付が終了します。特にZEH水準住宅はGX志向型住宅や長期優良住宅より受付期間が短く設定されているため、住宅会社と相談しながら早めに準備を進めることをおすすめします。
なお、みらいエコ住宅2026事業は、同じ住宅について「給湯省エネ2026事業」や「先進的窓リノベ2026事業」と重複して補助を受けることはできません。また、国の他の住宅補助金との併用も原則できませんが、自治体独自の補助金は国費が充当されていない制度であれば併用できる場合があります。事前に住宅会社へ確認しておきましょう。
GX志向型住宅についての詳細はこちら
給湯省エネ2026事業
給湯省エネ2026事業は、高効率給湯器の導入を支援する補助金制度です。新築住宅への設置だけでなく、既存住宅への交換も対象となっており、省エネ性能の高い給湯設備を導入することで補助金を受けられます。
対象となる設備は、「ヒートポンプ給湯機(エコキュート)」「ハイブリッド給湯機」「家庭用燃料電池(エネファーム)」の3種類です。補助額は設備の性能によって異なります。
| 給湯設備 | 基本補助額 | 性能要件を満たす場合 |
|---|---|---|
| ヒートポンプ給湯機(エコキュート) | 7万円/台 | 10万円または13万円/台 |
| ハイブリッド給湯機 | 10万円/台 | 13万円または15万円/台 |
| 家庭用燃料電池(エネファーム) | 17万円/台 | 20万円または22万円/台 |
既存設備を撤去する場合は、以下の補助も加算されます。
- 蓄熱暖房機の撤去:8万円/台
- 電気温水器の撤去:4万円/台
例えば、高性能なエネファーム(22万円)を設置し、電気温水器を撤去する場合は、最大26万円の補助を受けられます。
なお、対象となる設備は事務局に登録された製品に限られます。導入前に、住宅メーカーや販売店へ補助対象製品かどうか確認しておきましょう。
また、みらいエコ住宅2026事業で新築住宅の補助を受ける住宅では、同じ住宅について給湯省エネ2026事業の補助を受けることはできません。
ZEH・ZEH+化等支援事業
ZEH・ZEH+化等支援事業は、高い省エネ性能を備えたZEH住宅やZEH+住宅の普及を目的とした補助金制度です。一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)が公募を実施しており、新築戸建住宅を対象に補助が行われます。
対象となるのは、年間の一次エネルギー消費量を実質ゼロにすることを目指す「ZEH」と、ZEHよりもさらに省エネ性能を高め、太陽光発電などで発電した電気の自家消費を促進する「ZEH+」です。
ZEH・ZEH+では、高断熱化に加えて、高効率設備や太陽光発電システムなどを組み合わせることで、エネルギー収支をゼロ以下にすることを目指します。
補助額や要件は公募区分によって異なるため、最新の公募要領を確認する必要があります。また、申請はZEHビルダー・プランナーとして登録された住宅会社を通じて行うのが一般的です。
なお、同じ住宅について、**みらいエコ住宅2026事業など国の他の住宅補助金と重複して補助を受けることはできません。**利用する制度は、住宅メーカーと相談しながら最も有利なものを選びましょう。
自治体で行われている補助金制度の事例
注文住宅に対しては、国だけでなく地方自治体も独自の補助金制度を設けています。
例えば、東京都では、高い省エネ性能を備えた「東京ゼロエミ住宅」の新築に対し、独自の助成制度を実施しています。
住宅の省エネ性能に応じて40万~240万円の助成が受けられるほか、太陽光発電設備や蓄電池、V2Hなどの設備にも補助制度が用意されています。
また、国の「みらいエコ住宅2026事業」と併用できるケースもあるため、条件を満たせばさらに手厚い支援を受けられる可能性があります。
自分の住む(または住みたい)地域の補助金を見つけるには、以下の方法が効果的です。
- 自治体の公式ウェブサイトでの検索
- 市区町村の住宅課や相談窓口への問い合わせ
- 住宅メーカーや工務店に相談する(多くの場合、地域の補助金情報に詳しいです)
地域独自の補助金は数十万円から数百万円になることもあり、国の制度と併用できる場合も多いので、ぜひ積極的に活用しましょう。
【2026年】注文住宅に適用される税制優遇措置
注文住宅を建てる場合、補助金だけでなく、住宅ローン控除や固定資産税の軽減措置などの税制優遇も利用できる可能性があります。
