お風呂は毎日のように使っている身近な空間です。
しかし、注文住宅を建てる際は、浴室のサイズや浴槽、断熱性能、オプションなど選択肢が多く、「何を基準に選べばいいのか分からない」と感じる人も少なくありません。
標準仕様とオプションの違いや、メーカーごとの特徴を十分に理解しないまま打ち合わせを進めてしまうと、住み始めてから「思っていたのと違った」と後悔につながるケースもあります。毎日使う場所だからこそ、なんとなくの印象や流れで決めてしまうのは避けたいところです。
お風呂は、単に体を洗うための場所ではなく、心身の疲れをリセットする大切な場所でもあります。だからこそ、家族構成や暮らし方を軸に考え、本当に心地よいお風呂を選べるようになりましょう。
もくじ
注文住宅のお風呂で決めるべき基本項目
注文住宅のお風呂を決める際、「メーカー任せ」「標準仕様で十分」と進めてしまうと、後から違和感や不満が出やすくなります。
お風呂には浴室や浴槽のサイズや素材、照明や鏡など、選定のポイントがいくつもあり、それぞれが独立しているようで実は使い勝手に大きく影響するからです。
ここでは、打ち合わせの中で最低限押さえておきたい基本項目を整理していきます。どこまでこだわるべきか、何を優先して決めるべきかを把握しておくことで、不要なオプションを避けつつ、自分たちの暮らしに合ったお風呂を選びやすくなります。
浴室のサイズ
ユニットバス(システムバス)は、自由に寸法を決められるわけではなく、あらかじめ規格化されたサイズ(規格サイズ)の中から選ぶのが基本です。
そのため、お風呂の広さは「何となく広めに」「標準で」と感覚的に決めるのではなく、どのサイズが自分たちの暮らしに合っているのかを理解したうえで選ぶことが重要になります。使い勝手や快適性、他の間取りへの影響、コストまで変わってくるため、代表的なサイズごとの特徴を押さえておきましょう。
| サイズ(内寸) /坪目安 |
適した生活スタイル | 選ばれやすい場面 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 1216(120×160cm) /約0.75坪 |
1〜2人中心 (省スペース優先) |
洗面・脱衣を広くしたい、浴室は最小でOK | 施工面積を抑えやすい・シンプル(洗い場がタイト/親子入浴は窮屈) |
| 1317(130×170cm) /約0.75〜1坪 |
2〜3人家族 (“少しゆとり”が欲しい) |
賃貸→戸建てで「狭すぎは避けたい」 | 1216より取り回しやすい(1坪に比べるとゆったり感は限定的) |
| 1418(140×180cm) /1坪前後 |
ファミリーの標準ライン | 標準仕様で提案されやすいサイズ帯 | 洗い場と浴槽のバランスが良い(1616よりはコンパクトに感じる場合あり) |
| 1616(160×160cm) /1坪 |
ファミリー全般 (迷ったら基準) |
1616が標準の住宅会社も多い/子どもと入る時期を想定 | 正方形で動きやすく選択肢が豊富(脱衣室との面積調整が必要) |
| 1618(160×180cm) /1〜1.25坪 |
3〜4人家族 入浴頻度が高い |
洗い場の“余裕”を重視したい | 奥行が増えゆとりが出やすい(他の間取りを圧迫しやすい) |
| 1620(160×200cm) /約1.25坪 |
子どもと並んで洗いたい 介助・将来の安心も重視 |
家族が多い・広さ優先、ゆったり入浴 | 洗い場に余裕・設備の選択肢が広い(面積・コスト増/掃除範囲増) |
「1616」「1620」といった表記は、浴室内部のおおよその幅と奥行きを示しており、多くの住宅会社やメーカーでは、この規格サイズを前提にプランが組まれています。
上記の表を見ると分かるように、浴室サイズには「広ければ快適」「小さければ不便」といった単純な正解はありません。誰が・いつ・どのように使うのかを具体的に想定したうえで、サイズを選ぶことが重要になります。
また、浴室の大きさは洗い場の広さだけでなく、浴槽の大きさや形状にも影響します。
ユニットバスの場合、浴室サイズごとに適した浴槽があらかじめ設計されていることが多いため、浴室が決まると浴槽もそのサイズに見合ったものから選ぶ形になります。
そのため、浴槽のゆとりや入り心地を重視したい場合は、浴槽単体ではなく、浴室全体のサイズから検討することが欠かせません。
浴槽の形状・素材
浴槽の素材は、見た目の好みだけでなく「掃除のしやすさ」「劣化の仕方」「将来のメンテナンス」まで影響する要素です。
