家の購入は、多くの人にとって人生で一度の大きな買い物です。
そのため、家を買うと決めたとき、「何から始めたらいいかわらかない」という人がほとんどと言えます。
家づくりの進め方を知る方法として、まず思い浮かぶのが住宅展示場です。
しかし、なんの準備もないまま営業担当者の説明を受けると、方向性がブレてしまい、完成したときに理想と違ったということになりかねません。
「家は3回建てないと満足できない」といわれるほど難しいものです。
理想の住まいに近づけるためにも、家を買う前にやるべき準備を整理しておきましょう。
もくじ
家を建てる前にやっておくべき5つの準備
「そろそろ家を建てたい」と思い始めたとき、いきなり住宅展示場に足を運んだり、土地を探し始めたりするのはよくある行動です。
しかし、事前に整理しておくべきポイントを後回しにしたまま動き始めると、後から方向性がブレたり、無駄な時間や費用が発生したりするリスクがあります。
家づくりをスムーズに進めるための「下準備」をしっかり整えてから動き出すことで、ハウスメーカー選びや土地探し、設計打ち合わせが効率よく進み、後悔の少ない家づくりにつながります。ここでは、家を建てる前にやっておくべき5つの準備について紹介します。
- どんな家に住みたいか家族で話し合う
- 家にかけられる予算を決める
- 住宅ローンの借入可能額を確認
- 住みたいエリアや条件を整理
- ハウスメーカーの情報収集
どんな家に住みたいか家族で話し合う
家は、家族みんなが長く暮らす場所です。一人ひとりの希望や要望を丁寧にすり合わせることが、満足度の高い家づくりの第一歩となります。
特に、子供が小さい家庭や今後家族が増える予定の方は、広さと間取りはしっかり打ち合わせしておかなければいけません。
何LDKが理想か、各部屋の広さはどれくらいほしいか、リビングは広めにしたいかなど、家族の人数や生活スタイルに合わせて考えましょう。
また、近年の住宅デザインは多種多様です。シンプルモダン、ナチュラル、和モダン、北欧スタイルなど、好みのテイストを家族で共有しておくことで、後のハウスメーカー選びや設計打ち合わせがスムーズになります。
加えて、10年後や20年後の暮らしを見据えて、子どもが独立した後の部屋の使い方や、老後の生活なども視野に入れておくとなお良いです。
家族間の話し合いの中で、意見がぶつかる場合は、「絶対に譲れないこと」「できればこうしたいこと」「どちらでもよいこと」の3段階に分けて優先順位を整理することが大切です。
この優先順位があるだけで、後の打ち合わせでの判断が格段にスムーズになります。
家にかけられる予算を決める
次に家に掛けられる予算を決めていきましょう。
家づくりでは建物本体の価格だけでなく、土地代・諸費用・外構費・家具費など、さまざまな費用が加わります。
| 費用の種類 | 主な内容 | 目安 |
|---|---|---|
| 建物本体価格 | 建物の設計・施工費用 | 家づくり費用の中心 |
| 土地代 | 土地購入費用(所有地の場合は不要) | エリアにより大きく異なる |
| 諸費用 | 登記費用・住宅ローン手数料・保証料・火災保険料・印紙税など | 本体価格の5〜10%程度 |
| 外構費 | 庭・駐車場・フェンス・門扉など | 100万円以上になることも |
| インテリア費用 | カーテン・照明・エアコン・家具など | 物量・グレードによる |
これらすべてを含めた「総費用」を把握せずに動き始めると、後から資金が足りないという事態に陥りかねません。
予算を決める際は、おおよその金額をイメージするのではなく、毎月返済する住宅ローンから逆算して決めます。
例えば35年の返済期間で金利が1.5%の場合、借入額ごとの返済額の目安は以下の通りです。
| 借入額 | 月返済額 |
|---|---|
| 3,500万円 | 107,164円 |
| 4,000万円 | 122,473円 |
| 4,500万円 | 137,782円 |
| 5,000万円 | 153,092円 |
このように、借入額が500万円変わるだけで月々の返済額も約1.5万円変わります。まずはこの早見表をもとに「毎月いくらなら無理なく返せるか」を家族で話し合い、そこから借入額の目安を逆算してみましょう。
また、住宅ローンを借りる際は、自己資金の準備も必要です。以下の表は、住宅種別ごとの所要資金・融資額・自己資金額をまとめたものです。
| 住宅種別 | 所要資金 | 融資額 | 自己資金 | 自己資金比率 |
|---|---|---|---|---|
| マンション | 5,592万円 | 4,033万円 | 1,559万円 | 約28% |
