土地や建物といった固定資産を保有すると、固定資産税がかかります。
税額は、土地や建物の評価額が高いほど増える仕組みです。そのため、建物の条件がほぼ同じであれば、木造よりも軽量鉄骨のほうが資産価値が下がりにくく、固定資産税の負担が大きくなることがあります。
木造住宅の税額を参考にしていると、固定資産税の負担が想定より大きくなり、生活プランに影響するかもしれません。
無理のない資金計画で家づくりを進めるためにも、木造住宅と軽量鉄骨住宅の固定資産税の違いを確認しておきましょう。
もくじ
固定資産税とは
固定資産税額は、「課税評価額」に税率をかけて計算します。
たとえば、課税評価額が2,000万円の土地と、1,000万円の建物を所有している場合、固定資産税額は次のように計算できます。
- 固定資産税額=3,000万円(課税評価額) × 0.014(1.4%)=42万円
この課税評価額は、土地や建物の価値をもとに自治体が算出する「固定資産税評価額」を基準に決まります。
固定資産税評価額は、自治体が「この土地や建物には、これくらいの価値がある」と判断した金額のことです。詳細は、毎年送られてくる固定資産税課税明細書で確認できます。
固定資産税評価額から各種軽減措置などを反映した「課税標準額」に、標準税率である1.4%をかけて計算することで、固定資産税額を算出できます。
固定資産税評価額は3年に1度見直されます。固定資産税の納税通知書は毎年届くので、納税を忘れないようにしましょう
都市計画税とセットで考えられる
都市計画税は、市街化区域内に土地や建物を保有している人に課せられる税金です。固定資産税とあわせて納税するケースが一般的で、税額は「課税標準額 × 0.3%」で計算します。
- 都市計画税額=課税標準額 × 0.003(0.3%)
市街化区域とは、住宅地や商業地などの区域、または地方公共団体(自治体)が10年以内に優先的に発展させようとしている地域のことです。道路や下水道、公園などの都市機能や設備が整備されている住みやすい地域をイメージすればよいでしょう。
市街化区域は、すでに市街地を形成している区域及びおおむね十年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域とする。
市街化区域は、地方公共団体の窓口や不動産会社で調べられます。
優遇措置がある
固定資産税や都市計画税が高いと感じたかもしれませんが、住宅用の土地や建物には次のような優遇措置があり、税金を半分以下にすることも可能です。
| 固定資産税 | 都市計画税 | |
|---|---|---|
| 土地 | 200㎡以下は課税評価額が6分の1、200㎡を超えた部分は課税評価額が3分の1 | 200㎡までの課税評価額が3分の1、200㎡を超えた部分は課税評価額が3分の2 |
| 建物 | 50〜280㎡の新築建物は120㎡までの固定資産税が2分の1 | 建物の特例はなし |
先ほどと同様の、課税評価額が2,000万円の土地と1,000万円の新築の建物を持っていた場合、次のように税額を求められます。なお、土地や建物は優遇措置が適用される広さ(㎡)と仮定します。
- 固定資産税額(土地)=2,000万円 × 0.014 × 1/6=4万7,000円
- 都市計画税額(土地)=2,000万円 × 0.003 × 1/3=2万円
- 固定資産税額(建物)=1,000万円 × 0.014 × 1/2=7万円
- 都市計画税額(建物)=1,000万円 × 0.003=3万円
このように、土地と建物を合わせて、16万7,000円の納税が必要です。先ほど計算した51万円から大きく減額されたことがわかります。
木造住宅と鉄骨住宅は固定資産税にどのくらいの差額がある?
結論からいうと、木造住宅よりも軽量鉄骨住宅のほうが、固定資産税は高くなる傾向があります。
ただし、実際の税額は建物の広さや設備、自治体の評価基準などによって変わるため、一概に差額を比較するのは難しいです。
なぜ木造住宅のほうが安いのか
固定資産税の課税評価額は、土地や建物の評価額で決まります。土地の評価額は木造住宅か鉄骨住宅かの違いで変わるものではないため、建物の評価額のみが変わると考えてよいでしょう。
同じ時期に木造住宅と鉄骨住宅を建てた場合、鉄骨住宅のほうが評価額が下がりにくくなっています。なぜ下がりにくいかというと、鉄骨住宅のほうが経年劣化が少なく、価値が長持ちするからです。
経年減点補正率
建物の評価額を計算するには、経年減点補正率が大きく関わってきます。これは年数の経過によって生じる価値の減価をあらわしたものです。
経年減点補正率は、年数の経過につつれて小さくなっていきますが、小さくなる割合は次のように建物の構造や種別ごとに決まっています。
| 経過年数 | 経年減点補正率 |
|---|---|
| 1 | 0.80 |
| 10 | 0.50 |
| 20 | 0.26 |
| 27以上 | 0.20 |
| 経過年数 | 経年減点補正率 |
|---|---|
| 1 | 0.9579 |
| 10 | 0.7397 |
| 20 | 0.5054 |
| 45以上 | 0.2000 |
木造住宅の場合、1年目で80%だった経年減点補正率が、27年で20%まで下落します。一方の鉄骨住宅などの非木造住宅の場合は、1年目が95.79%であり45年かけて20%まで下落します。
このように、鉄骨住宅のほうが木造住宅より経年限定補正率が下がりにくいため、課税評価額が下がりにくいです。それに伴い、固定資産税も下がりにくくなっています。
20年で100万円以上差が出る場合も
毎年の固定資産税の差額は数万円ですが、長期にわたって納める必要があります。
正確な固定資産税の差額は、材料や建築方法などによっても異なるため、一概にはいえません。しかし20年間の固定資産税合計額は、木造住宅の場合と比べて鉄骨住宅のほうが一般的に100万円以上高くなるようです。
固定資産税で家を選ぶのは要注意
木造住宅と比べて鉄骨住宅のほうが固定資産税が安くなるからといって、木造住宅を買ったほうがよいと考えるのは早計です。木造住宅や鉄骨住宅には、それぞれメリットがあるので、トータルで判断しましょう。
木造住宅のメリット
木材は昔から日本で、建物の材料として使われてきました。それは、木材は日本の気候に適しているからです。断熱性により温度変化を抑え、調湿性により結露やカビの発生を防いでくれます。高温多湿の日本には最適な材質です。
また、鉄骨住宅と比べて材料費が安く、工期も短いため建築費を抑えられます。安くマイホームが手に入るのも木造住宅のメリットです。
鉄骨住宅のメリット
鉄骨住宅は経年変化が少ないため、売却する際にも値段が下がりにくい傾向にあります。また、木造住宅と比べてメンテナンスの費用もかかりません。さらに、火災保険料も安く設定されているため、維持がしやすくなっています。
また、鉄骨住宅は木造住宅と比べて頑丈なため、建物を支える柱や壁の面積が少なくて済みます。そのため、開放的な間取りを実現でき、間取りにこだわりがある人には、大きなメリットです。
固定資産税だけに注目しない
木造住宅と鉄骨住宅には、それぞれにメリットがあります。費用面では木造住宅のほうが優れているかもしれませんが、費用を重視して納得していない家に何十年も住み続けるのは大変です。
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この記事の編集者
メタ住宅展示場 編集部
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