花粉の大きさは、一般的に20〜40μm(マイクロメートル)という非常に小さな粒子です。
住宅のわずかなすき間からでも屋内へ入り込むため、家の中にいても花粉症の症状が出てしまうことがあります。
ただし、家の中に侵入する花粉は、住宅性能や生活動線を工夫することで、大きく減らすことができます。花粉症に悩まされず、快適に過ごせる注文住宅にするためにも、花粉が侵入する経路と適切な対策を押さえておきましょう。
もくじ
花粉はどこから家の中に入り込む?
花粉が住宅の中に入り込んでくる主な経路は、以下のとおりです。
- 窓やサッシのすき間
- 換気口や24時間換気システム
- 玄関ドアのすき間
- 配管まわりや壁のすき間
それぞれの侵入経路について、どのように花粉が入り込むのかを順番に見ていきましょう。
窓やサッシのすき間
窓は、住宅の中でも外気の出入りが多く、同時に花粉が入り込みやすい場所でもあります。
そのため、花粉の飛散量が多い時期には、窓を開ける時間や回数によって室内の花粉量が増えてしまうことがあります。
また、窓を閉めている状態でも完全に外気を遮断できるわけではありません。サッシには構造上わずかなすき間があり、そこから微量の外気が入り込むことがあるためです。
このように、窓やサッシ周辺は花粉が侵入しやすく、室内に溜まりやすい場所といえます。
換気口や24時間換気システム
2003年の建築基準法改正(シックハウス対策)により、新築の戸建住宅やマンションなどの居室には、24時間換気システムの設置が義務付けられました。
これは、室内の空気環境を保つために設けられた仕組みで、主に次のような問題を防ぐ目的があります。
- 建材や家具から発生する化学物質(シックハウス症候群)の対策
- 高気密住宅で起こりやすい空気の滞留
- 室内にたまりやすい二酸化炭素
- 湿気や生活臭などの空気汚れ
建築基準法では、居室において1時間あたり室内の空気の半分以上(0.5回以上)を入れ替える換気量を確保することが求められています。
このように、24時間換気は、室内の空気環境を保つうえで重要な役割を果たしますが、外気と一緒に花粉が室内へ入り込む経路にもなります。特に換気設備にフィルターが付いていない場合や、性能の低いフィルターを使用している場合は、花粉が十分に除去されないまま室内に取り込まれる可能性があるため、注意が必要です。
玄関ドアのすき間
玄関ドアは、家の中でも花粉が入り込みやすい場所の一つです。外出先から帰宅した際には、衣類や髪の毛、バッグなどに花粉が付着していることが多く、そのまま室内へ持ち込まれてしまうことがあります。
また、玄関ドアは閉めている状態でも完全に密閉されているわけではありません。
ドアの下部や周囲にはわずかなすき間が生じることがあり、そこから外気と一緒に花粉が入り込む可能性があります。こうしたすき間は、建物やドアの経年劣化、気温や湿度の変化による伸縮、建物の傾きや基礎沈下、施工時のミス、パッキンやモールの劣化など、さまざまな理由で発生することがあります。
さらに、リフォームや換気対策として、ドアの下部に数ミリ程度のすき間を設ける設計が採用されるケースもあります。このようなすき間も外気の通り道となるため、花粉が室内へ入り込む要因の一つになることがあります。
配管まわりや壁のすき間
住宅には、水道管や排水管、電気配線などさまざまな設備が壁や床を通して設置されています。これらの設備を通すためには、壁や床に穴を開ける必要があり、その周囲は住宅の中でもすき間が生じやすい部分になります。
施工時には気密材などで処理されますが、わずかなすき間が残ることもあり、そこから外気と一緒に花粉が入り込む可能性があります。
また、住宅では室内外の気圧差や換気によって空気が移動しています。その移動する空気に合わせてそのため、空気中に浮遊している花粉も一緒に室内へ侵入することがあります。
注文住宅でできる花粉症対策5選
花粉症対策というと、マスクや空気清浄機などの生活対策をイメージする人も多いかもしれません。
しかし、家づくりの段階で住宅性能や間取りを工夫することで、室内に入り込む花粉の量を大きく減らすことができます。
室内の花粉の多くは、外気と一緒に侵入したものや、衣類や洗濯物などに付着して持ち込まれたものです。花粉は室内で発生するものではないため、侵入や持ち込みを減らすことで、室内の花粉量を大きく抑えられます。そのため、花粉を「入れない」「持ち込まない」「広げない」という3つの対策が重要になります。