| 土地付注文住宅 | 5,007万円 | 4,251万円 | 756万円 | 約15% |
| 注文住宅 | 3,936万円 | 3,080万円 | 856万円 | 約22% |
| 建売住宅 | 3,826万円 | 3,260万円 | 566万円 | 約15% |
| 中古マンション | 3,033万円 | 2,365万円 | 668万円 | 約22% |
| 中古戸建 | 2,573万円 | 2,208万円 | 365万円 | 約14% |
出典:住宅金融支援機構 フラット35利用者調査結果をもとに作成
住宅の種別によって必要な自己資金の額は異なりますが、いずれの場合も数百万円単位の自己資金が必要になることがわかります。
月々の返済額と手元に用意できる自己資金の両面から予算の上限を把握した上で、ハウスメーカーとの打ち合わせに臨みましょう。
住宅ローンの借入可能額を確認
予算の目安が決まったら、次に住宅ローンの借入可能額を確認する必要があります。多くの方が見落としがちなのが、「金融機関から借りられる金額」と「家計として無理なく返せる金額」は必ずしも一致しないという点です。
金融機関が提示する借入可能額はあくまで「審査上の上限」であり、その金額を借りることが家計にとって適切かどうかは別問題です。
前のステップで確認した「毎月無理なく返せる金額」をベースに、借入額を判断することが大切です。
住宅ローンを借りる際は、本契約の前に事前審査(仮審査)という手続きがあります。
これは、本格的な契約手続きに入る前に「この金額を借りられるかどうか」を金融機関に確認するステップです。
審査項目は年収・勤続年数・他のローンの有無などが中心で、結果は数日〜1週間程度で出ることが多いです。
事前審査は本審査への影響が比較的少ない段階で行えるため、複数の金融機関で受けて条件を比較することができます。金利・手数料・保証料などは金融機関によって異なるため、1社だけで判断せず、早めに複数社を比べておくことをおすすめします。
住みたいエリアや条件を整理
次に、住みたいエリアや条件を整理していきます。土地探しから始める方は、最初に希望するエリアや条件を事前に整理しておきましょう。
条件が曖昧なまま動き始めると、膨大な土地情報の中から絞り込めず、判断に迷い続けることになります。
土地探しの際は、通勤や通学の利便性、学区や教育環境、スーパーや病院などの利便性を考慮することがポイントです。
売り土地情報に掲載されている情報だけをうのみにせず、実際に現地を訪れて、生活しやすさを肌で確かめるようにしましょう。
また、見落としがちですがハザードマップの確認も必ず行いましょう。近年では首都直下型地震や南海トラフ地震などが高い確率で発生すると内閣府から公表されています。(参考:地震災害 : 防災情報のページ – 内閣府)
国土交通省のハザードマップポータルサイトでは、洪水・土砂崩れ・液状化などのリスクを確認できます。

引用:ハザードマップポータルサイト
上記の画像は東京都の洪水・内水を表したハザードマップです。洪水ハザードマップでは、大雨によって河川が氾濫した場合に想定される浸水の深さがピンク〜赤色の濃淡で表示されます。色が濃いほど浸水深が深くなることを示しており、最も濃い赤では浸水深が20m以上になると想定されています。
このように、ハザードマップを確認しておけば、自然災害のリスクが少ないエリアに住むことができるでしょう。
希望のエリアがある場合でも、安全性の確認は欠かせません。そのため、条件を整理する際は「絶対条件」と「希望条件」に分けて優先順位をつけておきましょう。
すべての希望を満たす理想的な土地はなかなか見つかりません。事前に妥協できる点と譲れない点を明確にしておくことで、土地選びの判断がスムーズになるでしょう。
ハウスメーカーの情報収集
次に、ハウスメーカーの情報収集を行います。注文住宅を依頼する会社によって、住宅性能・デザイン・価格帯・保証内容・担当者の対応力などは大きく異なります。
自分たちの家づくりに合ったパートナーを見つけるためには、複数社の情報を幅広く収集・比較することが不可欠です。
情報収集の主な手段としては、住宅展示場の見学、資料請求、完成見学会、ネットや口コミサイトなどがあります。
多くの方は外観や内装のデザインを優先しがちですが、断熱性や耐震性などの住宅性能、価格帯と標準仕様の内容などが大切です。
これらをチェックしないと、デザインだけでハウスメーカーを選ぶこととなり、結果として予算オーバーにもなりかねません。
最初に3〜5社程度の候補に絞った上で、住宅展示場の見学などに足を運ぶことをおすすめします。最初に印象の良かった1社だけで話を進めてしまうと比較の視点が生まれないため、複数社の提案を受けてから判断しましょう。
