ウッドショックはいつまで続く?住宅購入のタイミングは?

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ウッドショックはいつまで続く?住宅購入のタイミングは?

2023年6月現在、ウッドショックは徐々にではありますが終息に向かっています。しかし、いまだに消費者や事業者に与える影響は大きいです。

この記事では、ウッドショックがいつまで続くのか、そして住宅を購入するタイミングについて解説します。

ウッドショックが与えた影響

ウッドショックとはいったいどのような問題で、どういった背景で生じたものなのでしょうか。ここでは現在起きている現象や影響、発生理由などについて掘り下げていきます。

ウッドショックとは

ウッドショックは、住宅建築に使われる木材の需給バランスが崩れ、価格が高騰している状況を指す言葉です。

聞きなれない言葉かもしれませんが、実は過去にも似たような状況が2度起きています。それは1990年代初頭と2006年頃で、それぞれマレーシアやインドネシアでの伐採規制に端を発したものでした。

しかし今回のウッドショックは、全世界に蔓延した新型コロナウイルスが主たる要因とされている点で、過去の現象とは少し異質です。

結果として木材の輸入価格は大幅に上昇しており、特に米材は2021年9月時点で2020年12月に比べて2.75倍もの値上がりを見せています。

木材の価格推移
木材の価格推移

経済産業省「いつまで続くウッドショック;価格の高止まりが需要に影響?」より

また、それに伴い国産材も需要が高まり、価格が上昇しています。とくに建築の柱や梁に使用されるひのきの需要が増えており、価格の急騰を招いている状況です。

国内の物価指数(丸太)
国内の物価指数(丸太)

経済産業省「いつまで続くウッドショック;価格の高止まりが需要に影響?」より

ウッドショックは輸入材の高騰だけでなく、国産材の価格上昇も引き起こすことで、住宅業界や木材市場に混乱をもたらしています。

もともと減少傾向だった木材流通量

ウッドショック発生前の状況として、木材流通量の世界的減少という背景があります。

まず、カナダの木材業界では労働組合と製材会社との労働条件の合意がなされず、2019年にストライキが行われました。これにより工場の稼働が停止し、原木供給が減少しました。さらに、ブリティッシュコロンビア州の最大手丸太輸出業者が、2020年から所有する森の栽培を一時的に停止したことも供給減少の大きな要因になっています。

また、ヨーロッパや北米で発生した虫害も木材の流通量が減少した一因となっています。ドイツなどの中央ヨーロッパでは2017年〜2019年に木食い虫が大量に発生し、針葉樹林が多大な被害を受けました。

カナダでは近年、松くい虫の猛威が数多く報告されており、数十社もの製材会社が廃業に追い込まれるなど、甚大な被害を被っています。

虫害が発生した場合、被害の拡大を防ぐために虫が繁殖しやすい傷んだ木を優先的に伐採します。健康な木の伐採が後回しになってしまうことも、木材供給に負の影響を及ぼしているのです。

そのほか、山火事の影響も見逃せない要因です。2020年にはアメリカのカリフォルニア州で、東京都の面積の6倍近い1.25万平方キロメートルを焼失する広範な山火事が発生し、木材供給が大きく減少しました。

こういった状況にコロナ禍が最後の引き金を引き、木材価格の上昇が生じているのです。

新型コロナウイルスがウッドショックの引き金に

新型コロナウイルスの流行により世界的にロックダウンや外出規制などが実施されたことが、原材料の確保や消費といった経済活動に大きな影響を及ぼしました。

とくに物流の遅延により木材輸出が制限されたり、東欧の労働者の移動が不可能になったりしたことが木材供給の減少につながったことが指摘されています。

さらに、間接的な影響として、自宅滞在の増加でネットショッピングが増えたことで、流通に大きな負荷がかかり、世界的にコンテナが不足する事態が生じました。コンテナ生産量自体がもともと減少傾向にあったことも背景にあり、加えてスエズ運河でのコンテナ船の座礁事故も起きたことで、供給不足はますます加速しました。

一方木材の需要面では、低金利政策が導入されているアメリカと中国での住宅建築の増加により、国際市場で供給が追い付かなくなったことも一因とされています。

こうした世界的な木材の供給不足は、国産材自給率が低く輸入材に頼りきりの日本にも、大きなインパクトを与えることになりました。

住宅業界や消費者への影響

ウッドショックの影響は住宅業界と消費者の両方に及んでいます。

  • 工事の延期
  • 着工の見送り
  • 仕事量の減少による職人への影響

消費者サイドから見ると、木材の仕入価格が高騰したことにより、住宅価格の上昇が懸念されています。

この値上がりは新築住宅だけの問題に留まらず、新築を諦めた人の需要が中古住宅に流れることで、結果的に中古住宅の価格上昇も引き起こしています。

このようにウッドショックは、住宅産業全体に無視できない影響を与えているのです。

ウッドショックはいつまで続く?