標準仕様とオプションの差がでやすい部分でもあるため、価格だけで判断せず、毎日使う前提で比較することが大切です。
| 素材 | 特徴・注意点 | 向いている人 |
|---|---|---|
| FRP (繊維強化プラスチック) |
|
コスト重視/標準仕様で十分と考える人 |
| 人工大理石 (アクリル系・ポリエステル系) |
|
見た目と手入れのしやすさを両立したい人 |
| 人造大理石 (クォーツ系など) |
|
耐久性と質感を重視したい人 |
| ホーロー |
|
保温性や掃除のしやすさを優先したい人 |
| ステンレス |
|
耐久性最優先で割り切りたい人 |
| 木製(ヒノキなど) ※一部メーカー |
|
デザイン性・癒しを最重視したい人 |
浴槽は体が直接触れる設備であり、毎日の入浴体験を左右する要素です。価格やカタログ写真だけで判断せず、掃除・耐久性・将来のメンテナンスまで含めて比較することで、自分たちの暮らしに合った素材を選びやすくなります。
断熱性能・暖房換気乾燥機の有無
浴室の快適さを大きく左右する要素として、断熱性能と暖房換気乾燥機の有無も見逃せません。
見た目や広さに比べると後回しにされがちですが、実際に住み始めてから「つけておけばよかった」と感じやすいポイントでもあります。断熱性能が低い浴室は、冬場に床や壁が冷えやすく、入浴時の寒さを強く感じてしまいます。特に脱衣室との温度差が大きいと、体への負担が増え、ヒートショックのリスクも高まります。
特に、浴槽や床、壁に断熱仕様が施されているかどうかは、快適性だけでなく、安全面にも関わる重要な判断材料です。
また、暖房換気乾燥機は、寒い時期に浴室を事前に暖められるだけでなく、湿気を効率よく排出し、カビの発生を抑える役割もあります。洗濯物を干せる点に注目されがちですが、実際には「冬場でも快適に入浴できるか」「掃除の手間を減らせるか」といった日常の使い勝手に直結します。
ただし、暖房換気乾燥機は設置コストや電気代もかかるため、全員にとって必須とは限りません。地域の気候や入浴時間帯、家族構成によって必要性は変わります。断熱性能とあわせて、自分たちの暮らし方に本当に必要かどうかを見極めたうえで選ぶことが、後悔を防ぐポイントです。
デザインや収納などの付帯要素
浴室のデザインや収納といった付帯要素は、打ち合わせの終盤で「せっかくだから」と追加しやすい項目です。
ただし、見た目と実際の使い勝手とのズレが起こりやすいポイントでもあるので注意が必要になります。例えば、アクセントパネルや間接照明は、入浴時の雰囲気を高めてくれますが、掃除の手間や汚れの目立ち方まで含めて考えておく必要があります。
また、鏡やカウンター、棚などの収納も、多ければ便利とは限りません。使わない備品を置く場所が増えることで、水垢やカビの掃除が増えてしまうケースもあります。そのため、必要な場所に、必要な分だけ設ける意識が大切です。
注文住宅のお風呂は思っている以上に暮らしに影響する
お風呂は毎日の疲れを癒す場所であると同時に、家族全員が使い続ける生活動線の一部でもあり、選び方次第で暮らしやすさや満足度に大きな差が生まれます。
浴室の広さや寒さ対策、掃除のしやすさといった要素は、住み始めてから初めて「想像以上に影響が大きい」ことに気づくケースも多いです。しかも、お風呂は完成後に簡単にやり直せない設備だからこそ、後回しにせず、暮らし全体との関係から考えることが重要です。
家族全員が使うため使い勝手の影響が大きい
注文住宅のお風呂は、家族の誰か一人のための空間ではなく、全員が毎日使う共有スペースです。
そのため、使い勝手の良し悪しは、家族それぞれの満足度に直結します。
例えば、子どもと一緒に入浴する時期は洗い場の広さや滑りにくさが重要になりますし、高齢の家族がいる場合や将来を見据えるなら、またぎやすい浴槽や出入りのしやすさも無視できません。家族構成やライフステージによって求められる条件は変わるため、「今の使いやすさ」だけでなく、「これからの使いやすさ」を想定してお風呂を選ぶことが大切です。
後から変更しにくく生活への影響が長く続く
お風呂は、注文住宅の中でも完成後に変更しにくい設備のひとつです。
浴室のサイズや位置はもちろん、給排水や換気、断熱の仕様まで建物全体と密接に関わるため、住み始めてから「やっぱり変えたい」と思っても簡単には対応できません。仮にリフォームで手を入れる場合でも、費用や工期の負担は大きくなりがちです。
その結果、不満を感じながらも我慢して使い続けるケースも少なくありません。お風呂は毎日の生活に欠かせない空間だからこそ、最初の選択がその後の暮らしに長く影響し続けることを意識しておく必要があります。
