注文住宅を建てる際、親世代から家相を指摘されたり、SNSで鬼門・裏鬼門の情報を見たりすると、「気にしたほうがいいのかな?」と感じることがあるかもしれません。
家相には長い歴史があり、昔から間取りを考えるうえで一つの考え方として取り入れられてきました。迷信のように感じられる部分もありますが、実際は昔の住宅事情や暮らし方をもとに生まれた考え方も多くあります。
もちろん家相だけで間取りを決める必要はありませんが、一つの考え方として取り入れることで、住みやすい家づくりの参考になるかもしれません。
ここでは、家相の基本をわかりやすく解説するとともに、現代の家づくりで家相をどのように考えるべきかも紹介します。後悔しない間取りづくりの参考にしてください。
もくじ
家相とは
家相とは、家の方角や部屋の配置によって、住みやすさや運気への影響を考える日本の伝統的な考え方です。
家相のルーツは中国の思想にあるとされ、日本には平安時代ごろに伝わったといわれています。その後、日本の気候や住環境に合わせて考え方が発展し、現在まで受け継がれてきました。
昔の日本の住宅は、現在ほど断熱性や換気性能が高くなかったため、日当たりや風通し、湿気の影響を受けやすい環境でした。そのため家相は、単なる迷信ではなく、暮らしやすい住環境をつくるための知恵として取り入れられてきた側面があります。
家相が間取りづくりの参考にされる理由
家相が現在まで受け継がれている理由の一つに、昔の住環境に合わせた暮らしの知恵が含まれていることがあります。
例えば、昔の住宅は現在ほど断熱性や換気性能が高くなかったため、日当たりや風通しの悪い場所では湿気がこもりやすく、カビや傷みが発生しやすい環境でした。そのため、方角ごとの日差しや風の流れを意識しながら、部屋や水回りの配置を考えることが重視されていたと考えられています。
また、家相では「家の中心を整える」「欠けや張りの少ない間取りにする」といった考え方もあります。これは見た目のバランスだけでなく、生活動線を整理しやすくなる側面もあります。
もちろん、現代の住宅は性能が向上しているため、家相だけを優先して間取りを決める必要はありません。しかし、採光や通風、住みやすさを考えるきっかけとして、家相を参考にする人は現在でも少なくありません。
家相と風水との違い
家相と風水は混同されやすいですが、考え方や重視する対象には違いがあります。
家相は、日本で発展した「住宅の間取り」に関する考え方です。家の中心から見た方角をもとに、玄関・トイレ・キッチン・寝室などをどこに配置するかを重視し、住みやすさや運気との関係を考えていきます。特に、鬼門・裏鬼門や家の形状などが重要視される点が特徴です。
一方の風水は、方角だけでなく、「気の流れ」や「色」「インテリア」「家具配置」「持ち物」など、衣食住を含めた生活環境全体を整えることで運気向上を目指す考え方です。
例えば、家相では「北東にトイレを配置しない」といった間取り自体を重視する傾向があります。一方で風水では、「トイレを清潔に保つ」「色使いを工夫する」といった空間の整え方まで含めて考えることがあります。
このように、家相は主に住宅の配置計画に関する考え方、風水は暮らし全体の環境づくりに関する考え方として区別されることが一般的です。
家相における重要な要素
家相では、部屋や設備の配置方角に加えて、家の形状バランスなども重視されます。
これは、古くから日本で日当たりや風通し、湿気のたまりやすさなど、住環境と暮らしやすさが関係していると考えられてきたためです。
特に、玄関や水回りの位置、家の中心から見た方角などは、家相において重要な要素とされています。
ここでは、家相で特に重要とされる代表的な考え方について解説していきます。
鬼門・裏鬼門

鬼門とは、家の中心から見た「北東」の方角を指します。家相では特に重要視される方角の一つで、昔から「気の出入りが起こる場所」と考えられてきました。方角を十二支で表す十二方位では、丑と寅の間に位置することから、鬼門は丑寅とも呼ばれています。
一方の裏鬼門は、鬼門とは反対の方角、真北の方向を0度としたとき、202.5 度から247.5度の間になります。鬼門と同様に忌避されがちな方角です。ただし、鬼門とまったく同じ扱いではなく、鬼門ではよくても裏鬼門では悪い、とされる部屋の配置などがあります。
裏鬼門は十二方位では未と申の間にあって未申と呼ばれます。鬼門の反対にあるので裏鬼門を縁起のよい方角と思われる人もいますが、実際は凶の方角です。
正中線・四隅線

