住宅ローンをフルローンで組む!将来的な金利上昇を見込むならお得?

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住宅ローンをフルローンで組む!将来的な金利上昇を見込むならお得?

フルローンとは頭金(自己資金)を用意せずに、住宅価格の全額分の融資を受けることをいいます。

以前は住宅価格の1〜2割程度を頭金として用意するのが一般的でした。しかし住宅ローン金利が低水準であれば、頭金をためずにフルローンで購入する方法も選択肢のひとつとなっています。

フルローンのメリットやリスク、そして頭金をためるよりフルローンを利用したほうがお得になるケースを紹介します。

この記事でわかること

  • 手元資金を温存し、好きなタイミングで住宅購入できるメリット
  • 々の返済額増加や金利上昇といった潜在的なリスク
  • 将来の金利上昇を考慮すると、フルローンの方が総支払額を抑えられるケース
  • 無理のない返済計画を立て、フルローンで後悔しないための具体的な対策

フルローンのメリットや利用ケース

フルローンは多くの銀行で利用が可能です。なかには登記費用や事務手数料といった諸費用もローンに組み入れられる銀行もあります。

ここでは、フルローンを利用するメリットやケースを解説します。

手元にお金を残せる

フルローンの最大のメリットは、手元にお金を残せることです。頭金で数百万円もの大金を支払ったために、ほかの出費に対応できずに家計が圧迫されるケースがあります。

たとえば、住宅を購入するときは引っ越しや家具、家電の購入などにもお金がかかります。将来的には、車の買い替えや子どもの教育費などの大きな出費も予想されます。住宅ローンの借入金額を少なくするために頭金でお金を使った結果、自動車ローンや教育ローンなどの住宅ローンより金利の高いローンを組む必要があるかもしれません

住宅ローン控除を最大限活用できる

頭金なしのフルローンで借入金額を増やすと、住宅ローン控除のメリットを多く享受できます。住宅ローン控除とは年末時点の住宅ローン残高の0.7%を所得税(一部は住民税)から13年間控除できる制度のことです。これは、借入金額が多いほど控除額も多くなります。

しかし、控除額には上限があります。上限に達しているときは、借入金額を増やしても控除額は変わりません。

好きなタイミングで住宅を購入できる

フルローンなら、理想の物件を見つけたタイミングで購入の決断ができます。頭金がたまるのを待っていると、よい土地が見つかったとしても諦めなくてはなりません。

物件探しは巡り合わせや運も重要で、逃した物件はあとで手に入れられません。せっかくのチャンスを逃がさないためにも、フルローンも視野に入れていつでも購入できる準備をしておきましょう。

住宅ローンの返済を早い時期から始められる

フルローンにして少しでも若いうちから住宅ローンを組めば、その分早く完済できます。

また定年退職に合わせてローンの完済を計画するときは、早くローンを組むほど返済期間に余裕が生まれます。返済期間に余裕があると毎月の返済額を少なくでき、家計の負担を減らせるでしょう。

アパートなどの家賃負担を少なくできる

現在アパートなどの賃貸住宅に住んでいるケースでは、住宅の購入が早ければ早いほど、家賃の支払いが早くになくなります。

家賃を支払いながら頭金をためるのは大変なうえ、時間もかかります。フルローンを活用すれば、早めに家賃や更新料に使っているお金をローンの返済に充てられます

フルローンを組むリスクを理解しておく

フルローンにはメリットだけではなく、もちろんデメリットもあります。デメリットもしっかり把握したうえで契約することが重要です。

毎月の返済額が増える

フルローンの一番のデメリットは、毎月の返済額が増えることです。毎月の返済額が増えるということは総返済額も頭金ありのときに比べて多くなります。

毎月の返済額が多くなると家計を圧迫し、返済ができなくなるケースも考えられます。

変動金利は金利上昇のリスクがある

フルローンを利用するとき、金利を少しでも抑えるために変動金利を選択する人が多いです。変動金利には金利上昇のリスクがあります。住宅ローンは30〜40年と長期間にわたる契約です。この先金利がどうなるかは専門家でもわかりません。

ただ、2020年12月現在はゼロ金利といわれているように、これ以上金利が下がるとは考えづらく、将来的には上昇する可能性が高いといえます。もし現在よりも金利が上昇すれば、当然毎月の返済金額は高くなります。

