一条工務店とセキスイハイムは、どちらも住宅性能の高さで知られる大手ハウスメーカーです。
そのため「性能重視なら一条工務店?」「耐震性ならセキスイハイム?」といった情報を目にしつつも、実際には何を基準に選べばよいのか分からず、比較に迷っている方も多いのではないでしょうか。
両社は似た価格帯・高性能住宅という共通点がある一方で、性能の考え方や標準仕様、家づくりの進め方には明確な違いがあります。違いを理解しないままイメージや口コミだけで判断すると、「思っていた家と違った」と感じてしまう可能性もあります。
この記事では、一条工務店とセキスイハイムを検討している方に向けて、比較の際に押さえておきたい判断基準と、両社で違いが出やすいポイントを整理しながら解説します。性能・価格・考え方の違いを冷静に整理することで、自分たちに合ったハウスメーカー選びにつなげていきましょう。
もくじ
ハウスメーカーの比較で押さえておきたい判断基準
注文住宅を選ぶ際、ハウスメーカーごとの特徴を把握することは重要ですが、情報量が多くなるほど比較軸がぶれやすく、見積もりや仕様の違いに振り回されがちです。
そこで、比較の際に押さえておきたい判断基準を明確にしておくことが大切です。特に「建築費」と「住宅に求める優先順位」の2点に注目することで、後悔のない住宅選びにつながります。
建築費の比較は延べ床面積を揃える
建築費を比較するには、坪単価だけで判断せず、必ず延べ床面積や標準仕様を揃え、総額ベースで比較することが大切です。
坪単価は分かりやすい指標ですが、ハウスメーカーごとに含まれる設備や仕様条件が異なるためです。単純に比較すると誤解を招きやすくなります。
たとえば、A社では断熱性能や標準設備がすべて本体工事費に含まれているのに対し、B社では同等の性能を得るためにオプション追加が必要になる場合があります。
その結果、坪単価が安く見えても、延べ床面積や仕様の差によって総額は高くなることがあります。
付帯工事費・外構費を含めないと実際の建築費は見えない
付帯工事費や外構費が別途発生する場合もあり、これらを含めずに比較すると実際のコストが見えなくなります。
| 項目 | A社 | B社 |
|---|---|---|
| 延べ床面積 | 30坪 | 34坪 |
| 本体工事費 | 3,000万円 | 3,230万円 |
| 坪単価 | 100万円 | 約95万円 |
| 標準仕様 | 高断熱・高気密、キッチン・浴室設備込み | 標準仕様はやや簡易、設備の一部はオプション |
| オプション費用 | なし(標準仕様で十分) | 200万円(断熱・設備追加) |
| 外構・付帯工事費 | 200万円(庭・駐車場込み) | 250万円(別途見積) |
| ランニングコスト | 年約10万円(省エネ性能高) | 年約15万円(省エネ性能低め) |
| 総額 | 3,200万円 | 3,680万円 |
上記のように、坪単価だけを見るとB社が安く見えても、総額では大きな差が出るケースがあります。
正確に比較するには、まず同じ延べ床面積で部屋数や間取りを揃え、標準仕様や設備条件も同じ前提で見積もりを並べることが重要です。
延べ床面積のわずかな差でも数十万~百万円単位の差が出ることがあるうえ、階段の広さや収納の数など、間取りに違いがある場合、単純に坪単価だけで比較すると見かけ上の安さに惑わされる可能性があります。
さらに、建築費を比較する際には、坪単価だけにとらわれず、オプション費用、外構費、などを総合的に確認することが不可欠です。
こうすることで、価格だけでなく性能や居住性、コストパフォーマンスを総合的に判断でき、各ハウスメーカーの特徴やコスト構造も理解しやすくなります。
最終的に、延べ床面積を揃えた比較は、住宅選びで後悔しないための基本であり、冷静で納得感のある選択につながることでしょう。
注文住宅に何を求めるか、優先順位を整理しておく