注文住宅のお風呂で後悔しやすいポイント
注文住宅では細かい部分まで自由に決められる分、「選んだつもり」でも住み始めてから違和感に気づくケースが少なくありません。
ここでは、注文住宅のお風呂でよく聞かれる後悔ポイントを整理し、なぜそう感じてしまうのかを解説します。事前に知っておくことで、判断の軸を持ちやすくなります。
思っていたより浴室が狭く感じてしまう
図面上では十分に見えていた浴室でも、実際に使い始めると「思ったより窮屈だった」と感じることがあります。特に、洗い場で体を動かしたときや、家族と同時に使う場面で、その差を実感しやすくなります。
ただし、利用人数が少ない場合は、必ずしも広さだけが満足度を左右するわけではありません。無理に大きなサイズを選ぶよりも、動きやすさや掃除のしやすさを優先した方が、結果的に使いやすいケースもあります。
一方、子どもと一緒に入浴する時期がある家庭では、滑りにくさや洗い場の余裕が重要になります。将来、一人で入浴するようになるまでの期間を想定し、どのタイミングで不便を感じやすいかを考えておくことがポイントです。
冬場の寒さや温度差を想定していなかった
入居後に多い後悔のひとつが、「冬のお風呂が思った以上に寒い」という声です。浴室自体の寒さだけでなく、脱衣室との温度差によって不快感や不安を感じるケースもあります。
打ち合わせ時は季節的にイメージしづらく、断熱仕様や暖房設備を深く検討しないまま進んでしまうことも少なくありません。
しかし、冬場の入浴は毎日のことだからこそ、快適性や安全性への影響が積み重なりやすいポイントです。
掃除や手入れの負担が想像以上に大きかった
浴室は「広い方が良い」「設備が多い方が便利」と考えがちですが、その分、掃除の範囲や手間も増えていきます。入居後に、床や壁の汚れ、棚やカウンター周りの水垢が気になり、想像以上に掃除が大変だと感じるケースもあります。
特に、凹凸の多い床材や、使わない収納・カウンターは、掃除の負担だけが残りやすい要素です。見た目や便利そうという理由だけで選ばず、日々の手入れまで含めて考えることが重要です。
使わないオプションにお金をかけてしまった
浴室のオプションは、「せっかくだから」「後から付けられないから」と勧められ、必要以上に追加してしまいやすい項目です。その結果、実際にはほとんど使わず、コストだけがかさんでしまったと感じることもあります。
一方で、段差の少なさや出入りのしやすさといった要素は、今すぐ必要なくても、将来的に効いてくる場合があります。すべてを削るのではなく、将来の変化に対応できる余地をどこに残すかという視点で取捨選択することが、後悔を減らす考え方です。
注文住宅のお風呂選びに迷ったら家づくりプランで条件を整理
注文住宅のお風呂選びに悩んだとき、サイズや仕様の優先順位を自分たちだけで整理するのは意外と難しいものです。
何が必要で、何が不要か、どの選択肢が自分たちの暮らしに合っているのかは、具体的な生活をイメージしないと判断しにくいのが現実です。そんなときは、メタ住宅展示場の「家づくりプラン」を活用するのも有効な方法です。メタ住宅展示場の「家づくりプラン」では、土地の提案、間取りプラン、資金計画まで含めたオリジナルプランを無料で作成してもらえます。
また、複数の建築会社から提案を受け取ることができ、比較しながら自分たちの優先順位を整理できるため、お風呂だけでなく家づくり全体のバランスを取る判断がしやすくなります。
展示場に足を運ばずともネットから一括でプラン請求できるため、忙しい人や子育て中の家庭でも気軽に利用できます。複数社の提案を並べて比較することで、標準仕様とオプションの違いや、予算に見合った設備選びの基準が明確になり、後悔の少ない家づくりにつながります。
お風呂選びに迷ったときこそ、一度立ち止まり、条件を言語化して優先順位を明確にすることが大切です。家づくり全体の中で整理することで、自分たちに合ったお風呂のかたちが自然と見えてきます。
この記事の編集者
メタ住宅展示場 編集部
メタ住宅展示場はスマホやPCからモデルハウスの内覧ができるオンライン住宅展示場です。 注文住宅の建築を検討中の方は、時間や場所の制限なくハウスメーカー・工務店を比較可能。あなたにヒッタリの家づくりプランの作成をお手伝いします。 注文住宅を建てる際のノウハウなどもわかりやすく解説。 注文住宅でわからないこと、不安なことがあれば、ぜひメタ住宅展示場をご活用ください。
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