津市は県庁所在地として行政機能が集まる都市でありながら、伊勢湾を望む自然環境や商業施設、教育環境も整っているため、生活の利便性と落ち着いた暮らしやすさを両立できるエリアです。
利便性の高い立地やゆとりある敷地を活かし、自分たちのライフスタイルに合わせた間取りやデザインを実現でき、長期的に快適で資産価値のある住まいを手に入れることができます。
そのため、津市は中心部と湾岸部で地価の差が大きく、土地選びによって家づくりの総額が大きく変わる点に注意が必要です。さらに全国的な建築費高騰の影響もあり、資金計画やタイミングの見極めはますます重要になっています。
この記事では、津市における注文住宅の費用相場や今後の価格推移の予測、地域特有の注意点に加え、実際に選ばれているハウスメーカーを紹介します。後悔しない家づくりのために、ぜひ参考にしてください。
もくじ
津市で注文住宅を建てる際の費用相場
住宅金融支援機構が公表している「フラット35利用者調査 (2024年度)」によると、三重県における注文住宅の主な建設費は以下のようになっています。
項目 | 三重県 | 全国平均 | 三重県の特徴 |
---|---|---|---|
世帯年収 | 731万円 | 652万円 | 全国より79万円高い |
建設費 | 4,369万円 | 3,932万円 | 全国より437万円高い |
住宅面積 | 129.6㎡ | 118.5㎡ | 全国より11.1㎡広い |
※住宅金融支援機構 フラット35利用者調査 2024年度集計表を元に弊社で作成
津市における注文住宅の建設費は東京の4,875万円、大阪の4,385万円に次ぎ全国3位の高さで、世帯年収も全国平均より79万円も高く、大都市並みの基準となっているのが特徴です。
世帯年収、建設費、住宅面積の全てにおいて全国平均を上回る理由としては、以下のような点が考えられます。
- 敷地面積や住宅面積を広くとる傾向があり、その分建築コストも増加しやすい
- 台風・地震・浸水などの災害リスクに備え、耐震・耐久・省エネ性能を重視した仕様が選ばれることが多い
- 世帯年収が全国より高いため、より高性能・高仕様の住宅を求める傾向がある
- 建設業界全体の人手不足や資材価格の上昇が、地方でも影響しており、施工費用が全国平均より高めに出やすい
津市内の地価は中心部・湾岸部で二極化しやすい
三重県の公表している「令和7年地価公示」によると、津市内においても標準地の価格差は以下のようにバラつきがあります。
上位3地点 | 下位3地点 | ||
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【津5-3】津市羽所町375番外 | 249,000円 | 【津3-1】津市白塚町字石神4174番外 | 7,750円 |
【津5-7】津市新町1丁目240番4外 | 125,000円 | 【津9-3】津市新家町字西林281番6外 | 9,700円 |
【津-18】津市大谷町118番7 | 116,000円 | 【津-5】津市安濃町今徳字西前野795番 | 10,000円 |
※令和7年地価公示|三重県を元に弊社で作成
特に、地価の上位は中心部に集中しており、津駅前の最高額である津市羽所町(津5-3)が249,000円/㎡、津新町駅前の津市新町1丁目(津5-7)が125,000円/㎡、津駅西方の津市大谷町(津-18)で116,000円/㎡となっています。
一方、地価の下位は湾岸部に多く見られ、津市白塚町(津3-1)が7,750円/㎡で最も安いエリアです。
こうした地価の差が生じる原因として、駅が近い中心部のほうが通勤・通学での利便性が高く、湾岸部のほうが塩害や南海トラフ巨大地震による津波のリスクが懸念材料となり敬遠されていることが考えられます。
同じ津市内でも、最高地価の中心部と最低地価を記録した湾岸部では24万円以上の明確な差が生じているため、これから土地を購入して注文住宅を建てる場合は、「どこに土地を買うか」によって、家づくりの総額費用が大きく左右されます。
津市における注文住宅の価格推移の予測
津市における注文住宅の建築コストは、全国的な動向と同じく高止まりが続く見込みです。
その背景には、建設業界全体の人手不足による人件費の上昇や、木材・鉄鋼など資材価格の高騰があります。
さらに、国際的な物流の混乱による運送費の上昇、現場での安全対策や品質管理に伴うコスト増も価格を押し上げる要因となっています。
また、2025年4月に施行された建築物省エネ法改正により、ほぼすべての新築住宅で省エネ基準の適合が義務化されました。
法改正により、断熱性能の高い外皮仕様や高効率の給湯・空調設備などの導入が求められるようになり、住宅の性能は向上する一方で建築費用はこれまでよりも高くなる傾向があります。
こうした複合的な要素が影響していることで、坪単価は今後も下がりにくいと予想されています。
家づくりにかかる費用を抑えるには、さらに地価や建材が高騰する前に早く家を建てたり、補助金や減税制度を活用したりして、コスト負担を軽減する工夫が必要となります。
津市で注文住宅を建てるなら外せないハウスメーカー3選
津市で注文住宅を建てる場合、以下の3つのハウスメーカーがおすすめです。
メーカー名 | 特徴 | 坪単価 | ZEH | 耐震性能 | 保証期間 |
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住友不動産ハウジング |