注文住宅を選ぶ際は、住宅に求める要素の優先順位を整理しておくことが、ハウスメーカーの比較で押さえておきたい判断基準のひとつです。
住宅は、単に建物を購入するものではなく、家族の生活や将来のライフスタイルに直結する重要な資産です。
そのため、性能やデザイン、間取りの自由度、予算、ランニングコストなど、何を重視するのかを事前に明確にしておく必要があります。多くのハウスメーカーから情報を集めると、それぞれの提案が魅力的に見え、つい「どれも良い」と判断に迷いが生じやすくなります。
しかし、比較の前に自分たちの価値観や生活スタイルに沿った優先順位を整理することで、情報に振り回されず冷静に比較判断できます。
性能重視か、設計自由度重視かで選び方は変わる
住み心地や健康面を重視する場合は、家の基本性能に直結する以下の項目を最優先に考えて、標準仕様で高性能を提供する住宅会社を選ぶことが向いています。
- 断熱性
- 気密性
- 省エネ性能
一方で、外観デザインや内装の質感、間取りの自由度を最重視する場合は、設計の自由度が高く、家族のライフスタイルや希望に応じたオリジナルプランを柔軟に実現できる住宅会社を選ぶことが適しています。
このように、優先順位を整理して比較軸を明確にしておくことで、営業担当者の印象や口コミ、広告などに左右されず、冷静かつ客観的に各社を比較することができます。
家族全員の希望や生活スタイルを踏まえて整理しておくと、打ち合わせやオプション選定の際にも迷う時間を減らせ、効率的に家づくりを進められるでしょう。
一条工務店とセキスイハイムの違いが出るポイント
一条工務店とセキスイハイムは、どちらも高品質な注文住宅を提供する大手ハウスメーカーですが、住宅性能や標準仕様、工法や設備においてそれぞれ特徴があります。
どちらが自分に合うかを判断するには、価格だけでなく、断熱性や耐震性、工場生産の品質安定性なども踏まえて比較することが重要です。ここでは、両社の住宅で違いが出やすいポイントについて紹介します。
断熱性と床暖房による快適性に強い一条工務店
断熱性と全館床暖房による住宅の快適性を重視するなら、一条工務店がおすすめです。
一条工務店は住宅性能、とくに断熱性と気密性に強く力を入れており、「外内ダブル断熱構法」を採用しているのが最大の特徴です。

この構法では壁の内側と外側の両方に断熱材を配置することで、外気の影響を大幅に遮断し、冬は暖かく夏は涼しい住環境を実現します。
壁内部の温度差が小さくなることで結露の発生も抑制され、年間を通して室温が安定し、部屋ごとの温度差も少なくなる特徴があるのです。
さらに、一条工務店では全館床暖房が標準仕様となっており、リビングや寝室だけでなく廊下やトイレに至るまで均一に暖まるため、どこにいても家族全員が快適に過ごせる環境が整います。

また、高性能断熱材と複層ガラスの組み合わせにより冷暖房効率が高く、省エネ性にも優れています。
その結果、光熱費を抑えつつ快適な生活が可能となり、長期的なランニングコストの面でもメリットがあります。
標準仕様だけでこれらの性能を確保できるため、オプション追加の必要がなく、初期費用の透明性も高く、計画的に快適な暮らしを実現できます。快適性や断熱性能、長期的なコスト削減を重視する方には、一条工務店が向いているハウスメーカーと言えるでしょう。
耐震性が強みのセキスイハイム
耐震性を重視するなら、セキスイハイムの住宅がおすすめです。セキスイハイムは、独自の耐震システム「GAIASS」を採用しており、地震エネルギーを粘りで吸収するユニット構造体と、高性能外壁を組み合わせて揺れを大幅に軽減します。
この構造は、9cm角の木材を用いた従来の耐力壁(壁倍率3.0)と比べても優れた強度を持ち、外壁と構造体を固定する「デイジーリベットプラス」と呼ばれる特殊金具により、地震の揺れが住宅全体に伝わる前に吸収される設計です。