ウッドショックの原因はあくまで木材を取り巻く環境の問題で、木材そのものがなくなってしまった訳ではありません。

そのためあくまで一過性のものではあるのですが、一体いつまで続くのでしょうか。ここでは最新の木材価格情報や、今後の見通しについて考察していきます。

2023年の木材価格の動き

2021年から2022年にかけて木材価格が高騰しましたが、2023年度からは木材製品の価格が下落しています。

木材価格の下落
木材価格の下落

農林水産省「木材価格(令和5年5月)」より

一方輸入木材の量は大幅に減少しており、これはロシア・ウクライナ紛争の影響でロシアからの一部木材の輸入ができなくなったことを主な要因としています。

ただし、輸入平均単価は集成材や製材において下落傾向にあり、カナダ製材、ロシア製材、EU製材、EU集成材の価格も2021年前半の水準に戻ってきています。

輸入木材の平均単価
輸入木材の平均単価

林野庁「木材輸入実績」より

ウッドショック前の状態にはまだ回復していないものの、事態は徐々に終息に向かっている印象があります。

日本政府の対策

ウッドショックを受けて、日本では国産材への転換と安定供給に向けた取り組みが進んでおり、木材価格の抑制に一役買っています。

具体的には、木材不足を是正するべく、国産材を「エリートツリー」と呼ばれる高品質な木材に置き換える提案を行っています。エリートツリーは成長が早く、植林から伐採までの期間が短く育成コストも削減できる特徴を持ちます。

さらに、国会では国産材の利用を促進するための法律改正が行われ、公共建築物に限らず民間建築物でも国産材の活用が進められるようになりました。

国産材への注目と持続可能な管理・活用への動きは今後も長期的に継続されるもので、こういった施策の効果が高まれば、徐々にウッドショックの影響は軽減されていくとみられています。

2023年以降の見通し

木材価格の上昇は一旦落ち着いた感があるものの、ウッドショックの完全終息については、明確な答えが出ていないのが現状です。

ウッドショックの終了は、そもそもの原因である新型コロナウイルスの終息がひとつのキーになります。

流行前の生活様式に戻りつつある国も増えていますが、日本でも2023年5月にようやく5類感染症に移行したばかりで、全世界的にも完全終息したとはいえない状況です。

また、アメリカなどの住宅購入人口が減少すれば木材需要が低下する可能性もありますが、人口の変動はすぐに起きる話でもないので、価格に影響が出るとしても長期的なものになると思われます。

さらに、ロシアのウクライナ侵攻により木材の供給に再び問題が生じており、その状況の注視も必要になっています。

住宅購入のタイミング

ウッドショックは未だ続いているものの、「とりあえず、ウッドショックが収まってから住宅購入を検討しよう」という発想は、ややリスクがあります。なぜなら仮にウッドショックが終息しても、住宅価格は下がらない可能性があるからです。

木材価格以外に住宅購入に影響を与える要素について、解説していきます。

上昇し続ける物価

昨今、食料品など物価の高騰により、多くの人々が厳しい生活を余儀なくされています。

物価上昇は食料品だけでなく、建築資材にも影響を与えており、住宅価格の上昇も懸念されます。日本の現状は、物価が上昇する中で景気がよくならないスタグフレーションと呼ばれる状況です。

ウッドショックが収まっても、物価自体が上昇する中で住宅も高止まりし、可処分所得も増えないとなれば、ますます住宅が手に入りにくい状況が進行してしまいます。

住宅ローンの金利上昇

住宅購入時には住宅ローンまたは不動産投資ローンを利用することが一般的ですが、金利は重要な要素です。

2023年現在は、超低金利時代であり、住宅ローンの金利が住宅ローン控除よりも安くなることもあります。しかし、長期金利が上昇している現状を考えると、将来的にはローン金利も上昇することが懸念されます。

2023年4月に日銀の総裁が変わったこともあり、長年行われてきた金融政策の路線変更が行われていく可能性は十分にあるといえます。

人手不足による住宅価格の上昇

住宅価格の高騰は、スタグフレーションやウッドショックによる建築資材の値上げだけでなく、働き方改革による工期の延長も原因となっています。

労働基準法の改正により、大企業は2019年4月から、中小企業は2020年4月から労働時間の上限規制が導入されています。

建築業は2024年まで猶予があるものの、規制開始は近いです。働き方改革の実施により、残業や休日出勤が制限され、施工時間が短くなっています。これにより、工事日数が増え、人件費の割合が上昇しています。

また、工事日数の増加により、重機のレンタル期間も長くなり、これらの費用が住宅価格に反映されています。

ワークライフバランスの改善は労働者にとって有益ですが、建築業全体の人件費の実質的な上昇につながるという点では、留意しておかなくてはいけない要素です。

住宅はいつ買うべきなのか?

いまの日本には住宅価格を押し上げる要因が多くあり、待っているうちにどんどん値段が上がってしまい、家を建てるタイミングを逃してしまう可能性があります。

一旦ウッドショックから離れましたが、ウクライナ情勢などの動向によっては、木材価格が再度高騰に転じる可能性もあり、その点でも当然予断は許せません。

環境の変化に期待して希望的観測でただ待ち続けるより、買えるときに買ってしまうほうが賢い選択といえるでしょう。

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