【40歳】家を買うか賃貸か、迷ったときのチェックポイント

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【40歳】家を買うか賃貸か、迷ったときのチェックポイント

40歳の節目に家を買うべきか悩む方はとても多いです。40歳、45歳、48歳と年齢を重ねるごとに住宅ローンを組むことが難しくなるため、家を買うべきか賃貸に住み続けるかの判断を迫られる時期でもあります。

しかし、家を買うか賃貸か、どちらが正解かは一概にはいえません。本人やその家族の価値観、状況によって異なるためです。40代で賃貸暮らしは恥ずかしいという意見もありますが、それもその人の価値観です。世間体や周りの価値観に流されると失敗することがあるため、自身の価値観に照らし合わせて検討することが大切です。

本記事では、40歳で家を購入すべきかどうか、そもそも家を購入すべきか賃貸にすべきか迷っている方へ、持ち家と賃貸のメリットとデメリット、40歳で家を買うべきか迷ったときのチェックポイントを紹介します。

40歳で家を買うメリットとデメリット

40代の持ち家率の割合はどのくらいでしょうか。総務省統計局の「平成30年住宅・土地統計調査」を元に「持ち家世帯比率(年代別)」を割合別にまとめました。

年代別の持ち家比率
西暦(年) 30歳未満 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60歳以上 全体
2008 7.5% 39.0% 62.7% 74.6% 80.2% 61.1%
2013 7.8% 38.8% 59.6% 71.7% 80.0% 61.7%
2018 6.4% 35.9% 57.9% 67.9% 80.0% 61.2%

(総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査」の図表1-8-6 持家世帯比率の推移(家計を主に支える者の年齢階級別)バックデータより作成)

持ち家率は、年齢が上がるにつれて高くなり、40代の持ち家率は約60%と過半数を占めています。しかし、約40%の人は40代でも賃貸暮らしです。

以下では、40歳で家を買うメリットとデメリットを紹介します。

40歳で家を買うメリット

40歳で家を買うメリットは、次のとおりです。

  • 団信(団体信用生命保険)に加入すれば契約者の死後、住宅ローンの支払いが不要
  • 自分たちの資産になる
  • 好みの内装にできる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

団信(団体信用生命保険)に加入すれば契約者の死後、住宅ローンの支払いが不要

家を購入するときに団信(団体信用生命保険)に加入していれば、万が一契約者が亡くなった場合は住宅ローンの返済が免除されます。

住宅ローンを契約する際、ほとんどの人が団信に加入します。団信とは、住宅ローンの契約者がローン返済中に死亡もしくは高度障害状態になったときに、保険金によって住宅ローンの残高が完済される生命保険です。

40歳で家を購入する際、家庭を持ち、扶養家族がいる場合も多いでしょう。万が一のことがあったとき、住宅ローンが残っていると残された家族は経済的に困ることになるかもしれません。

しかし、団信は生命保険の代わりにもなりますので、問題なく団信に加入できる40歳で家を購入できるのはメリットです。

自分たちの資産になる

持ち家と賃貸を比較して、一生涯に必要な費用に大きな差はないかもしれません。しかし、持ち家は、いずれ自分たちの資産になりますが、賃貸はどんなにお金を払っても資産になりません。

賃貸に住んでいれば、年金生活になっても家賃を支払い続けますが、持ち家があれば住宅ローンを完済すればそれ以上支払う必要がなくなります。住む場所を心配する必要がなくなるため、経済的にも精神的にもゆとりが生まれ、安心して老後を過ごせるでしょう。

また、持ち家は売却して利益を得たり、賃貸に出して賃貸収入を得たりするなど、さまざまな使い方ができます。以上の理由により、家を購入すれば資産となり、これは賃貸とは異なるメリットといえます。

好みの内装にできる

家を買った場合、内装を自由に変更できます。また、室内外のリフォームも賃貸に比べて制限がありません

賃貸はポスターひとつ貼るだけでも気を使いますが、持ち家の場合は穴を開けてしっかりした棚を付けたり、壁紙を変えたりするのに気を使う必要がありません。

また、壁を壊して間取りを大きく変えるなど、賃貸では難しいような変更も可能です。さらに自分好みのキッチンへの変更や、バリアフリーのお風呂へのリフォームなど、長く快適に利用できる環境を整えることもできます。

