2026年に入り、住宅ローンの金利に上昇の動きが見られます。
特に変動金利は、これまで低い水準が続いていましたが、3月以降は大手銀行でも年1%前後まで上昇しました。一方、固定金利は長期金利の上昇を受け、変動金利よりも早いペースで引き上げが続いています。
2026年における住宅ローン金利の主な動きは、以下のとおりです。
| 金利 | 日付 | 主な動き |
|---|---|---|
| 変動金利 | 3月1日 | 三菱UFJ銀行が新規借入の最優遇金利を年0.670%から年0.945%へ0.275ポイント引き上げ |
| 三井住友銀行が新規借入の最優遇金利を年0.925%から年1.175%へ0.25ポイント引き上げ | ||
| 5月返済分から | 三菱UFJ銀行が一部の既存契約者に適用する基準金利を0.25ポイント引き上げ | |
| 4月以降 | 大手銀行の変動金利の最優遇金利が平均年1%超に上昇 | |
| 固定金利 | 3月1日 | 三菱UFJ銀行の10年固定金利が年2.75%から年2.92%へ上昇 |
| 三井住友銀行の10年固定金利が年2.85%から年2.95%へ上昇 | ||
| みずほ銀行の10年固定金利が年2.75%から年2.85%へ上昇 | ||
| 三井住友信託銀行の10年固定金利が年3.175%から年3.195%へ上昇 | ||
| りそな銀行の10年固定金利が年3.165%から年3.255%へ上昇 | ||
| 大手5行の10年固定金利の平均が年2.938%から年3.034%へ上昇し、8カ月連続の引き上げ |
※金利は新規借入時の最優遇金利です。実際に適用される金利は、金融機関の商品や審査結果、借入条件によって異なります。
住宅ローンは借入額が数千万円に及ぶことも多く、金利が0.25%上昇しただけでも、毎月の返済額や総返済額が大きく増える可能性があります。住宅ローンの返済にどのような影響が出るのかを把握するためにも、固定金利と変動金利の仕組みや違いを確認しておきましょう。
もくじ
住宅ローンの金利はどう決まる?仕組みをわかりやすく解説!
そもそも住宅ローンの金利は、どのような仕組みで決まっているのでしょうか。ここからは、変動金利と固定金利に分けて、それぞれの金利が決まる仕組みや特徴をわかりやすく解説します。
固定金利は「新発10年物国債」の利率で決まる
「新発10年物国債」とは国が新規に発行する10年満期の国債です。国債には「利回り」があり、これは簡単に言えば国債を購入したときの実質的な収益率です。
この利回りは景気や経済政策などによって上がったり下がったりします。政策金利が上がると、この国債の利回りも上昇し、住宅ローンの固定金利に影響します。
例えば、政策金利の引き上げで国債利回りが0.5%上昇すれば、住宅ローンの金利も同じくらい上がる可能性があります。
固定金利には2種類あり、それぞれ金利上昇リスクへの対応が異なります。2026年は長期金利の上昇を受け、住宅ローンの固定金利も引き上げが続いています。特に固定期間選択型のローンでは、固定期間が終わるタイミングに注意が必要です。
固定期間選択型
最初の数年間(5年や10年など)は金利が固定され、その後は市場金利に応じて変動します。政策金利が上がると、固定期間終了後に金利が上昇する可能性が高いです。
全期間固定金利
返済期間全体にわたって金利が変わらないタイプです。金利上昇のリスクはありませんが、最初から金利が高めに設定される傾向があります。
変動金利は「短期プライムレート」で決まる
変動金利の住宅ローンは、主に「短期プライムレート」を基準として金利が決まります。
短期プライムレートとは、銀行が信用力の高い企業へ短期間の融資を行う際に適用する最優遇金利です。銀行が資金を調達する際のコストなどをもとに決まり、日本銀行の政策金利が引き上げられると、短期プライムレートも上昇する傾向があります。
2026年は、政策金利の引き上げを受け、銀行による短期プライムレートや住宅ローンの基準金利の見直しが進んでいます。
例えば、三菱UFJ銀行は2025年12月の短期プライムレート引き上げを受け、2026年3月1日から住宅ローンの変動金利の基準金利を見直しました。さらに、2026年6月の短期プライムレート引き上げに伴い、同年9月1日から再度見直す予定です。
そのため、変動金利で住宅ローンを利用している方は、金利の見直しによって利息の負担が増え、毎月の返済額や総返済額が増加する可能性があります。
ただし、基準金利の変更が実際の返済額へ反映される時期は、金融機関や契約内容によって異なります。
住宅ローンの金利上昇は返済にどう影響する?