注文住宅を建てるのにかかる期間と注意すべき点
注文住宅は建売住宅と異なり、設計から施工までがすべてオーダーメイドで進むため、契約から入居までには相応の期間がかかります。
一般的に、情報収集の開始から引き渡しまでトータルで1年〜1年半程度かかることが多いです。一方で「いつまでに引っ越したい」という目標がある場合は逆算してスケジュールを組むこともできるでしょう。
ここでは、注文住宅を建てるまでの各工程の目安期間と、その期間にやっておくべきこと・注意点について紹介します。
| 工程 | 目安期間 | やっておくべきこと |
|---|---|---|
| 情報収集・ハウスメーカーの検討 | 2〜4か月 | 住宅展示場の見学、資料請求、完成見学会への参加、各社の比較・メモ |
| 設計・プランの打ち合わせ | 2〜5か月 | 間取り・設備・収納・照明などの仕様決定、生活動線の確認 |
| 着工前の準備・各種手続き | 1〜2か月 | 建築確認申請の対応、住宅ローン本審査・契約、工事請負契約の内容確認 |
| 工事期間 | 4〜6か月 | 上棟への立ち会い、定期的な現場見学、担当者との連絡 |
| 完成後〜入居準備 | 1〜2週間 | 施主検査、引き渡し書類の受け取り、家具・家電の手配、住所変更手続き、ライフラインの開通手続き |
情報収集・ハウスメーカーの検討(2〜4か月)
情報収集とハウスメーカーの検討には、おおよそ2〜4か月程度かかります。住宅展示場の見学、資料請求、完成見学会への参加などを通じて候補となる会社の特徴を把握していきます。
この段階で最も大切な注意点は「複数社を比較すること」と「焦って契約を決めないこと」です。
最初に訪れた会社の担当者が話しやすく感じても、他社と比較せずに契約を決めてしまうのは禁物です。注文住宅は数千万円規模の大きな買い物であり、一度契約してしまうとやり直しがきかない部分も多くあります。
さらに「今月中に決めるとキャンペーン価格が適用されます」「他の方も検討されているので早めにご判断を」といった言葉に焦らされて、十分な検討期間を確保できないまま決断してしまうケースも見られます。
焦らず自分たちのペースを守り、納得のいくまで比較検討することが重要です。
ただし、複数の会社を見学していると情報が混乱しやすくなります。
各社の特徴・印象・気になった点・質問したいことはその都度メモしておく習慣をつけましょう。後の比較検討が格段にしやすくなります。
設計・プランの打ち合わせ(2〜5か月)
設計・プランの打ち合わせには、おおよそ2〜5か月程度かかります。間取り・外観デザイン・内装仕様・設備機器・照明計画・収納計画など、家のあらゆる仕様を細かく決めていく工程で、家づくりの中で最も重要かつ時間のかかる段階です。
この工程で多くの方が後悔するポイントのひとつが「生活動線の検討が不十分だった」というものです。
図面上では問題なく見えても、実際の生活シーンを想像してみると不便な点が出てくることがあります。
「朝の準備の流れ」「洗濯物を干すまでの動き」「買い物から帰宅して食材を収納するまでの流れ」など、具体的な日常の動きをイメージしながら間取りを確認すると、生活動線の良い間取りが出来ます。
また、壁の位置・窓の大きさと位置・排水管の位置などは、工事が始まってからでは変更が難しく、変更できたとしても多額の追加費用が発生することがあります。
そのため、家族と本当に大丈夫なのかを何度でも確認するようにしましょう。打ち合わせ中に感じた違和感や疑問点は、その場で担当者に伝えるようにすることも家出づくりでは大切です。
すべての仕様が確定したら、工事請負契約書を締結します。契約書には工事の範囲・金額・工期・支払いスケジュールなどの重要な内容が記載されています。署名・捺印の前に内容をしっかり確認し、不明点はその場で解消しておきましょう。
着工前の準備・各種手続き(1〜2か月)
着工前の準備・各種手続きには、おおよそ1〜2か月程度かかります。この段階では主に建築確認申請と住宅ローンの本審査・契約という2つの重要な手続きが行われます。
建築確認申請は、建物が建築基準法に適合しているかを行政機関が審査する手続きです。通常はハウスメーカーが代行してくれますが、必要な情報や書類の提出を求められることがあるため、速やかに対応しましょう。書類に不備があると審査が長引く場合もあります。
住宅ローンの本審査では、事前審査よりも詳細な収入・資産・借入状況が審査されます。
本審査では、ハウスメーカーとの工事請負契約書や、源泉徴収票・確定申告書、通帳の写しなどを提出し、2週間ほどで結果が届きます。
