吹き抜けは開放感があって、誰もが憧れる設計のひとつです。圧迫感のない広々とした空間は、家族の集まるリビングにぴったりです。このようにさまざまなメリットがあるものの、吹き抜けにはデメリットもあります。それでも吹き抜けへの憧れが止まない人は、どのようにすればデメリットを解消できるかをご確認ください。
もくじ
この記事でわかること
- 吹き抜けで後悔しがちな光熱費やメンテナンスといったデメリット
- 断熱や空調の工夫で快適な空間を実現するための具体的な対策
- 居住スペースとのバランスや将来のリフォームを見据えた間取りの考え方
- 吹き抜けの設置工事と、デメリット解消にかかる費用の目安
おしゃれだけど…吹き抜けの残念すぎるデメリット
吹き抜けはメリットだけでなく、デメリットもあります。家を建てるとき、本当に吹き抜けが必要かどうかをよく検討したうえで設計をしましょう。
吹き抜けのデメリットについては「吹き抜けのデメリットとは?一級建築士が教える、後悔をゼロにする3つの絶対条件」で詳しく紹介しています。
掃除が大変!
吹き抜けは、なんといっても掃除が大変です。吹き抜け上部は、脚立があっても手が届きません。吹き抜け上部の壁は、空気中のホコリが付いたり、汚れが飛んだりして気づかないうちに汚れています。壁を直接手で触れる機会が少ないため、汚れにもなかなか気づけません。
照明の設置・交換が大変!
吹き抜けには大型照明の設置が可能なのですが、高さがあるので設置が大変です。脚立で設置ができなければ、足場を組み上げて設置しなければいけません。照明本体と足場設置を含めた施工費は高額になります。電球の交換でも同様のことが起こります。
また、空間が広いため照明の数を増やすか、明るさの強い照明でなければ、部屋が暗くなってしまいます。十分な照明計画が必要です。
高窓・天窓が増える
吹き抜けをつくる場合、ほとんどのケースで採光と換気のために高窓や天窓を設置します。窓を設置する数が増えるほど、カーテンなどの窓装飾品(ロールスクリーンやブラインドなど)が必要になります。また、高窓や天窓の清掃・メンテナンスについても考慮しなくてはなりません。
エアコンの効きが悪くなる
吹き抜けは上下に広いため、エアコンが効きにくくなります。冷たい空気は下に、暖かい空気は上に行くため、部屋のなかを均等に涼しく(もしくは暖かく)するには時間がかかります。また、エアコンは広い空間に適応する機種になるため、非常に高額です。
断熱しないと夏は地獄の暑さに
窓は空気の出入りが一番多い場所です。そのため高窓や天窓を設置する場合は、夏の熱気・冬の冷気への対策は必須です。特に夏は湿気も多いため、何も対策しなければ快適に過ごすことは不可能です。
生活音や調理の匂いが2階へ広がりやすい
吹き抜けは上下階を隔てる床や天井がないため、1階の生活音やキッチンの匂いが2階にまで広がりやすいというデメリットがあります。
リビングで見ているテレビの音や話し声が、2階の寝室や子ども部屋に響いてしまうケースは少なくありません。
勉強や在宅ワークなどで静かに集中したい家族がいる場合、音の伝わりやすさがストレスの原因になることがあります。
また、調理中の匂いが2階の衣類や寝具に移ってしまうこともあるため注意が必要です。
2階の居住スペースが削られてしまう
吹き抜けにした部分は2階の床を張ることができないため、必然的に2階の生活スペースが削られてしまいます。
敷地面積にゆとりがない場合、吹き抜けを優先した結果として必要な数の子ども部屋が確保できない事態に陥るかもしれません。
あるいは、収納スペースが極端に少なくなってしまったといった後悔を招くリスクが高まります。
限られた延床面積の中で家づくりを行う際は、吹き抜けの広さと居住スペースのバランスを慎重に検討し、将来のライフスタイルも見据えて間取りを決める必要があります。
吹き抜けのメリット!風通しのよい、開放感のある家に
吹き抜けがあることによって、どのようなメリットがあるのか紹介します。抜き抜けを取り入れるかどうか迷っている人は、ぜひ参考にしてください。
天井が高いと空間が広く感じる
吹き抜けがあるのとないのとでは、開放感がまったく違います。天井が高いとそれだけ視野が広がり、空間が広く感じられます。空間に広がりを感じるか、圧迫感をおぼえるかによって部屋の快適さが大きく変わります。
風通しがよく空気が循環する