さらに外壁に付帯するスプリングジョイントが、ばねのような働きで地震力を柔軟に吸収するため、建物の損傷を最小限に抑えることができます。これにより、建築基準法の1.5倍にあたる耐震等級3を標準でクリアし、倒壊や重大な損傷を防ぐことができる特徴があるのです。
加えて、ボックスラーメン構造体を採用することで建物全体の荷重が均一に分散され、ユニット工法による工場生産の精密な施工も耐震性の安定化につながっているのです。
これらの仕組みにより、地震への強さと長期的な安全性が標準仕様で確保されており、安心して暮らせる住宅として高く評価されています。耐震性の高さは災害時の安全性だけでなく、資産価値や住宅の耐久性にもつながるため、長期的な視点で住宅選びを考える方に適した選択肢と言えるでしょう。
参考:TECHNOLOGY 01 強さの理由:構造体|住まいの性能|セキスイハイム
標準仕様の完成度が高い一条工務店
標準仕様の完成度の高さを優先する方は、一条工務店がおすすめです。
もちろんセキスイハイムも標準仕様の完成度が高いですが、一条工務店では、断熱性や高気密構造、全館床暖房といった住宅性能の基本がすべて標準仕様に組み込まれており、オプション追加なしで快適な住環境を実現できます。
外内ダブル断熱構法により、外壁と内壁の両方に断熱材を配置することで冬は暖かく夏は涼しい室内温度を保ち、部屋ごとの温度差も最小限に抑えられます。
さらに高気密構造により空気の流れを最適化できるため、冷暖房効率も高く、なおかつ全館床暖房が標準で設置されているため、リビングだけでなく廊下や各部屋まで温度差が少ない特徴があります。
さらに、高性能サッシや断熱材の組み合わせにより遮音性も高く、静かで落ち着いた住環境を提供します。
このような高性能仕様が標準で用意されているため、住み始めてから追加費用を気にせず計画的に生活できる点は、性能重視の方にとっては、一条工務店が向いていると言えるでしょう。
工場生産による品質の安定性に優れるセキスイハイム
工場生産による品質の安定性こそが、セキスイハイムの家づくりを支える中核的な強みです。
セキスイハイムでは一生モノの家を提供するため、屋根のある精緻化・精錬化された工場で住まいの大半を生産しています。
ボックスラーメン構造体は現場では扱えない約2万アンペアの電流を用いて強固に溶接され、大型機械によるミリ単位の精度で組み立てられます。これにより、施工者の技量や天候に左右されやすい現場施工と比べ、構造強度や精度のばらつきを大幅に抑えることができるのです。
セキスイハイムは、構造体生産工程の自動化率は2023年度時点で86%に達しており、ロボットと人による両輪の体制でヒューマンエラーを防止しています。
また、工程ごとに専任の作業者を配置し、マイスター制度によって技術力を継続的に高める仕組みも整えられているのです。
さらに、雨風を完全に遮断できる工場内で生産することで、躯体や部材を湿気から守り、高気密・高耐久な性能を安定して確保できます。
約25000点に及ぶ部材のトレーサビリティ管理や検査記録のデジタル化も、設計通りの家づくりを実現する重要な要素です。
もちろん一条工務店も標準仕様の完成度は高いですが、セキスイハイムは工場生産を徹底することで、品質の再現性と長期的な安心感において特に優れた住宅を提供しています。
一条工務店とセキスイハイムを比較する際の注意点
一条工務店とセキスイハイムはいずれも住宅性能や品質の高さに定評があるハウスメーカーですが、強みの方向性や考え方には違いがあります。
表面的な価格やイメージだけで比較すると、契約後に想定とのズレを感じることも少なくありません。
比較時には、事前に確認すべきポイントを整理し、自分に合った判断軸を持つことが重要です。ここでは、一条工務店とセキスイハイムを比較する際に注意しておきたい点について紹介します。
標準仕様とオプションの範囲を必ず確認する
