中庭のある家は、採光やプライバシー確保に優れ、多くの魅力がある一方で、建築費用や間取りの制約といったデメリットも存在します。
憧れだけで建てて後悔しないためには、メリット・デメリットの両方を正しく理解し、ライフスタイルに合った計画を立てることが重要です。
この記事では、中庭のある家の建築を検討している方へ向けて、後悔しないための費用や間取りのポイントを詳しく解説します。
もくじ
この記事でわかること
- 光や風を取り込みプライバシーも守る中庭のメリット
- 建築費用や生活動線におけるデメリットと後悔しないための対策
- ライフスタイルに合わせた「コの字」「ロの字」など形状別の間取りプラン
- 使い勝手と快適性を高める水道・排水計画などの設計ポイント
注文住宅で人気の中庭とは?まずは基本を知ろう
中庭とは、建物や壁で囲まれた、屋根のない屋外空間のことです。
コートハウスとも呼ばれ、外からの視線を遮りながら、光や風を室内に取り込めるプライベートな空間として人気があります。
中庭のある家は、リビングの延長としてアウトドアリビングを楽しんだり、子どもが安全に遊ぶスペースとして活用したりと、暮らしの可能性を広げられる点が大きな魅力です。
中庭の主な3つの形状【コの字・ロの字・L字】
中庭には、建物の形状によって主に3つのタイプがあります。
①三方を建物で囲んだ「コの字型」です。 一面が外に開けているため、開放感とプライバシーのバランスが取りやすい特徴があります。
②四方を完全に建物で囲んだ「ロの字型」で、外部からの視線が遮られ、プライベート空間を確保しやすい形状です。
③建物をL字型に配置し、二面を壁で囲む「L字型」で、省スペースで設置しやすく、コストを抑えやすい傾向があります。
なぜ人気?注文住宅に中庭を設ける5つのメリット
中庭のある家は、そのデザイン性だけでなく、機能面でも多くのメリットをもたらします。
採光やプライバシー確保といった基本的な利点から、家族のコミュニケーションや防犯性の向上まで、中庭が暮らしに与える良い影響は多岐にわたります。
ここでは、注文住宅で中庭を設ける具体的なメリットを5つ紹介します。
住宅密集地でも光と風をたっぷり取り込める
隣家との距離が近い住宅密集地では、大きな窓を設けても十分な採光や通風を確保するのが難しい場合があります。
中庭を設けることで、建物の内側から自然光を取り込み、家全体を明るくできます。
また、中庭に面して窓を複数設置すれば、家の中に風の通り道が生まれ、快適な住環境を実現可能です。
周囲の建物の影響を受けずに、開放的で心地よい空間をつくれます。
外からの視線を気にせず過ごせるプライベート空間が手に入る
建物で囲まれた中庭は、道路や隣家からの視線を自然に遮ることができるため、完全なプライベート空間として活用できます。カーテンを開け放して開放的に過ごしたり、人目を気にせずバーベキューやティータイムを楽しんだりと、暮らしの楽しみ方が広がります。
リビングと一体化させたアウトドアリビングとして使えば、内と外がゆるやかにつながる心地よい空間が生まれます。
子どもやペットが安全に遊べるスペースになる
中庭は、道路へ飛び出す心配がないため、子どもやペットを安心して遊ばせられる貴重なスペースです。
親はキッチンやリビングから子どもの様子を見守りながら家事ができるため、安心感があります。
夏にはビニールプールを出して水遊びをしたり、走り回ったりと、自宅にいながら安全に外遊びを楽しめる環境は、子育て世帯にとって大きなメリットです。
部屋同士につながりが生まれ家族の気配を感じやすい
中庭を挟んで各部屋が向かい合う間取りにすると、家の中に一体感が生まれます。
例えば、リビングと子ども部屋が中庭に面していれば、異なる部屋にいても窓越しにお互いの気配を感じることができ、自然なコミュニケーションの機会が増えます。
家族がどこにいても、ゆるやかにつながっているという安心感は、暮らしをより豊かにします。