吹き抜けの上部に設置した窓(天窓や高窓)と1階部分の窓(掃き出し窓や腰窓)の両方を開けることで、風通しがよくなります。上部の空気は暖かく、下部の空気は冷たく、温度差ができます。高低差と温度差があると上昇気流が発生し、自然と風が吹くようになるのです。
建具も高さがあるものを選べる
天井が高いので、窓や建具なども高さがあるものを選択できます。これにより空間のバランスがよくなるだけでなく、高さが強調されることで部屋に広がりを感じられます。また、扉が大きくなると、家具・家電の搬入出が楽になります。
冬でも部屋を明るくしやすい
吹き抜けに高窓や天窓を設置すると、日照時間の短い冬であっても、日光を屋内に入れやすいので明るい空間にできます。また、照明器具の使用時間を短縮できるため、節電にもつながります。
大型の照明の設置が可能
吹き抜けがつくれるほどの高さと広さがあれば、大型の照明を設置できます。大型のペンダント照明や、壁面にブラケット照明の設置も可能です。そのため、インテリアを楽しむ幅が広がります。
家族間で自然なコミュニケーションが生まれる
吹き抜けを設けることで、1階と2階の空間が縦につながり、別の階にいても家族の気配を感じやすくなります。
「吹き抜けリビング」を中心に配置すれば、2階の個室にいる子どもへも容易に声掛けが可能です。
外出時の挨拶や帰宅時の声かけが自然と交わされやすくなり、日常生活のなかでコミュニケーションの機会が増えるのが大きな魅力です。
家族のつながりを大切にしたい方に適した間取りといえます。
それでも吹き抜けにしたい!人へのアドバイス
デメリットがあっても吹き抜けがほしい、という人は少なくないでしょう。どうしても吹き抜けがほしいという人に、デメリットへの対策を紹介します。
LEDやメンテナンスの簡単な照明を選択する
吹き抜けに設置する照明は、寿命の長い、メンテナンスのしやすい製品を選びましょう。電球を白熱電球ではなく寿命の長いLEDにしたり、掃除のしやすいシンプルなデザインの照明にしたりするのがおすすめです。ダウンライトとスポットライトをたくさん設置するのもよいでしょう。
断熱材は必須
壁のなかには必ず断熱材を入れましょう。断熱材によって熱の流出を防ぐため、吹き抜けのエアコンの効きが悪いという欠点を改善します。
ガラスでの断熱
窓ガラスには機能性のあるものを使いましょう。機能性ガラスは断熱性に優れており、エアコンの効きの悪さを改善する効果があります。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| ペアガラス | 2枚のガラスの間に乾燥した空気を封入する。乾燥した空気により断熱性能を高める。冬の結露対策にも有効 |
| Low-Eペアガラス。 | 特殊な金属膜をコーティングしたガラス。赤外線、紫外線をカットする性能を持つ |
| 真空ガラス | ペアガラスの一種。2枚のガラスの間を真空にして熱の移動を防ぐ。ペアガラスやLow-Eガラスよりも断熱性能が高い。防音効果もある |
窓には選べるなかから少しでも断熱性の高いガラスを選びましょう。ガラスフィルムも併用できるガラスであれば、さらに断熱性の向上、紫外線カットといった効果を得られます。それでも熱の流出は起こるため、カーテンの設置は必須です。
シーリングファンを付ける
シーリングファンを使うことにより、空気を循環させて部屋のなかの温度を均一にできます。これによりエアコンの電気料金節約につながります。
注意しなければいけないのが、照明の位置です。シーリングファンの位置と照明の位置が被らないように、照明計画を立てましょう。照明の打ち合わせが終わったあとに、シーリングファン設置の希望を伝えると、場合によっては照明の配置・器具などを大幅に変える必要が出てきます。
必ず吹き抜けのイメージを確認する
住宅展示場、モデルハウス、ハウスメーカーの完成現場見学会など、吹き抜けが確認できる場所に足を運んで、実際に吹き抜けを確認しましょう。これにより、吹き抜けの高さや、空間の広がりの感覚を確かめられます。
具体的なイメージを掴むためにも、2軒以上は見学しましょう。気になることがあれば質問して、疑問点をなくしておくことが大切です。
将来のリフォームを検討しておく
吹き抜けになっている場所は、LDK空間の真上です。ほとんどの場合、LDK空間は家の南側の日当たりがよい場所にあります。つまり、2階の一番日当たりがいい場所を活用せずに、吹き抜けをつくっているのです。