もちろんお金はかかりますが、居心地のよい家は家族の満足度が高く、また仕事への活力にもつながるでしょう。

40歳で家を買うデメリット

40歳で家を買う場合のデメリットは、次のとおりです。

  • 一括購入でない場合、契約者は住宅ローンの支払いに追われる
  • 地震で倒壊するおそれ
  • 将来的に資産価値が落ちるおそれ

それぞれ詳しく見ていきましょう。

一括購入でない場合、契約者は住宅ローンの支払いに追われる

40歳で家の購入を検討した際、最もネックになるのが住宅ローンでしょう。40歳で35年の住宅ローンを組むと、ローンの完済は75歳です。

定年を65歳としローンの完済を65歳までに目指す場合は、75歳の35年ローンと比べて25年ローンとなり10年分返済までの期間が短縮されるわけですから、その分月々の支払い額が大きくなります。

資金に余裕のある人は問題ありませんが、収入が年金だけの場合は貯金がないとローン返済は厳しくなるでしょう。いずれにせよ、現金で一括購入できる人は多くないため、住宅ローン完済まで支払いに追われる覚悟は必要でしょう。

地震で倒壊するおそれ

地震大国である日本は、東日本大震災のような大地震がいつ来てもおかしくありません。よって、地震で家が倒壊するおそれは十分あります。

国土交通省が作成した「東日本大震災の記録」によると、東日本大震災による建物被害は全壊が約13万棟、半壊が約24万棟でした。

地震によって家が倒壊したあとも住宅ローンの返済は続きます。そのため、万が一地震で住宅が倒壊や半壊してしまったら、精神的にも金銭的にもつらい日々になってしまうかもしれません。

将来的に資産価値が落ちるおそれ

国土交通省が作成した「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」によると、木造戸建て住宅の資産価値は、築15年くらいまでは下落率が大きく、築10年で半分程に下がってしまいます。

マンションの下落率は戸建てより緩やかですが、年々資産価値が下がっていくことは間違いないでしょう。

資産価値が大きく下がると、売りたいときになかなか買い手が付かなかったり、賃貸に出したくても入居者が見つからなかったりするかもしれません。

40歳でも賃貸に住み続けるメリットとデメリット

家を買う場合のメリットとデメリットを解説しました。一方、賃貸に住み続ける場合はどのようなメリットとデメリットがあるのか解説します。

40歳でも賃貸に住み続けるメリット

40歳でも賃貸に住み続けるメリットは次のとおりです。

  • すぐに引っ越せる
  • 家の資産価値を気にする必要がない
  • 維持費を支払う必要がない

それぞれ詳しく見ていきましょう。

すぐに引っ越せる

賃貸の大きなメリットは、持ち家に比べて引っ越しが容易な点です。

転勤が多い職種の場合は賃貸のほうが引っ越ししやすいでしょう。昨今はリモートワークなど働き方が多様化していますので、状況に応じて家賃の安い地方に引っ越すことも可能です。

また、40歳は人生の分岐点です。これから結婚する人、子供が生まれて広い家が必要な人、両親と同居する人などさまざまなケースが考えられますが、賃貸であれば引っ越しもしやすいため、さまざまなシチュエーションに対応できます。

家の資産価値を気にする必要がない

先述したとおり、家の資産価値は年々下がっていきます。しかし、賃貸であれば自分のものではないので、資産価値を気にする必要はありません。

仮に資産価値が大きく下がったエリアや物件だとしても、気に入らなくなれば引っ越しを検討すればよいでしょう。

同様にキッチンやお風呂などの設備、壁紙や外観なども年々劣化していきますが、賃貸の場合は設備交換や修繕費用を負担する必要もありません

以上の理由により、家の価値や設備を気にするストレスがないことは賃貸のメリットです。

維持費を支払う必要がない

購入した場合、マンションは管理費や修繕費、戸建ては固定資産税がかかり、金額の負担は少なくありません。

一方、賃貸の場合は家賃を払う必要はあるものの、維持費を支払う必要がありませんので、その分の費用を生活費や教育費に回せます

また、家の維持には、リフォーム代など定期的にお金がかかります。賃貸はすべて大家さんが設備交換やリフォームなどの費用を負担するので、維持費にかかるお金を心配する必要はないでしょう。

40歳でも賃貸に住み続けるデメリット

40歳でも賃貸に住み続けるデメリットは次のとおりです。

  • 高齢になると部屋を借りにくくなる
  • 一軒家希望の場合は選択肢が少ない
  • 設備のグレードや建物の強度が下がる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

高齢になると部屋を借りにくくなる

年齢を重ねるごとに部屋を借りにくくなる傾向にあります。高齢になって新たに部屋を借りる場合、収入や資産の状況によっては審査が通らないおそれがあります。健康面や経済面から高齢者の入居を避けたい大家さんがいるからです。