防犯性を高める効果が期待できる
中庭のある家は、外周に窓が少なくなる傾向があり、侵入経路が限定されるため防犯性が高まります。
中庭に面した窓は外部から見えにくく、侵入者は人目に付くリスクを嫌うため、空き巣などのターゲットになりにくいとされています。
また、建物の内側に開かれた空間があることで、死角が少なくなり、不審者が隠れる場所を減らす効果も期待できます。
中庭で後悔しないために知っておきたい4つのデメリットと対策
多くのメリットがある一方で、中庭には知っておくべきデメリットも存在します。
建築費用や居住スペース、生活動線、メンテナンスなど、計画段階で対策を講じなければ、後悔につながる可能性があります。ここでは、代表的な4つのデメリットとその対策について具体的に解説します。
あらかじめ課題を理解し、工夫することで、デメリットを最小限に抑えることが可能です。
建築費用が割高になる傾向がある
中庭を設けると建物の形状が複雑になり、外壁の面積が増えるため、建築費用が割高になる傾向があります。
壁の面積が増える分、断熱材や外壁材の費用がかさみ、窓を多く設置すればその分のコストも上乗せされます。
また、基礎工事も複雑になるため、一般的な四角い形状の住宅と比較して価格が上がります。
対策としては、シンプルなL字型を選ぶ、外壁のグレードを部分的に調整するなど、設計の工夫でコストを管理することが重要です。
居住スペースが狭くなる可能性がある
同じ敷地面積の土地に家を建てる場合、中庭を設けるとその分の面積が屋外スペースになるため、室内の居住スペースは狭くなります。
特に限られた広さの土地では、中庭の面積と居住空間のバランスを慎重に検討する必要があります。
対策としては、廊下をなくして中庭に面したホールを設ける、吹き抜けと組み合わせて縦の空間を有効活用するなど、間取りの工夫で開放感を演出し、実際の面積以上の広さを感じさせる設計を取り入れることが有効です。
家の中の移動(生活動線)が長くなりがち
特にロの字型やコの字型の中庭の場合、部屋から部屋へ移動する際に中庭を迂回する必要があり、生活動線が長くなる可能性があります。
例えば、キッチンの向かい側にある部屋へ行くのに、一度廊下に出てぐるりと回らなければならないといったケースです。
これを解決するためには、中庭の周りを回遊できる動線を計画したり、渡り廊下を設けたりするなどの工夫が求められます。
湿気や落ち葉などメンテナンスの手間がかかる
中庭は屋根がない屋外空間のため、落ち葉や砂埃が溜まりやすく、定期的な掃除が必要です。
また、水はけが悪いと、雨水が溜まって湿気の原因となったり、蚊が発生したりする可能性もあります。
対策として、設計段階で水勾配をしっかりと確保し、排水溝を適切な位置に設置することが不可欠です。
ウッドデッキを敷く場合は、腐食しにくい材質を選ぶなど、将来のメンテナンスを見越した素材選びも重要になります。
中庭のある家の建築費用はどれくらい?坪単価の目安
中庭のある家を建てる際、最も気になるのが建築費用でしょう。
建物の形状が複雑になるため、一般的な住宅よりも価格は高くなる傾向にあります。
具体的な坪単価は、中庭の形状や規模、採用する建材のグレードによって大きく変動しますが、事前に費用の目安や考え方を把握しておくことが、無理のない資金計画を立てる上で重要です。
建築費は一般的な住宅より高くなる可能性
中庭のある家の建築費用は、同規模の一般的な住宅と比較して高くなるのが通常です。
理由として、建物の凹凸が増えることによる外壁面積の増加、基礎工事の複雑化、中庭に面する窓の増加などが挙げられます。一概には言えませんが、建築費用は10〜20%程度割高になると考えておくとよいでしょう。
価格を抑えるには、比較的シンプルなL字型にする、中庭に面する窓の数を絞るなどの工夫が考えられます。
中庭は固定資産税の課税対象になる?