吹き抜けに関心があるものの、不安が拭えないという人は、将来的に大規模なリフォームをして2階部分を建築する前提で建築計画を検討しましょう。リフォームには多くの時間と費用が必要ですが、吹き抜けが生活と合わなくなった、もしくは家族構成が変わって部屋数が必要になったときでも対応可能です。
生活音・匂いへの対策を徹底する
吹き抜けを設ける場合は、あらかじめ音や匂いが広がることを想定した対策が不可欠です。
音への対策としては、寝室や書斎など静かに過ごしたい部屋を吹き抜けからできるだけ離して配置したり、各個室に防音性能の高いドアを採用したりするのが有効です。
匂いへの対策としては、キッチンの換気扇を吸引力の高いものにアップグレードすることが考えられます。
さらに、コンロ周辺を壁で囲んだり、換気窓の位置を工夫して匂いが2階へ流れないような空気の通り道を計算しておくべきです。
設置工事費および付随する対策費用
吹き抜けの設置工事そのものには、面積や構造によって異なりますが、一般的に150万〜250万円ほどの費用がかかります。
さらに、吹き抜けによるデメリットを解消するための追加費用も見込んでおく必要があります。
例えば、音の伝わりを軽減するための防音処理費として10万〜30万円ほどかかるケースが多いです。
また、室内の温度を快適に保つための断熱材や断熱塗装の追加に10万〜30万円ほどの費用が必要になることもあります。
予算オーバーを防ぐためにも、こうした付随する対策費用を含めた総額をあらかじめ把握しておくことが求められます。
吹き抜けが得意なおすすめハウスメーカー
吹き抜けのある家を成功させるには、単なるデザインだけでなく、高い設計力と優れた住宅性能が求められます。
ここでは、吹き抜けの設計が得意な、おすすめの大手ハウスメーカーを紹介します。
各社の強みや特徴を比較して、自分たちの理想の家づくりを任せられるパートナー選びの参考にしてください。
おすすめのハウスメーカーについては「家を建てるならどこ?大手ハウスメーカー・工務店おすすめランキング」で詳しく紹介しています。
高い断熱性・気密性を誇る「一条工務店」
一条工務店は、業界トップクラスの高断熱・高気密仕様を標準としているハウスメーカーです。
吹き抜け最大の弱点である冷暖房効率の悪さを家の性能そのものでカバーできるため、冬場に足元が冷えたり、光熱費が高額になったりするリスクを抑えられます。
また、家中の温度を一定に保つ全館空調や全館床暖房との相性も抜群であり、上下階での温度差を最小限にとどめられます。
吹き抜け空間の寒さや暑さに不安を感じている方にとって、非常に安心感のある選択肢となります。
木の質感を活かしたデザインの「住友林業」
住友林業は、無垢材や木の梁を美しく見せる設計を得意としています。
独自の強力な構造体を採用しているため、安全性を保ちながら大開口の窓や広々とした空間を作りやすく、木肌の温もりと開放感を両立させたおしゃれな吹き抜けが叶います。
天井に木材を張ったり、スケルトン階段と組み合わせたりと、バリエーション豊かな空間演出が可能です。
デザイン性の高さや、間取りの自由度を重視して理想の吹き抜けを作りたい方に向いているハウスメーカーです。
柱のない大空間設計に強い「積水ハウス」
積水ハウスは、鉄骨造・木造ともに強靭な構造を持ち、柱や壁を極力減らしたダイナミックな大空間の設計を得意としています。
優れた構造計算に基づく耐震性をしっかりと確保しながら、広大な吹き抜けや大きな窓を配置できるのが強みです。
豊富な実績に裏打ちされた緻密な空間提案力があり、開放感と安全性を高いレベルで両立した住まいを実現できます。
価格に見合った充実したサポート体制や、高品質な吹き抜け空間を求める方におすすめのメーカーです。
この記事の編集者
メタ住宅展示場 編集部
メタ住宅展示場はスマホやPCからモデルハウスの内覧ができるオンライン住宅展示場です。 注文住宅の建築を検討中の方は、時間や場所の制限なくハウスメーカー・工務店を比較可能。あなたにヒッタリの家づくりプランの作成をお手伝いします。 注文住宅を建てる際のノウハウなどもわかりやすく解説。 注文住宅でわからないこと、不安なことがあれば、ぜひメタ住宅展示場をご活用ください。
運営会社:リビン・テクノロジーズ株式会社(東京証券取引所グロース市場)