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70~90万円 | 〇 | 耐震等級3相当 |
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ロゴスホーム |
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42~89万円 | 〇 | 耐震等級3相当 |
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積水ハウス 三重支店 |
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100~130万円 | 〇 | 耐震等級3相当 |
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上記のハウスメーカーは高い省エネ性能を持つZEH住宅に対応しているのはもちろん、耐震等級3という最高レベルの耐震性能も兼ね備えているため、安心して長く住み続けることができます。
具体的にどのような家づくりを叶えられるのか、それぞれのハウスメーカーの特徴を見ていきましょう。
住友不動産ハウジング
分譲マンションで培った高級仕様を戸建て住宅にも採用し、デザイン性と快適性を兼ね備えた家づくりを行うハウスメーカーです。

おすすめポイント
- 高級マンション仕様の設備・内装を標準採用
- 独自のウッドパネル工法による高い耐震性能
- ZEH標準対応と長期保証制度
住友不動産ハウジングでは、ZEH仕様が標準対応となっているため、津市のように夏は湿度が高く、冬は北西風が強い地域でも、省エネ性能を重視した断熱・遮熱設計で一年を通して快適に過ごせます。
また、独自の「ウッドパネル工法」を中心に取り入れ、木造軸組と面構造を組み合わせたハイブリッド構造を採用しており、高い安全性を確保できます。
デザインは「J・URBAN」「PREMIUM.J」「J・RESIDENCE」などシリーズごとに個性があり、シンプルモダンから重厚感のある外観まで幅広い対応が可能です。土地の広さや形状にあわせた自由設計が可能なので、中心部の限られた敷地でも、郊外の広い土地でも柔軟に対応できます。
保証制度も充実しており、長期優良住宅への対応や、最長60年の長期保証・定期点検システムを用意しています。沿岸部の塩害や湿気対策についても、施工実績に基づいた提案を受けられる点が強みです。
会社名 | 住友不動産ハウジング |
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ブランド |
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坪単価 | 95~130万円(仕様・プランによる) |
ZEH対応 | 〇(標準仕様) |
耐震性能 | 耐震等級3相当+制震システム |
工法・構造 | ウッドパネル工法(木造軸組+面構造のハイブリッド) |
特徴 |
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ロゴスホーム
「高品質であること」「適正価格であること」「パートナーであること」という3つの約束を掲げているハウスメーカー。「北海道品質・北海道価格」をモットーに、寒さの厳しい地域でも快適に暮らせる高性能住宅を適正価格で提供。

おすすめポイント
- 北海道基準の断熱・省エネ性能
- 強度の高い2×6工法を採用
- 専門家チームによる家づくり
特に断熱性や省エネ性能に優れており、夏は暑く、冬は冷たい風が吹く伊勢湾沿岸部などでも快適に過ごせます。外部からの力に強い2×4工法の2.5倍もの強度を誇る「2×6工法」を採用しており、地震に対する備えも万全です。
また、設計士やインテリアコーディネーターなど各分野の専門家による「チーム制」を導入し、ワンチームで家づくりをしているのも特徴です。
会社名 | ロゴスホーム |
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ブランド |
【北海道エリア】
【東北・栃木県・茨城県】
【東海・埼玉県】
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坪単価 | 42~89万円 |
ZEH対応 | 〇 |
耐震性能 | 耐震等級3相当 |
工法・構造 |
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積水ハウス 三重支店
積水ハウスは、木造と鉄骨を選べる多様な構法を持ち、耐震・快適・耐久性能を重視した家づくりを展開しています。

おすすめポイント
- 圧倒的な耐震実績で安全性を確保
- 長期優良住宅を標準仕様でクリア
- 自由設計と手厚い保証体制
特に、耐震性では、阪神・淡路大震災や東日本大震災などで全壊・半壊ゼロの実績を誇り、南海トラフ巨大地震が心配されている津市において、積水ハウスの高い耐震性は大きな魅力です。
また、長期優良住宅認定制度の認定基準を標準仕様でクリアしているため、さまざまな税制待遇を受けられるというメリットがあります。