住宅ローンの金利が上昇すると、毎月の返済額や総返済額が増える可能性があります。ただし、影響の表れ方は、変動金利と固定金利で同じではありません。
ここからは、金利タイプごとに、住宅ローンの返済へどのような影響が生じるのかを確認していきましょう。
変動金利は金利の見直し後に影響が表れる
変動金利の住宅ローンは、主に「短期プライムレート」に連動します。そのため、政策金利が引き上げられると、数ヶ月以内に調整されるため、変動金利への影響も比較的早い段階で現れます。
例えば、政策金利が0.25%引き上げられた場合、短期プライムレートは0.25%程度上昇することが一般的です。
変動金利の住宅ローンも0.25%程度上昇する可能性があります。仮に、現在の変動金利が1.0%だとすると、金利が引き上げられた後は1.25%程度になることが予測されます。
変動金利は2つの仕組みで返済額の急増を防げる
変動金利型の住宅ローンには、「5年ルール」と「125%ルール」の2つの仕組みがあります。この仕組みは、金利の急激な上昇から返済額の急増を防ぐための対策として導入されているため、金利が上昇しても一定の保護を受けながら返済を続けられます。
5年ルール
5年ルールとは、変動金利型の住宅ローンにおいて、金利が5年ごとに見直される仕組みです。
金利が急激に上昇した場合でも、次の金利見直しまでの間に返済額が急激に増えることを防ぎます。政策金利が引き上げられた場合、金利の上昇が反映されるのは数カ月後、または1年後ではなく、次回の金利見直し時期までの一定期間にわたって調整されることになります。
5年ルールは、急激な金利の変動がある場合でも、その影響を直ちに全額反映させるのではなく、段階的に調整されるため、借り手にとっては安心して返済を続けられます。
125%ルール
125%ルールは、金利が上昇した際に返済額が前回の金利に対して最大125%までしか増加しないという仕組みです。
返済額の増加を一定の範囲内に抑えることができ、前回の返済額に対して125%以内で調整され、急激な返済負担がかかることはありません。具体的には、現在の返済額が月々5万円であれば、金利が上昇した場合でも最大で6万2,500円までしか増えません。125%ルールは、金利の上昇によって家計に過度な負担がかからないようにするため、借り手にとって非常に重要な保護策となります。
固定金利は新規借入時や固定期間終了時に影響する
固定金利は、主に「新発10年物国債」の利回りに基づき、政策金利の引き上げが発表されると、固定金利の住宅ローンは通常、数週間以内に金利が上昇するケースが多いです。
例えば、政策金利が0.25%引き上げられた場合、新発10年物国債の利回りも0.2〜0.3%程度上昇することが予想されます。
この結果、固定金利が0.2〜0.3%程度上昇することになります。仮に現在の固定金利が1.5%だとすると、金利が引き上げられた後は1.7〜1.8%程度に上昇することが予測されます。
政策金利が引き上げられた際、金利が上昇する幅は0.2〜0.3%程度が一般的です。ただし、国債利回りや市場動向によってその幅は異なる場合があり、急激に金利が引き上げられた場合は、金利の上昇幅がさらに大きくなる可能性もあります。
固定金利は変動金利より先に上がりやすい
一般的に、変動金利よりも固定金利のほうが先に金利が上がるケースが多いです。固定金利が「新発10年物国債」の利回りに基づいており、政策金利が引き上げられると変動金利より先に反応して上昇する傾向があるためです。