双方を比較する際は、標準仕様とオプションの範囲を正しく把握することが重要です。
一条工務店は断熱性や設備性能が標準仕様に多く含まれている一方で、間取りや外観デザインの自由度に制約が出る場合があります。
一方、セキスイハイムも耐震性能や工場生産による品質安定性など、構造面の高性能が標準で確保されていますが、設備や内装のグレードは選択内容によって変わります。
カタログや坪単価だけを見ると同程度に感じても、実際に含まれている仕様の中身は大きく異なるものです。
たとえば床暖房、太陽光発電、蓄電池、サッシ性能などは、どこまでが標準で、どこからが追加費用になるのかを細かく確認する必要があります。
また、オプション費用は後から積み上がりやすく、当初の予算計画に影響を与えがちです。見積書では金額だけでなく、何が含まれていて何が含まれていないのかを文章レベルで確認して比較しましょう。
双方の標準仕様の考え方の違いを理解したうえで比較することで、完成後の満足度に大きな差が生まれにくくなることでしょう。
営業担当や口コミの印象に引っ張られすぎない
営業担当や口コミの印象に左右されすぎないことも、冷静な比較には欠かせません。
一条工務店とセキスイハイムはいずれも全国展開しているため、営業スタイルや説明の仕方には個人差があります。
説明が分かりやすい、対応が早いといった点は安心材料になりますが、それだけで住宅性能やコスト構造まで優れているとは限りません。
また、口コミや評判はあくまで特定条件下での体験談であり、敷地条件や家族構成、建築時期が違えば評価も変わります。
特に両社は住宅性能が高い分、細かな仕様差や設計思想の違いが住み心地に影響します。
そのため、第三者の評価よりも、自分が重視する優先順位と合致しているかを基準に判断することが重要です。
具体的には、断熱性、耐震性、将来のメンテナンス、間取りの自由度、初期費用とランニングコストのバランスなどを整理し、客観的な資料で比較する姿勢が求められます。
感覚的な印象に頼らず、数字や仕様を軸に判断することで、後悔の少ない選択につながります。
比較で迷ったときは「家づくりプラン」で比較
一条工務店とセキスイハイムのように、どちらも性能や品質のレベルが高いハウスメーカー同士を比較する場合、情報を集めるほど判断が難しくなることがあります。
仕様や考え方の違いは理解できても、「自分たちの場合はどちらが合うのか」が整理できず、迷ってしまうケースも少なくありません。
そうしたときに有効なのが、条件を揃えたうえで比較できる「家づくりプラン」を活用する方法です。
メタ住宅展示場の家づくりプランでは、延べ床面積や間取り、希望条件を揃えた状態で複数のハウスメーカーの提案を比較できるため、坪単価やイメージに左右されにくくなります。
また、標準仕様とオプションの違いや、初期費用とランニングコストの考え方なども整理しやすく、「どこにコスト差が出ているのか」「自分たちの優先順位と合っているのはどちらか」を客観的に判断できます。
一社ずつ個別に相談する前に、同じ条件でプランや見積もりの考え方を並べて確認しておくことで、比較の精度が高まり、納得感のある選択につながります。
一条工務店とセキスイハイムで迷っている方こそ、こうした仕組みを活用しながら、自分たちに合った家づくりを整理してみてはいかがでしょうか。
この記事の編集者
メタ住宅展示場 編集部
メタ住宅展示場はスマホやPCからモデルハウスの内覧ができるオンライン住宅展示場です。 注文住宅の建築を検討中の方は、時間や場所の制限なくハウスメーカー・工務店を比較可能。あなたにヒッタリの家づくりプランの作成をお手伝いします。 注文住宅を建てる際のノウハウなどもわかりやすく解説。 注文住宅でわからないこと、不安なことがあれば、ぜひメタ住宅展示場をご活用ください。
運営会社:リビン・テクノロジーズ株式会社(東京証券取引所グロース市場)