ローンの審査が厳しくなる

フルローンにすると借入金額が多くなるため、ローンの審査が厳しくなります。審査は年齢や年収、勤務先、その他の債務状況などから総合的に判断されるため、フルローンという理由だけで審査が通らないことはありません。

しかし、フルローンで申し込みをすると年収に対しての返済負担額が大きくなるため、延滞や滞納をするリスクが高いとみなされます。審査が通らないときは、収入合算やペアローンを利用して申し込みをする方法もあります。

借入金利が高くなる

フラット35では、住宅価格に対しての借入金額が9割以下よりも9割超のほうが金利が高くなります。

借入金額に対する融資額
融資率 金利(%)
9割以下 1.65
9割超 1.91

2022年12月現在、取扱金融機関で提供されているもっとも多い金利

フラット35以外の銀行でも、頭金があるかどうかで金利が異なることがあります。事前に確認しましょう。

融資を受けられる銀行が限られる

フルローンを利用するためには、フルローンに対応している銀行を選ぶ必要があります。多くの銀行でフルローンが利用できますが、諸費用もローンに組み入れられる銀行は増えています。
なかには諸費用に特化したローンを取り扱っている銀行もありますが、金利が高いおそれがあるため注意が必要です。

売却時にオーバーローンに陥りやすい

頭金なしで住宅を購入すると、借入額が物件価格と同額になるため、将来的に住宅を売却する際にオーバーローンの状態に陥るリスクが高まります。
オーバーローンとは、住宅の市場価値よりもローン残高が上回っている状態のことです。
特に新築住宅は購入直後から資産価値が下落しやすいため、転勤や家族構成の変化などで売却が必要になった場合、売却代金だけではローンを完済できず、不足分を自己資金で補填する必要が生じることを理解しておきましょう。
住宅ローンが払えなくなった際の対処法については「住宅ローンが払えなくなったら?滞納後の現実とマイホームを守る方法」で詳しく紹介しています。

諸費用は現金で用意する必要がある

フルローンは物件価格の全額を借り入れることができますが、住宅購入にかかる初期費用や諸費用はそこに含まれないのが一般的です。
登記費用や各種手数料、火災保険料などの諸費用は、物件価格の5〜10%程度かかることが多く、これらは現金で支払う必要があります。
諸費用まで含めて借り入れる「オーバーローン」を利用できる金融機関もありますが、審査がさらに厳しくなるため、あらかじめある程度の自己資金は手元に準備しておくことが重要です。

注文住宅の頭金の目安については「注文住宅の頭金はいくらが目安?平均相場と頭金なしローンの比較解説」で詳しく紹介しています。

将来的な金利上昇を考えると、頭金をためるよりフルローンがお得?

フルローンを利用すると、返済額が多くなるデメリットがあります。しかし、将来的な金利上昇を見据えると、フルローンで購入することがお得になるケースがあります

具体的にシミュレーションをしながら見ていきましょう。

ケース①フルローンと頭金ありの比較

3,500万円の物件を、フルローンと頭金ありで融資を受けたときのシミュレーションをし、比較しました。借入条件は以下のとおりとします。

  • 金利:全期間固定1.65%
  • 返済期間:35年
  • フルローンの借入金額:3,500万円
  • 頭金ありの借入金額:3,150万円(頭金350万円)
フルローンと頭金ありの場合の比較
フルローン 頭金あり
借入金額 3,500万円 3,150万円
毎月の返済額 109,754円 98,779円
総返済額 46,096,844円 41,487,072円

上記のケースでは、フルローンのほうが毎月10,975円返済額が多く、総返済額は4,609,772円も多くなりました。やはり頭金ありのほうが月々の返済額や総返済額の負担を減らせます。

ケース②頭金をためている間に金利が上昇したケースで比較

2026年現在の住宅ローン市場において、超低金利時代からの転換が進む中、頭金を貯めるために購入時期を遅らせる判断には慎重さが求められます。仮に3,500万円の物件を検討しているケースで、頭金として物件価格の1割にあたる350万円を貯めるのに5年かかると想定し、その間に金利が1%上昇した状況をシミュレーションしてみましょう。

  • 金利:全期間固定フルローンが1.65%、(頭金ありが1%上昇し2.65%)
  • 返済期間:35年
  • フルローンの借入金額:3,500万円
  • 頭金ありの借入金額:3,150万円(頭金350万円)
フルローンと頭金ありの場合の比較(金利が上昇した場合)
フルローン 頭金あり
借入金額 3,500万円 3,150万円
金利 1.65% 2.65%
毎月の返済額 109,754円 115,159円
総返済額 46,096,844円 48,366,726円