正中線とは、家の中心から東西南北に引いた、十字のラインを指します。正中線には強力な気が集中していると言われており、家相では配置すると運勢が落ちてしまう設備があります。鬼門・裏鬼門ほど知られてはいませんが、注意が必要です。
四偶線は、北東と南西、北西と南東を結んだ、X字ラインのことです。このX字ラインを実際に引いてみると、X字ラインの先端が鬼門と裏鬼門とほぼ一致します。四偶線は、鬼門・裏鬼門と密接な関係にあるのです。
欠け・張り

欠けとは部分的に凹んでいる部分、張りとは部分的に突き出している部分を指します。ただし、大地に接していない部分については、凹んでいようが突き出していようが張りや欠けとはいいません。
たとえば2階のベランダは突き出しているものの、大地に接していないため張りとしては扱わないのが一般的です。張りは運勢を上げるもの、欠けは運勢を下げるものとすることが多いです。
大吉!大凶?家相から間取りを考える
家相をもとに、運気の上がる間取りにすれはどうすればよいのかを紹介します。運気がよくなる方角を吉方位、運気を下げる方角を凶方位といいます。家の設計をするときの参考にしてください。
リビング

リビングにとって吉方位となるのは、東、南東、南、北西です。また、家の中心にリビングがあるのも吉といわれています。逆に凶方位とされるのが北、北東、南西、西です。鬼門や裏鬼門に該当するほか、日当たりのよくない場所が凶となっています。
| 吉方位 | 凶方位 |
|---|---|
| 東、南東、南、北西 吉の場所:家の中心 |
北、北東(鬼門)、南西(裏鬼門)、西 |
キッチン
キッチンの吉方位は、南東と南です。逆に凶方位は西と南西で、日の沈む方角であることから、家族と食事をとる場所にもかかわらずエネルギーが吸い取られると考えられ、避けるべきとされています。
| 吉方位 | 凶方位 |
|---|---|
| 南東、南 | 南西、西 |
寝室
寝室の吉方位は、北、東、南東、南西、西、北西です。一方で南は凶方位とされています。これは南だとポジティブなエネルギーが強く、睡眠にとって必要不可欠な「興奮を抑制する」ことが難しいとされているためです。
| 吉方位 | 凶方位 |
|---|---|
| 北、東、南東、南西、西、北西 | 南 |
トイレ
不浄とされているトイレには、吉になる方位はありません。しかし、凶を比較的抑えるとされている方位として、東、南東、北西があります。一方で凶が強くなる方角として、鬼門の北東、裏鬼門の南西があります。また方位だけでなく、不浄の気を強めるとして、正中線上や家の中心も避けるべきとされています。
| 吉方位 | 凶方位 |
|---|---|
| なし 凶を抑える方位:東、南東、北西 |
北東(鬼門)、南西(裏鬼門) 凶を強める:正中線上、家の中心 |
風呂
風呂の吉方位は水との相性がよいとされる南東、東、北西です。一方で凶方位になるのは、北、南、西です。また、鬼門と裏鬼門を結ぶ線上も風呂を配置する場所としては不向きといわれています。
| 吉方位 | 凶方位 |
|---|---|
| 南東、東、北西 | 北、南、西 凶になる場所:鬼門(北東)と裏鬼門(南西)を結ぶ線上 |
子ども部屋
子ども部屋の吉方位は東と南東です。子どもの成長に不可欠な、日光のエネルギーを効率よく得られるためとされています。また北も「勉学に集中できる」として、子ども部屋の吉方位とされます。子ども部屋として凶方位になるのは、子孫繁栄に悪影響を与える鬼門の北東と、家庭運を下げる裏鬼門の南西です。
| 吉方位 | 凶方位 |
|---|---|
| 北、東、南東 | 北東(鬼門)、南西(裏鬼門) |
凶の間取りはどうすればいい?
もし家の間取りが凶になっている場合の対策を紹介します。手軽にできるものもあるので、ぜひお試しください。
炭を置く
炭は不浄を吸い込むといわれているため、トイレに置くことで運気を改善します。また、炭には悪臭を取り除く効果もあるため一石二鳥です。
部屋を交換する
部屋によっては交換しやすい場合があります。たとえば子ども部屋と寝室であれば、家具を入れ換えるだけで済みます。子ども部屋にとって南西は凶方位ですが、寝室としては吉方位なので運気向上が見込めます。
リフォームでは家の中心を意識する
リフォームで増築を行うと家の中心が動くことがあり、そうすると部屋の方位も変化します。リフォームをするときは、部屋の中心がどのように変換するのかを意識しましょう。
家相を気にしすぎないことも大事
家相は部屋の場所や設備の配置を決めるうえで参考にするものです。そのため、家相の運気を気にしすぎるあまり、住みにくい家にならないように注意しましょう。あくまでも家の中心となるのは人間なので、家相に振り回されないようにしてください。
この記事の編集者
メタ住宅展示場 編集部
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