固定資産税は、建物の床面積を基に算出されます。
屋根のない吹き抜けの中庭は、建築基準法上の床面積に含まれないため、原則として固定資産税の課税対象にはなりません。
これは、中庭が「屋内的な用途」に使われる空間ではないと判断されるためです。
ただし、中庭にパーゴラなどで簡易的な屋根を設置した場合や、建物と一体化したウッドデッキなどは、自治体の判断によって課税対象と見なされる可能性もあるため、事前に確認が必要です。
【形状別】中庭のある注文住宅の間取りプランと特徴
中庭のある家を成功させる鍵は、ライフスタイルに合った形状を選び、効果的な間取りを計画することにあります。
プライバシーを重視するのか、開放感を優先するのかによって、最適な形状は異なります。
ここでは、「コの字型」「ロの字型」「L字型」という3つの代表的な形状別に、具体的な間取りプランの特徴とポイントを解説します。
開放感とプライバシーを両立する「コの字型」の間取り
三方を建物で囲み、一方が外に開かれた「コの字型」は、プライベート感を確保しつつ、外とのつながりも感じられるバランスの取れた間取りです。
開かれた一辺から光や風を取り込みやすく、閉塞感が少ないのが特徴。
リビングやダイニングを中庭に面して配置すれば、内と外が一体化した開放的な空間が生まれます。
開口部の向きを隣家の窓や道路からずらすことで、プライバシーをさらに高める工夫が可能です。
完全なプライベート空間を実現する「ロの字型」の間取り
四方を完全に建物で囲んだ「ロの字型」は、外部からの視線を完全にシャットアウトできるため、最もプライバシー性の高い間取りです。
都会の住宅密集地でも、カーテンなしで過ごせるほどのプライベート空間を実現できます。
ただし、採光や通風の計画が不十分だと、光が届きにくく、湿気がこもりやすくなるため注意が必要です。
大きな窓や吹き抜け、ガラスの壁などを採用し、開放感を演出する設計力が求められます。
光とプライバシーを両立した中庭のある平屋については「中庭のある平屋事例」で詳しく紹介しています。
限られた土地でも設置しやすい「L字型」の間取り
建物をL字に配置して二面で中庭を囲む「L字型」は、比較的コンパクトな敷地でも取り入れやすい間取りです。コの字型やロの字型よりは建築費を抑えられます。二方が外に開けているため開放感がありますが、プライバシー性はやや低くなります。そのため、道路や隣家からの視線を考慮し、フェンスや植栽で目隠しをするといった工夫が重要です。
理想の中庭を実現するための家づくりプラン作成サービス
中庭のようなこだわりの間取りを実現するには、一つの会社の提案だけでなく、複数のハウスメーカーから多角的なプランを比較検討することが成功への近道です。
家づくりプラン作成サービスを利用すれば、自宅にいながら複数の会社から、あなたの要望に基づいたオリジナルの間取りプランや資金計画を取り寄せることができます。
各社のアイデアや強みを比較することで、より理想に近い家づくりが可能になります。
複数の会社から家づくりプランを取り寄せるサービスについては「家づくりプラン作成サービス」で詳しく紹介しています。
注文住宅で中庭づくりに失敗しないための5つのポイント
憧れの中庭を設けたものの、「思ったように活用できなかった」「メンテナンスが大変」といった後悔の声も少なくありません。
理想の暮らしを実現するためには、デザインだけでなく、実用面や将来のことも見据えた計画が不可欠です。
ここでは、中庭づくりで失敗しないために押さえておきたい5つの重要なポイントを解説します。
どんな目的で中庭を使いたいか明確にする
中庭づくりを始める前に、「何のために中庭を使いたいのか」という目的を家族で話し合い、明確にすることが最も重要です。
「バーベキューを楽しみたい」「子どもの遊び場にしたい」「洗濯物を干すスペースとして活用したい」「ただ眺めて癒されたい」など、目的によって必要な広さや設備、床の素材などが変わってきます。
目的がはっきりしていれば、設計の方向性が定まり、無駄のない計画が立てられます。
水道設備やコンセントの設置を検討する
中庭の使い勝手を格段に向上させるのが、水道設備と外部コンセントです。
水道があれば、植物への水やりはもちろん、子どもの水遊びや中庭の掃除が格段に楽になります。
また、コンセントがあれば、夜間に照明を楽しんだり、ホットプレートで食事をしたりと、活用の幅が大きく広がります。
これらの設備は後から設置すると費用が高くつくため、設計段階で忘れずに計画に盛り込むことが大切ですす。
排水計画と虫対策を万全にする
屋根のない中庭では、雨水の排水計画が非常に重要です。
水はけが悪いと水たまりができ、建物の劣化を早めたり、湿気によってカビやコケが発生したりする原因になります。
また、水たまりは蚊などの害虫の発生源にもなります。
床面に適切な勾配をつけ、排水溝を設けるなど、しっかりとした排水計画を立てましょう。
落ち葉が詰まりにくい排水溝を選ぶなど、メンテナンスのしやすさも考慮することがポイントです。
窓の配置や種類を工夫して断熱性を確保する
中庭を設けると窓の数が多くなるため、外気の影響を受けやすくなり、断熱性が低下する可能性があります。
特に冬場は「中庭のある家は寒い」と感じることがあるため、窓の性能にはこだわりたいところです。
断熱性の高いペアガラスやトリプルガラス、熱を通しにくい樹脂サッシなどを採用することで、快適な室温を保ちやすくなります。
また、夏の日差しを遮るために、軒や庇を設ける、Low-Eガラスを選ぶといった工夫も有効です。
将来のメンテナンスのしやすさを考えておく
中庭は作った後も長く使い続ける空間です。
将来的なメンテナンスの負担を減らすために、設計段階から工夫しておくことが重要です。
例えば、ウッドデッキを設置するなら、定期的な塗装が不要な人工木や、耐久性の高いハードウッドを選ぶと手間が省けます。
植栽を計画する際は、落ち葉が少なく、手入れが簡単な樹種を選ぶと良いでしょう。
掃除のしやすさも考慮し、床材やデザインを決める視点が大切です。
中庭のある注文住宅に関するよくある質問
中庭のある家を検討するにあたり、多くの人が同じような疑問や不安を抱えています。
ここでは、断熱性や固定資産税、適切な広さなど、特によく寄せられる質問について、簡潔に解説します。
計画を進める上での参考にしてください。
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中庭のある家は寒いと聞きましたが本当ですか?