補助金は申請期間や予算上限の影響を受けますが、税制優遇は条件を満たせば長期的に負担を軽減できる制度です。住宅の性能や床面積、入居時期によって適用可否や控除額が変わるため、建築前に確認しておきましょう。
住宅ローン控除
住宅ローン控除は、住宅ローンを利用してマイホームを取得した場合に、年末の住宅ローン残高に応じて所得税などから一定額が控除される制度です。
令和8年度税制改正により、住宅ローン控除は2026年1月1日から2030年12月31日までに入居する場合も利用できるよう、適用期限が5年間延長されました。控除率は0.7%、新築住宅の控除期間は原則13年間です。
2026年以降の新築住宅では、住宅の省エネ性能によって借入限度額が異なります。
| 住宅の種類 | 借入限度額 | 控除率 | 控除期間 |
|---|---|---|---|
| 認定長期優良住宅・認定低炭素住宅 | 4,500万円 | 0.7% | 13年 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 0.7% | 13年 |
| 省エネ基準適合住宅 | 2,000万円 | 0.7% | 13年 |
| その他の住宅 | 対象外 | ― | ― |
なお、子育て世帯や若者夫婦世帯では、借入限度額が上乗せされる場合があります。国土交通省の資料では、認定長期優良住宅・認定低炭素住宅は5,000万円、ZEH水準省エネ住宅は4,500万円、省エネ基準適合住宅は3,000万円とされています。
また、2028年以降に建築確認を受ける省エネ基準適合住宅は、原則として住宅ローン控除の対象外になります。これから注文住宅を建てる場合は、省エネ基準適合住宅にとどめるのではなく、ZEH水準以上の住宅を検討することも大切です。
住宅取得資金等の贈与税の非課税措置
住宅取得資金等の贈与税の非課税措置は、父母や祖父母などの直系尊属から、住宅の新築や取得に使う資金の贈与を受けた場合に、一定額まで贈与税が非課税になる制度です。
適用期間は、2024年1月1日から2026年12月31日までです。非課税限度額は、住宅の種類によって以下のように異なります。
| 住宅の種類 | 非課税限度額 |
|---|---|
| 省エネ等住宅 | 1,000万円 |
| 上記以外の住宅 | 500万円 |
省エネ等住宅とは、省エネルギー性能、耐震性能、バリアフリー性能のいずれかについて一定の基準を満たした住宅です。新築住宅の場合、省エネルギー性能では、断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上などが基準になります。
この制度を利用するには、贈与を受けた年の翌年に贈与税の申告が必要です。非課税枠内の贈与であっても申告が必要になるため、親や祖父母から住宅資金の援助を受ける場合は、早めに税理士や税務署へ確認しておきましょう。
不動産取得税・登録免許税・印紙税の軽減措置
注文住宅を建てるときは、建物や土地そのものの費用だけでなく、不動産取得税や登録免許税、契約書に貼付する印紙税なども発生します。これらの税金にも、一定の軽減措置が設けられています。
不動産取得税では、新築住宅を取得した場合、一定の条件を満たすと住宅の価格から1,200万円が控除されます。認定長期優良住宅の場合は、控除額が1,300万円に増額される特例があります。
登録免許税では、住宅用家屋の所有権保存登記や所有権移転登記、住宅ローンを利用する際の抵当権設定登記について、税率が軽減される措置があります。例えば、住宅用家屋の所有権保存登記では、本則0.4%の税率が0.15%に軽減されます。
また、不動産売買契約書や建設工事請負契約書などにかかる印紙税についても、契約金額に応じた軽減措置が設けられています。
これらの軽減措置は、住宅の床面積や取得時期、登記の時期などによって適用条件が変わります。土地の購入や建物の登記を進める前に、住宅会社や司法書士へ確認しておきましょう。
固定資産税の軽減措置
新築住宅には、固定資産税の軽減措置もあります。一定の条件を満たす新築住宅では、建物部分にかかる固定資産税が一定期間2分の1に減額されます。
一般的な戸建住宅では新築後3年間、マンションなどでは5年間、固定資産税が2分の1に軽減されます。認定長期優良住宅の場合は、戸建住宅で5年間、マンションなどで7年間に延長されます。
令和8年度税制改正では、この新築住宅に係る固定資産税の軽減措置が5年間延長されました。また、床面積要件については、上限が240㎡以下に見直され、下限は原則40㎡以上に緩和されています。
