なぜタンクレストイレはやめたほうがいい?リフォームで変更はできる?

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なぜタンクレストイレはやめたほうがいい?リフォームで変更はできる?

タンクがないために見た目がすっきりとして機能的なタンクレストイレ。新しく家を建てるにあたり、「我が家のトイレはタンクレスにしよう」と考えている方も多いです。

しかし、タンクレストイレにはデメリットも多くあるため、「やめたほうがいい」ともいわれています。やめたほうがいいといわれる理由や途中で変更できるのかどうかについて解説します。

なお、この記事内では「タンクレストイレ」を「タンクレス」、「タンク付きトイレ」を「タンク付き」と表現します。

なぜタンクレスはやめたほうがいい?

タンクレスは、なぜやめたほうがいいといわれるのでしょうか。その理由を紹介します。

手洗いが別に必要になる

タンク付きは一般的にタンクの上部に手洗い場がついています。しかし、タンクレスには手洗い場がないため、別途設置する必要があります。その結果、トイレが狭くなってしまいます。

手洗い器
手洗い場

高価である

タンクレスは、タンク付きよりも価格が高い傾向にあります。

同程度のスペックの商品で比較すると約1.5〜3倍、価格にして約10〜15万円の差がつくこともあります。さらに、手洗い場を別に設置する必要があるため、その費用もかかる点には注意が必要です。

設置できないケースがある

タンクレスは水圧を利用して水を流すため、一定の水圧が必要です。特に注意したいのが、高い場所に設置をするケースです。

  • 戸建ての2階以上
  • 高台にある戸建て

上記のような場所では水圧が弱いため、タンクレスの設置が難しい場合があります。

近年では、低水圧向けのタンクレスやブースターの取り付けによって水圧の弱い場所でも設置が可能な場合があります。しかし、選択肢が狭まったり、別途費用がかかったりといったデメリットが生じます。

つまりやすい

タンク付きに比べるとつまりやすい傾向にあります。

タンクレスには一定の水圧が必要です。水圧が十分でないと水が流れにくく、つまりやすくなってしまいます。

それに加えて、タンク付きより流水量が少ないことも、つまりやすさの原因です。つまり方がひどいと業者を呼ぶしかなくなり、修理費用がかかってしまいます。

停電時に使いにくい

タンクレスは水をためておくタンクがないため、直接水道とつながっています。水道管と便器の間には「電磁弁でんじべん」というバルブがあり、電気で開閉して水を流します。

そのため、停電時には自動で水を流せなくなり、バケツで水を流し入れる必要があります。停電対策のために乾電池で動いたり、水を流せるレバーがついていたりするものもありますが、停電時の不自由な中で普段どおりにトイレを使えないのは非常に不便です。

修理コストが高い

タンクレスは電気を使うため、電子制御部品もあり構造が複雑です。そのため、故障リスクは高くなります。

タンク付きのパーツはホームセンターなどでも購入が可能で、必要な部品だけを交換すればすぐに使用できます。

一方、タンクレスは便座やウォシュレットといったパーツが一体になっているため、基本的にパーツごとの交換はできません。もし修理をするのであれば、便座を一度外し、修理工場に送る必要があります。費用や時間がかかるうえ、修理期間中はトイレを使えないため大変不便です。

タンクレスは高価なだけではなく、故障しやすいために修理コストも高いという点は押さえておく必要があります。

新築時にタンクレスを選択する人が多いのはなぜ?

タンクレスはデメリットが多いものの、新しさや機能性から、新築時に選択する人は多いです。タンクレスが選ばれる理由を紹介します。

空間を広く利用できる

タンクレスはタンクがない分、空間を広く利用できます。トイレの中に棚や掃除道具入れを設置するなど、さまざまな設備を盛り込めます。

また、タンクレスで削った空間をリビングやキッチンなどの生活空間に振り分けることも可能です。しかし、手洗い場を別途設置する場合はかえってトイレが狭くなってしまうこともあります。

掃除がしやすい

タンクレスは掃除が簡単です。

凹凸が少ないため汚れがたまりにくく、さっと拭くだけできれいになります。空間を広く取れることから、側面や足元に手が届きやすいのも大きな特長です。

トイレは汚れやすいため、頻繁な掃除が必要です。掃除の負担を大きく軽減できることに魅力を感じ、タンクレスを選ぶ方もいます。しかし、故障しやすく、修理代がかさむというデメリットがあります。

メンテナンスという観点から考えると、かえって手間やお金がかかってしまうことにもなりかねないため注意が必要です。

オシャレで現代風である

タンクレスは見た目がスタイリッシュで現代的なイメージがあります。それに加え、除菌機能や温風乾燥機能など、便利な機能が搭載されているものも多いです。

「せっかく新築を建てるのだから、最新の設備にしたい」、「お客様に自慢できるトイレにしたい」と張り切ってタンクレスを選ぶ人もいます。

しかし、機能が充実したタンクレスは高価で修理費用も多くかかります。また、いざ生活を始めると、使わない機能が多いということもあります。

「最新だから」、「オシャレだから」と安易にタンクレスを選ぶのではなく、本当に自分の生活に必要であるかどうかを見極める必要があるでしょう。

リフォームなどで変更は可能?費用は?

新築でタンクレスにしたけれど、やはりタンク付きにしたい、もしくはタンク付きからタンクレスに買い替えたいという場合は、リフォームも可能です。

その際の注意点やかかる費用について解説します。

リフォームする際の注意点

タンクレスからタンク付きにリフォームする際、配管の立ち上がり工事(床から排水管を少し伸ばす工事)が必要になる場合があります。また、手洗い場が不要になるため撤去したい場合は、手洗い場の撤去費用もかかります。

タンク付きからタンクレスにリフォームする場合は、まず自宅の水圧の強さを確認する必要があります。以下のように、測定は自分でも可能です。

準備するもの 流れ
  • バケツ(5リットル以上)
  • ホース
  1. バケツに線を引く
    水量を測るためにバケツに線を引く。止水栓しすいせんの位置が床にある場合は4リットル、止水栓が壁側にある場合は4.5リットルの位置に引きましょう。
  2. 止水栓にホースを取り付ける
  3. 10秒間水を流す
  4. バケツに入った水量を確認する
    先ほど引いた線よりもうえに水がたまっていれば、十分な水圧があると判断できる。

リフォームにかかる費用

トイレのリフォームにかかる費用は、トイレ本体の価格やリフォームの内容によって異なりますが、目安としては以下のとおりです。

  • タンク付き→タンクレス(手洗い場設置費用込み):25~70万円
  • タンクレス→タンク付き:15~25万円

タンクレスは本体価格自体が高いうえ、電気工事や手洗い場の新設が必要になり、その分リフォーム費用がかかります。また、故障リスクが高いため、リフォームの頻度が高くなる可能性があるため注意が必要です。

トイレの選択は慎重に行おう

トイレのリフォームは可能ですが、費用がかさんだりトイレが狭くなってしまったりといったデメリットもあります。まずは家を建てる時点で、タンクレスにするかタンク付きにするか、慎重に選ぶ必要があります。

最新設備が最良とは限りません。ライフスタイルや予算によっては、従来の設備のほうが向いていることもあります。メリットだけではなくデメリットにも目を向けて、自宅に合ったトイレを選びましょう。

建築会社や担当者ごとに提案内容が異なるため、新築時には複数社からの提案を受けることが望ましいです。

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