さらに、頭金を貯めている5年間の住居費も忘れてはなりません。家賃10万円の賃貸に住み続けた場合、更新料を含めると5年間で600万円以上の支出が発生します。金利上昇局面においては、時間をかけて自己資金を蓄えるよりも、早期にフルローンで固定金利を確定させたほうが、トータルの住居コストを大幅に抑制できる可能性が高まっています。物件価格の高騰も続く2026年においては、購入タイミングを逃さない視点が不可欠です。

フルローンで後悔しないための条件と対策

フルローンは手元の資金を残せるメリットがある一方で、返済負担が大きくなるため、無理のない計画を立てることが重要です。
ここでは、フルローンを利用する際に後悔しないための具体的な条件や、リスクを最小限に抑えるための対策を詳しく解説します。

返済負担率は年収の25%以内を目安にする

フルローンで借り入れる際、無理なく返済を続けるための目安となるのが「返済負担率」です。
これは年収に対する年間のローン返済額の割合を示しており、一般的には手取り年収の25%以内に抑えるのが理想的とされています。

フルローンは借入額が大きくなるため、どうしても返済負担率が高くなりがちです。
ご自身の年収から借入可能額を計算し、返済負担率が25%を大きく超えてしまう場合は、物件の予算を見直すか、一部でも頭金を用意することを検討しましょう。
家を建てる予算を年収倍率から知る方法については「【一覧表付き】家を建てる予算は年収倍率から!土地ありなしの頭金は?」で詳しく紹介しています。

頭金を貯める代わりに繰り上げ返済を活用する

将来的な金利上昇や住宅価格の高騰を懸念して、頭金が貯まるのを待たずにフルローンで住宅を購入するのも一つの賢い選択肢です。
その場合、購入後に計画的に貯蓄を行い、まとまった資金ができた段階で繰り上げ返済を行う方法が有効になります。

繰り上げ返済を活用することで、支払う予定だった利息を減らし、返済期間を短縮することができます。
頭金を貯めている間の家賃負担も考慮すると、早めに購入して繰り上げ返済に回すほうが結果的に負担を軽減できるケースがあります。

ライフプランシミュレーションを実施する

住宅ローンの返済は長期間にわたるため、契約前に数十年間を見据えたライフプランシミュレーションを行うことが重要です。
子どもの教育費や車の買い替え、住宅の修繕費用など、将来発生する大きな支出を想定した資金計画を立てておきましょう。

また、転職や病気による収入減少などのリスクも考慮し、それらの事態が起きても無理なく返済を継続できるか確認する必要があります。
不安な場合は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談して客観的なアドバイスを受けるのがおすすめです。

年代別に見るフルローンを組む際の注意点

フルローンを利用する際のメリットやリスクは、ローンを組む年代によっても大きく異なります。
各年代特有のライフイベントや将来の収支を見据えた計画が必要です。
ここでは、年代別に気をつけるべき資金計画のポイントを解説します。

20代・30代:将来のライフイベントによる支出を考慮する

20代や30代は、定年までに35年の長期ローンを完済しやすいという大きな強みを持っています。
一方で、これからの人生で結婚や出産、子どもの進学といったライフイベントが控え、生活費や教育費が大きく変動する時期に該当します。

現在の収入だけでギリギリの返済計画を立ててしまうと、将来の急な出費に対応できなくなる恐れがあります。
今後の支出増加をしっかりと見据え、月々の返済額に十分な余裕を持たせた借入額に設定することが資金計画の重要なポイントです。

40代・50代:定年退職までの完済と老後資金を念頭に置く

40代や50代でフルローンを組む場合、最大の課題となるのが返済期間です。
35年ローンを組むと完済年齢が定年を大きく超えるため、年金生活に入ってからもローンの返済が続き、老後の生活資金を圧迫するリスクを伴います。

また、金融機関の審査もより厳しくなるのが実情です。
そのため、退職金を利用した繰り上げ返済の計画を立てるか、物件の予算を下げて借入額自体を少なくするなど、定年退職までに無理なく完済できる現実的で手堅い資金計画が不可欠となります。

この記事の編集者

メタ住宅展示場 編集部 メタ住宅展示場 編集部

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