ただし、災害リスクの高い区域に立地する新築住宅では、軽減措置の対象外となる場合があります。土地を選ぶ段階で、ハザードマップや自治体の指定区域も確認しておきましょう。
補助金制度を利用する際の注意点
最後に、補助金制度を利用する際の注意点についても解説します。
申請すれば必ず適用できるとは限らない
補助金制度は、申請しても必ず受けられるわけではありません。
多くの補助金制度には、次のような制限があるためです。
- 申請期間が限られている(例:4月~9月のみ受付)
- その年度の予算に上限がある(予算を使い切ると、その年度の受付が終了)
- 先着順で決まる場合がある(人気の制度はすぐに予算枠が埋まることも)
例えば、ある補助金の受付が4月から始まり、年度の予算が10億円だとします。申請が殺到して6月に予算を使い切ってしまうと、7月以降に申請しても補助金は受けられません。
制度自体は続いていても、予算がなければ受付が終了してしまうのです。
こうしたリスクを避けるためには、住宅計画の早い段階から補助金について調べておくことが重要です。住宅の設計前や建築会社との契約前、少なくとも着工前には、どの補助金を利用するか、その申請はいつから始めるべきかを決めておきましょう。
特に人気の高い補助金制度は、受付開始日に申請が集中することも珍しくありません。
余裕を持って準備することで、貴重な補助金を逃さずに済みます。
補助金制度によっては併用できない場合がある
新築住宅を建てる際、複数の補助金制度があることを知ると「全部申請すれば最大限お得になる!」と考えがちですが、残念ながらそう簡単ではありません。
補助金制度には「併用制限」が設けられていることが多いのです。
具体的には、次のようなケースがあります。
- 同じ目的や対象の補助金は併用できないことが多い
(例:国交省の省エネ住宅補助金と経産省の省エネ設備補助金が、同じ設備に対して重複して受けられない) - 国の補助金と自治体の補助金の併用に制限がある場合がある
(自治体によっては「国の補助金を受ける場合は対象外」などの規定がある) - 同時に申請できても、補助対象がきちんと分かれている必要がある
(設備Aには制度①を、設備Bには制度②を適用するなど)
こうした制限があるなか、最近では複数省庁が連携した「子育てグリーン住宅支援事業」のような合同補助金制度も登場しています。これは縦割り行政の弊害を減らし、より使いやすくする取り組みです。
一方、朗報として、補助金と税制優遇措置は基本的に併用可能です。例えば、「ZEH化等支援事業」の補助金を受けつつ、「住宅ローン控除」や「固定資産税の軽減措置」も同時に適用できることがほとんどです。
最大限のメリットを得るためには、どの制度がどのように組み合わせができるのか、早い段階でハウスメーカーや専門家に相談することをおすすめします。補助金や税制優遇を上手に組み合わせれば、数百万円単位で家づくりの費用を抑えることも可能です。
注文住宅の補助金・税制優遇制度はプロに任せるのが安心
注文住宅を建てる際の補助金や税制優遇制度は、種類が多く、条件も複雑で、さらに毎年のように内容が変わります。そのため、一般の方が全てを把握して最適な組み合わせを見つけるのは、正直なところかなり大変です。
複雑な制度を最大限活用するには、住宅建築のプロに相談するのが最も確実な方法です。
住宅メーカーや工務店は最新の補助金情報を常に把握しており、どの補助金が併用可能か、どの組み合わせが最もお得になるかを熟知しています。また、多くの場合、申請書類の作成や手続きのサポートもしてくれますし、そもそも補助金の条件に合った住宅設計を最初から提案することができるのです。
また、注文住宅を検討する際は、複数の住宅会社から見積もりやプランを取り寄せて比較することをおすすめします。
「メタ住宅展示場」を利用すれば、実際に展示場に足を運ばなくても、複数の住宅メーカーから資金計画や間取りプラン、適用可能な補助金の提案を受けられます。
忙しい方でも手軽に複数社の提案を比較検討できるのでぜひこの機会にご利用ください。
この記事の編集者
メタ住宅展示場 編集部
メタ住宅展示場はスマホやPCからモデルハウスの内覧ができるオンライン住宅展示場です。 注文住宅の建築を検討中の方は、時間や場所の制限なくハウスメーカー・工務店を比較可能。あなたにヒッタリの家づくりプランの作成をお手伝いします。 注文住宅を建てる際のノウハウなどもわかりやすく解説。 注文住宅でわからないこと、不安なことがあれば、ぜひメタ住宅展示場をご活用ください。
運営会社:リビン・テクノロジーズ株式会社(東京証券取引所グロース市場)