具体的に説明すると、政策金利が上昇した場合、銀行は自分たちがお金を調達する際にも高い金利を払わなければなりません。これは銀行にとってコスト増を意味します。このコスト増を補うため、銀行は貸出金利も引き上げる必要が出てきます。
このとき、国債市場ではすでに将来の金利上昇を見越して、国債の利回りが先に上昇し始めます。
そして銀行は、この国債利回りを参考にして住宅ローンの固定金利を決めています。例えば、政策金利が0.25%引き上げられると、市場では将来の金利上昇を織り込んで、10年物国債の利回りも0.2〜0.3%程度上昇します。銀行はこの国債利回りの動きに合わせて、住宅ローンの固定金利をすぐに引き上げることになるのです。
政策金利の引き上げが変動金利に反映される仕組み
政策金利が引き上げられると、銀行は短期プライムレートや住宅ローンの基準金利を見直します。
ただし、利上げの直後に、すべての契約者の返済額が一斉に増えるわけではありません。2026年は、2025年12月の政策金利引き上げを受け、三菱UFJ銀行が3月1日から住宅ローンの変動金利の基準金利を見直しました。
また、2026年6月の短期プライムレート引き上げに伴い、9月1日から再び基準金利を見直す予定です。このように、政策金利の上昇が変動金利へ反映される時期は、金融機関の基準日や契約内容によって異なります。今後の返済計画を立てる際は、利用している金融機関の金利見直し日と、新しい金利が返済額へ適用される時期を確認しておきましょう。
また、5年ルールや125%ルールの仕組みによって、金利が上昇しても返済額の急激な増加を抑えることができますが、それでも金利が上昇し続けると、返済額の増加が避けられなくなる場合があります。
このため、金利の動向を注意深く見守り、必要に応じて借り換えや返済プランの見直しを行うことが求められます。
金利上昇時代に検討したい補助金・税制優遇措置の活用
政策金利の上昇によって住宅ローンの金利も上がりつつある今、住宅購入の負担を軽減する方法として、国や自治体が提供する補助金制度や税制優遇措置の活用を検討してみましょう。
特に省エネ性能の高い住宅は金利上昇の影響を相殺できるほどの支援が受けられる可能性があり、子育て世帯や若者夫婦向けの特別支援も充実しています。
「子育てグリーン住宅支援事業」では最大160万円、「ZEH化等支援事業」では最大60万円、「LCCM住宅整備推進事業」では最大140万円の補助金が受けられる可能性があります。
また、省エネ基準を満たす住宅であれば住宅ローン控除や固定資産税の軽減措置なども適用されます。自治体独自の補助金制度も多く、地域によっては数十万円から数百万円の支援が受けられることもあります。
これらの制度を賢く活用すれば、住宅ローンの金利上昇に伴う、毎月の返済額や総返済額の増加といった負担を減らせます。
制度は年度ごとに内容が変わり予算にも限りがあるため、住宅計画の早い段階から情報収集し、住宅メーカーや工務店に相談することをおすすめします。
金利が上昇する時代だからこそ、利用できる支援制度を最大限活用することが重要です。
住宅ローンの借り換えはいつがベスト?金利選びの重要ポイント
2026年は変動金利と固定金利のどちらも上昇しているため、住宅ローンの借り換えや金利タイプの見直しを検討する重要性が高まっています。
ただし、金利が上がっているからといって、すぐに借り換えたほうがよいとは限りません。現在の適用金利やローン残高、残りの返済期間、借り換えにかかる諸費用などを比較し、返済負担を減らせるか慎重に判断することが大切です。
既に住宅ローンを借りているなら借り換えはしたほうがいい?