邸別自由設計によりこだわりのデザイン・間取りも実現可能で、一つとして同じものがない自分だけの家づくりができます。
さらに、構造躯体・防水の初期30年保証に加えて永年保証制度も用意されており、大手ハウスメーカーならではの手厚いサポートと安心感も大きな強みです。
会社名 | 積水ハウス 三重支店 |
---|---|
ブランド |
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坪単価 | 100~130万円 |
ZEH対応 | 〇 |
耐震性能 | 耐震等級3相当 |
工法・構造 |
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津市で注文住宅を建てる場合の4つのポイント
津市で注文住宅を建てる場合は、以下の4つのポイントを押さえておくことが重要です。
- 幹線道路・鉄道沿線の騒音対策を講じる
- 湾岸・低地の浸水・高潮リスクをハザードマップで確認する
- 海風・塩害を想定した仕様の選定
- いきなり展示場は不安…そんな時は「家づくりプラン」を賢く使う
どのような問題点が発生しやすいのか事前に把握し、家づくりの参考にしてみてください。
幹線道路・鉄道沿線の騒音対策を講じる
津市での家づくりでは、幹線道路や鉄道沿線の騒音対策をすることが欠かせません。
市内にはJR紀勢本線・伊勢鉄道・近鉄名古屋線が交わり、国道23号や主要県道、伊勢自動車道の出入口もあるため、駅近や幹線沿いの区画は生活利便性が高い一方で、交通騒音の影響を受けやすいためです。
具体的な騒音対策としては、開口部からの音漏れを最小限にすることが重要で、窓の遮音等級はT-2〜T-3を目安に、気密ラインの連続性と玄関ドアの気密・遮音まで一体で設計し、玄関ドアも気密・遮音性能に優れた仕様を選ぶのが効果的です。
24時間換気システムの給排気口は音の侵入経路になりやすいため、消音部材や配置の工夫が必要です。
また、展示場では「窓周りの納まり」「躯体の気密ライン」「換気経路や遮音部材」を具体的に確認し、生活音まで想定した対策が講じられているかをチェックすることが、津市で快適な住環境を確保するポイントです。
湾岸・低地の浸水・高潮リスクをハザードマップで確認する
津市で家を建てる際は、湾岸部や低地における浸水や高潮のリスクを、事前にハザードマップで確認しておくことが大切です。
津市は伊勢湾に面しており、白塚町・香良洲町・雲出町といった沿岸部や、安濃川・雲出川の流域では、南海トラフ地震による津波、台風による高潮、豪雨による河川氾濫といった災害リスクが指摘されています。
津市が公開するハザードマップでは、地域ごとに想定浸水深や浸水時間が示されており、土地選びや設計計画の重要な判断材料となります。実際の建築では、基礎のかさ上げや床高の確保、屋外機器や配電盤の設置位置を工夫するなど、具体的な対策を取り入れることが欠かせません。
地元のハザードマップを活用して安全性を考慮すれば、災害リスクがある津市でも安心して暮らせる住まいづくりが可能です。特に新しい宅地開発地では、地盤改良の有無や排水計画についても事前に確認しておきましょう。
海風・塩害を想定した仕様の選定
海風や塩害を想定した仕様の選定は、津市沿岸部での家づくりに不可欠です。
伊勢湾から吹き込む潮風は外壁や金属部材の劣化を早め、白塚や香良洲などの海岸に近い地域では、手すりや門扉の錆、エアコン室外機や給湯器の腐食といった被害が目立ちます。
こうした被害を防ぐためには、外壁や屋根に高耐候性素材を用い、金属部材は防錆処理を施した製品を採用することが基本です。さらに塩害仕様の住宅設備を選定することで耐用年数を大幅に延ばせます。
津市は夏になると高温多湿、冬は北西風による冷え込みもあるため、断熱・気密性能と外装の耐久性を同時に高めることが大切です。
展示場では沿岸部での施工実績に加え、保証内容や使用素材の耐久年数なども具体的に質問し、地域特性に合った仕様かどうか確かめておきましょう。
また、外構や庭木にも耐塩性のある樹種を選ぶことで、景観と耐久性の両立が図れます。
いきなり展示場は不安…そんな時は「家づくりプラン」を賢く使う
「いきなり展示場に行くのは不安…」と感じる方は、「家づくりプラン」を賢く使うのがおすすめです。
モデルハウスは豪華仕様が多く、予算とのギャップに悩むケースが少なくありません。メタ住宅展示場の「家づくりプラン」を活用すれば、複数社の提案を比較しながら、実際の予算内でどの程度の広さ・設備・性能が実現できるのかを把握でき、無理のないプランを早期に固められます。
また、住宅展示場は当日に行き当たりばったりで複数のモデルルームを見学するより、事前にある程度希望のハウスメーカーを絞ってから見学したほうが効率的に回れる上、希望していないハウスメーカーからの営業電話も回避できます。
この記事の編集者
メタ住宅展示場 編集部
メタ住宅展示場はスマホやPCからモデルハウスの内覧ができるオンライン住宅展示場です。 注文住宅の建築を検討中の方は、時間や場所の制限なくハウスメーカー・工務店を比較可能。あなたにヒッタリの家づくりプランの作成をお手伝いします。 注文住宅を建てる際のノウハウなどもわかりやすく解説。 注文住宅でわからないこと、不安なことがあれば、ぜひメタ住宅展示場をご活用ください。
運営会社:リビン・テクノロジーズ株式会社(東京証券取引所グロース市場)