また、注文住宅では、こうした対策を設計段階から取り入れることができます。ここでは、家づくりで取り入れられる代表的な花粉症対策として、次の5つを紹介します。
高性能フィルターを備えた換気システムの採用
花粉の侵入を抑えるには、花粉や微粒子を除去できるフィルター付きの換気設備を採用することが効果的です。
例えば、給気と排気を機械で管理する第一種換気では、外気を取り込む際にフィルターを通すため、花粉や微粒子の侵入を抑えやすくなります。
さらに、静電HEPAフィルターや高性能アレルフィルターなどを備えた換気システムを採用すると、花粉やPM2.5などの微粒子を捕集できるため、室内に入り込む花粉の量を大きく減らすことができます。
窓の性能を高めて外気の侵入を抑える
気密性の高いサッシを採用することで、窓まわりのすき間を減らすことができます。例えば、樹脂サッシや樹脂複合サッシは気密性が高く、アルミサッシに比べて外気の侵入を抑えやすいとされています。
また、断熱性能の高い窓は気密性にも配慮して設計されているケースが多く、結果として花粉の侵入を抑えやすくなります。さらに、窓の数が増えるほど外気の侵入ポイントも増えるため、必要以上に窓を増やさない間取りにすることも有効な対策です。
玄関で花粉を持ち込まない動線をつくる
室内に入り込む花粉の多くは、外出時に衣類や髪の毛、バッグなどに付着した状態で持ち込まれるといわれています。そのため、玄関まわりで花粉を落とし、室内に持ち込まない動線をつくることが重要です。
例えば、玄関近くにコート収納を設けておけば、外で着ていた上着をリビングまで持ち込まずに収納できます。花粉が付着した衣類を室内に持ち込まないための対策になります。
また、玄関付近に手洗いスペースを設けると、帰宅後すぐに手洗いやうがいができ、花粉を室内に広げにくくなります。さらに、シューズクロークを設けて外用のコートや帽子などをまとめて管理することで、花粉が生活空間に入り込むのを防ぎやすくなります。
室内干しができるランドリールームを設ける
花粉シーズンに洗濯物を外干しすると、衣類やタオルに花粉が付着し、そのまま室内へ持ち込まれてしまうことがあります。そのため、外干しを減らし、室内干しができる環境を整えることが花粉対策につながります。
例えば、ランドリールームを設けて室内干しのスペースを確保しておけば、天候や花粉の飛散量を気にせず洗濯物を干すことができます。また、脱衣所や洗面室に室内物干しを設置する方法も有効です。
このように室内干しのスペースを確保しておくことで、洗濯物に付着する花粉を防ぎ、室内に持ち込まれる花粉の量を減らすことができます。
ハウスメーカーを比較して花粉症対策に配慮した注文住宅を建てよう
花粉対策を意識した家づくりを進める場合、ハウスメーカーごとの住宅性能や設備の違いを比較することが重要です。住宅会社によって、気密性能や換気システムの考え方、採用している設備の仕様は大きく異なるためです。
例えば、住宅の気密性能を示すC値(相当すき間面積)は、家のすき間の少なさを表す指標で、数値が小さいほど気密性の高い住宅とされています。一般的にC値は1.0以下が高気密住宅の目安とされており、住宅会社によって実測値や基準が異なるため、性能を比較する際には確認しておくことが重要です。
また、換気システムの種類やフィルター性能によっても、室内に入り込む花粉の量は変わります。第一種換気などのシステムや、花粉・微粒子を除去できるフィルターの有無など、設備仕様も比較しておくとよいでしょう。
花粉症対策を意識した注文住宅を建てるためには、こうした住宅性能を踏まえながら、複数のハウスメーカーを比較して自分に合う住宅会社を選ぶことが大切です。
注文住宅を検討する際には、複数のハウスメーカーから、間取りや資金計画の提案を受けながら比較する方法もあります。例えば、家づくりプランを依頼するでは、土地の条件や希望に合わせた間取りプランや資金計画を無料で提案してもらうことができます。複数の住宅会社の提案を比較しながら、自分たちに合った家づくりを進めていきましょう。
この記事の編集者
メタ住宅展示場 編集部
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