住宅ローンをすでに借りている場合、現在のローン金利が市場金利に比べて高ければ、借り換えで負担を軽減できる可能性があります。ただし、金利引き上げが予想されるタイミングでは、慎重に判断する必要があります。
| 現在の 金利が高い |
現在の金利が他の金融機関の金利に比べて高い場合、金利が低い段階で借り換えることで、将来的な返済負担を減らすことができます。 |
|---|---|
| 変動金利から 固定金利に変更 |
変動金利型のローンを組んでおり、金利の上昇を懸念している場合、金利上昇前に固定金利に借り換えることで、金利の上昇リスクを回避できます。 |
| ローン残高が 減少している |
ローン残高が減少しており、借り換えによって返済期間を短縮できる場合、借り換えを行うことで総返済額を減らすことができます。 |
| 現在の金利が 安定している |
すでに低金利で安定した返済をしている場合、急いで借り換えを行う必要はないかもしれません。特に固定金利で安定した返済計画を立てている場合、金利が上昇しない限り、現状維持で問題ない場合もあります。 |
|---|---|
| 借り換え費用が 高い |
借り換えには手数料や事務手数料が発生します。これらの費用が大きくなる場合、借り換えをすることで得られる金利差が実際のメリットに見合わないこともあります。 |
これから組むなら変動金利?固定金利?
2026年は変動金利と固定金利のどちらも上昇しているため、当初の金利だけで選ぶのではなく、今後の返済計画や家計の余裕を踏まえて判断することが大切です。
返済額の安定を重視する方には固定金利、金利上昇にも対応できる余裕があり、早期返済を進められる方には変動金利が向いています。それぞれの金利タイプに向いている人の特徴は、以下のとおりです。
| 金利タイプ | 向いている人 |
|---|---|
| 固定金利 |
|
| 変動金利 |
|
それぞれのメリットとデメリットについて、確認しておきましょう。
変動金利のメリットとデメリット
- メリット:初期の金利が低いため、返済額が少なく抑えられます。また、将来的に金利がそれほど上がらなかった場合、利息を軽減することが可能です。
- デメリット:政策金利の引き上げに伴い、金利が上昇すると返済額が増えるリスクがあります。特に、金利が急激に上昇する場合、返済負担が大きくなる可能性があります。
固定金利のメリットとデメリット
- メリット:金利が固定されるため、返済額が一定で、金利上昇のリスクから守られます。長期的に安定した返済計画を立てやすいです。
- デメリット:初期金利が変動金利よりも高く設定されることが多いため、返済額が大きくなることがあります。さらに、固定期間終了後に金利が市場金利に合わせて変更されるものもあります。
今後の金利動向を見越して、特に政策金利が引き上げられる見込みの高い場合、一般的には固定金利を選ぶと安心です。一方、金利が低い期間が継続する場合には、変動金利を選ぶことで金利負担を軽減できる可能性があります。
失敗しない家づくり!金利動向に合わせた最適な住宅ローンプラン
2025年には政策金利の引き上げが予想されるため、将来の金利上昇に備えて、今のうちから住宅ローンの金利タイプや借り換えのタイミングを考え、準備を始めることが大切です。
金利動向をしっかり確認し、金利が上がる前にローンを組むことで、将来の返済負担を抑えることができます。これから家を購入したい方は、金利が上昇する前に早めにローンを組むことも選択肢としては重要です。
「家づくりプラン」でプロのサポートを活用しよう
家づくりを検討しているなら、メタ住宅展示場の家づくりプランを活用し、土地選び、間取り、資金計画などをトータルでサポートしてもらいましょう。複数の建築会社から最適なプランを提案してもらえるため、比較検討が可能です。
この記事の編集者
メタ住宅展示場 編集部
メタ住宅展示場はスマホやPCからモデルハウスの内覧ができるオンライン住宅展示場です。 注文住宅の建築を検討中の方は、時間や場所の制限なくハウスメーカー・工務店を比較可能。あなたにヒッタリの家づくりプランの作成をお手伝いします。 注文住宅を建てる際のノウハウなどもわかりやすく解説。 注文住宅でわからないこと、不安なことがあれば、ぜひメタ住宅展示場をご活用ください。
運営会社:リビン・テクノロジーズ株式会社(東京証券取引所グロース市場)