本審査の認可が下りれば、金融機関とローン契約を締結し、着工へ進む流れです。
工事期間(4〜6か月)
工事期間はおおよそ4〜6か月程度かかります。工事は「地盤調査・地盤改良」→「基礎工事」→「建て方(躯体工事)」→「上棟」→「屋根・外壁工事」→「内装工事」→「設備工事」→「外構工事」という流れで進んでいきます。
施主として特に意識しておきたいのが上棟です。柱や梁などの骨組みが完成するこのタイミングは、家を完成した後に見ることができなくなります。
ぜひ現場に足を運び、柱や梁の本数・位置が設計図面どおりになっているか、金物や筋交いが適切に取り付けられているかなど、構造面のチェックをしておきましょう。不明な点があれば担当者にその場で確認することが大切です。
また、工事中は定期的に現場を見学させてもらいましょう。内装工事が始まる前の「骨組みが見える状態」のうちに確認しておくと、壁や天井の裏に隠れてしまう配線・配管の状態も直接目視できます。
ただし、現場見学の際は必ず担当者に事前連絡を入れ、アポなしの突然の訪問は避けることがマナーです。
工事の進捗が予定より遅れている場合や、仕様と異なる施工が行われていると感じた場合は、放置せず早めに担当者へ相談しましょう。問題を後回しにすると、修正が困難になったり多大な費用が発生したりするリスクがあります。
完成後〜入居準備(1〜2週間)
完成後から入居準備までにかかる期間は、おおよそ1〜2週間程度です。この期間では、「施主検査」と「引き渡し」が行われます。
施主検査では、完成した建物を施主が自らチェックします。以下のポイントを確認しておきましょう。
| チェック箇所 | 確認内容 |
|---|---|
| 床 | 傷・汚れ・浮き・きしみがないか |
| 壁・天井 | 傷・汚れ・クロスの浮きや剥がれがないか |
| 建具 | ドア・引き戸・窓の開閉がスムーズか、隙間がないか |
| 水回り | 水道・排水の動作確認、水漏れがないか |
| 電気設備 | 照明・コンセント・スイッチが正常に動作するか |
| 外壁・屋根 | 仕上がりの状態、ひび割れや塗装ムラがないか |
| 仕様との照合 | 設備・建材・設備機器のグレードが契約仕様どおりか |
設計図面(仕様書)を手元に持参し、気になる箇所はその場で写真に記録して担当者に修正を依頼することが大切です。
引き渡しでは、各設備の保証書・取扱説明書、建築確認済証、住宅性能評価書などの書類と鍵を受け取ります。受け取った書類はまとめてファイリングし、大切に保管しましょう。
引渡しを受けたら、入居に向けて以下の準備を並行して進めましょう。
| 準備項目 | 内容・注意点 |
|---|---|
| 家具・家電の手配 | 新居の寸法に合わせて選定し、搬入経路も事前に確認する |
| 引っ越し業者の手配 | 繁忙期(3月・4月・9月)は早めの予約が必須 |
| ライフラインの開通手続き | 電気・ガス・水道・インターネットを入居日に間に合わせて手続きする |
| 住所変更手続き | 運転免許証・マイナンバーカード・銀行・クレジットカード・郵便物の転送など |
手続きの種類が多いため、チェックリストを作成して一つひとつ確認しながら進めることをおすすめします。
「家づくりプラン」でして理想の注文住宅を実現
理想の注文住宅を実現するには、1社だけで検討を進めるのではなく、複数のハウスメーカーや工務店の提案を比較することが大切です。
しかし、自分で一社ずつ資料請求をしたり、住宅展示場を回ったりするのは時間と手間がかかります。そこで活用したいのが「家づくりプラン」です。
家づくりプランを利用すると、希望するエリアや予算、間取りなどの条件に合わせて、複数の住宅会社の資料やプランをまとめて取り寄せることができます。各社の特徴や提案内容を比較しながら検討できるため、自分たちの希望に合った住宅会社を効率よく見つけやすくなります。
注文住宅は、会社選びによって住まいの性能や満足度が大きく変わります。理想の家づくりを実現するためにも、まずは複数の住宅会社の情報を比較し、自分たちに合ったパートナーを見つけてみてはいかがでしょうか。
この記事の編集者
メタ住宅展示場 編集部
メタ住宅展示場はスマホやPCからモデルハウスの内覧ができるオンライン住宅展示場です。 注文住宅の建築を検討中の方は、時間や場所の制限なくハウスメーカー・工務店を比較可能。あなたにヒッタリの家づくりプランの作成をお手伝いします。 注文住宅を建てる際のノウハウなどもわかりやすく解説。 注文住宅でわからないこと、不安なことがあれば、ぜひメタ住宅展示場をご活用ください。
運営会社:リビン・テクノロジーズ株式会社(東京証券取引所グロース市場)