たとえ賃貸で問題なく住んでいたとしても、今までと同じような条件で賃貸契約を結んでくれない大家さんもいるでしょう。

誰もが年を重ねるので、高齢になったときの住まいは早めに考えておいたほうがよいでしょう。

一軒家希望の場合は選択肢が少ない

40歳で賃貸に住み続ける場合、独身や夫婦だけの場合はマンションでも問題ありませんが、子供ができたり両親と同居したりする場合は戸建て住宅が選択肢に挙げられます。

賃貸で住み続けよう、と思っても一軒家で賃貸の選択肢は多くないでしょう。地方の場合はともかく、都心で一軒家の賃貸を見つけるのは大変です。

仮に見つかったとしても定期借家などが多く、家族の人数が多い状況では数年単位で引っ越すのは現実的ではないでしょう。

以上の理由により、一軒家を希望する場合の賃貸は難しいと言わざるを得ません。

設備のグレードや建物の強度が下がる

賃貸の場合、キッチンなどの設備や壁の厚さのグレードが分譲に比べて下がる場合がほとんどです。40歳では子供がいる家庭も多いので、壁が薄いと周りに気を使うかもしれません。

また、賃貸で住み続けて高齢になった場合は建物の強度も重要です。若いうちなら迅速に避難できますが、高齢になると若い頃のようには動けなくなるかもしれません。

地震などがあったとき、賃貸であまり頑丈でない建物に住んでいた場合のリスクも想定しましょう。

40歳で家を買うべきか迷ったときのチェックポイント

40歳で家を買うべきかどうか迷ったときに確認すべきチェックポイントは、次のとおりです。

  • いつかは家を買うのか一生賃貸か
  • 現金一括購入か住宅ローンで購入か
  • 誰のために家を購入するか賃貸にするのか

それぞれ詳しく見ていきましょう。

いつかは家を買うのか一生賃貸か

あなたの悩みは「いつかは家を購入したいけれど40歳で買うべきかどうか」もしくは「そもそも家を買うべきかどうか」どちらでしょうか。家を買うべきかどうか迷ったら、まずは自分の悩みを明確にしてみましょう。

「いつかは家を購入したいけれど40歳で買うべきかどうか」で悩んでいる場合、住宅ローン返済を考えると早いほうがよいでしょう。年齢が上がれば上がるほど、住宅ローンの審査は厳しくなります。また、50歳を超えると病気になる確率も上がるため、団信に入れなくなってしまうかもしれません。

「そもそも家を買うべきかどうか」で悩んでいる場合、それぞれのメリット、デメリットを考慮したうえで、自分にとってメリットが大きいほうを選択しましょう。持ち家は資産になりますが、同時に住宅ローンという負債を背負うことにもなります。

持ち家と賃貸のどちらにも正解はありません。大切なのはあなたの価値観です。

現金一括購入か住宅ローンで購入か

あなたは家を買うにあたって「現金一括購入」もしくは「住宅ローン」のどちらを選択するのか悩んでいるのではないでしょうか。

現金一括購入の場合、メリットは住宅ローンを背負わないこと、利息分の支払いがないことです。一方、デメリットは預貯金が減ってしまうことです。

一括購入後でも現金が十分に残る場合は問題ありませんが、まったく残らない場合は病気などの急な出費に対応できません。現金一括購入できる貯蓄があったとしても、住宅ローンも検討してみましょう。

住宅ローンを組む場合、先述したとおり、早いほうがよいでしょう。ほとんどの金融機関では、80歳までに完済することが融資の条件です。

40歳では間に合いますが、40代後半では35年ローンを組めないおそれがあります。長期ローンを組むためには45歳が最後のチャンスともいえるでしょう。

また、借入期間が短くなると融資額が減ってしまうこともあり、住宅ローン審査も厳しくなります。借入期間が短いと月々の返済額も上がりますので、住宅ローンを考えている場合は早めの購入を検討しましょう。

なお、預貯金に余裕があり現金一括購入をする予定の方、もしくは現金一括購入を目指して十分にお金を貯めてから家を購入したい方は、40代以降に家を購入する選択肢もあります。

誰のために家を購入するか賃貸にするのか

その家は、誰のために必要な家でしょうか。「自分のために」もしくは「家族のために」では答えが異なるでしょう。

自分“だけ”のために家が必要な場合、多くの選択肢があります。一生賃貸で好きなときに引っ越し、好きな場所で暮らすのは気軽でよいでしょう。さらに、自分だけならライフプランは立てやすいので、計画的に住宅ローンを組んで購入もできます。

家族のために家が必要な場合、考えるべきことは数多くあります。転勤が多い場合や、将来は3世帯同居を検討している場合は賃貸がよいでしょう。

一方、持ち家なら設備や内装、デザインなど家族の希望を叶えられます。持ち家があれば、働けない家族や小さい子供がいる場合、自分に何かあったときに家を残せるので、生命保険の役割も果たせるでしょう。

まずは誰のために必要な家なのか、今一度考えてみることをおすすめします。


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