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窓が増える分、断熱対策が不十分だと外気の影響を受けやすく、冬は寒く夏は暑く感じることがあります。
しかし、断熱性能の高いサッシや複層ガラスを採用したり、床暖房を設置したりすることで対策は可能です。
設計段階で断熱計画をしっかりと行うことが、一年中快適に過ごせる家づくりの鍵です。 -
注文住宅に中庭を設けると固定資産税は上がりますか?
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屋根のない中庭は、建築基準法上の「床面積」に含まれないため、原則として固定資産税の課税対象にはなりません。
そのため、中庭を設けたこと自体が直接的に固定資産税を上げる要因にはなりにくいです。
ただし、自治体の判断によっては、建物と一体化したウッドデッキなどが課税対象となる場合もあるため、事前に確認することをおすすめします。 -
快適に過ごせる中庭の広さは何坪くらいが目安ですか?
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目的によって異なりますが、家族でくつろぐテーブルセットを置く場合、一般的に10畳以上の広さがあればゆとりをもって配置できるでしょう。リビングダイニング全体で考えるなら、12畳から17畳程度が程良いとされています。
6坪以上あれば、子どもの遊び場や家庭菜園など、より多目的に活用できます。
どの程度の広さが必要か、どんな風に使いたいかをハウスメーカーに伝え、間取りの中で最適なサイズを検討することが重要です。
あなただけの家づくりプランで理想の中庭を
理想の中庭を実現するためには、信頼できるパートナーとなるハウスメーカー・工務店を見つけることが不可欠です。
しかし、数ある会社の中から自分に合った一社を探し出すのは大変な作業です。
そこで、複数の会社から一度に家づくりプランを取り寄せられるサービスを活用することで、効率的に比較検討を進めることができます。
ネットで一度に複数社のプランを比較検討できる
住宅展示場に足を運ぶ時間がなくても、インターネットを使えば、簡単な入力だけで複数のハウスメーカー・工務店に一度にプラン作成を依頼できます。
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それぞれの会社のデザインや提案力を見比べることで、自分たちの理想を形にしてくれる会社が見つかります。
土地探しから資金計画までトータルで相談可能
家づくりは、間取りだけでなく土地探しや資金計画など、考えるべきことが多岐にわたります。
家づくりプラン作成サービスでは、土地を持っていない方への土地探しサポートから、無理のない資金計画の立案まで、家づくり全体をトータルで相談できる会社と出会えます。
専門家のアドバイスを受けながら進めることで、安心して理想の住まいを実現できます。
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まとめ
注文住宅における中庭は、採光やプライバシー確保といった機能的なメリットに加え、日々の暮らしに豊かさをもたらす魅力的な空間です。
一方で、建築費用や生活動線、メンテナンスなどのデメリットも存在するため、事前の計画が成功の鍵を握ります。
中庭を設ける目的を明確にし、メリット・デメリットを十分に理解した上で、自分たちのライフスタイルに合った形状や間取りを選ぶことが重要です。
信頼できるハウスメーカーに相談し、複数のプランを比較検討しながら、後悔のない理想の中庭を実現してください。
この記事の編集者
メタ住宅展示場 編集部
メタ住宅展示場はスマホやPCからモデルハウスの内覧ができるオンライン住宅展示場です。 注文住宅の建築を検討中の方は、時間や場所の制限なくハウスメーカー・工務店を比較可能。あなたにヒッタリの家づくりプランの作成をお手伝いします。 注文住宅を建てる際のノウハウなどもわかりやすく解説。 注文住宅でわからないこと、不安なことがあれば、ぜひメタ住宅展示場をご活用ください。
運営会社:リビン・テクノロジーズ株式会社(東京証券取引所グロース市場)




