ハウスメーカーのモデルルームや販売されている建売住宅に宿泊体験をできることがあります。宿泊体験は住み心地や周辺環境を確認でき、購入するかどうかの大きな判断材料となります。
しかし、モデルルームの宿泊体験はすべてのポイントを把握できるわけではありません。場合によっては参考にならないこともあるため、注意が必要です。
もくじ
購入前にモデルルームの宿泊ができる
家を購入する前にモデルルームに宿泊ができます。モデルルームの宿泊体験における料金やタイミング、依頼方法について解説します。
料金は無料
モデルルームの宿泊体験は原則無料です。冷蔵庫に入っているお酒やジュースも自由に飲むことができ、モデルルームによっては化粧水などのアメニティを持ち帰ることもできます。
モデルルームに宿泊する際の電気やガスの料金も基本的には、ハウスメーカーが負担するため、費用を気にする必要もありません。
宿泊体験をするタイミング
宿泊体験をするタイミングは、「注文住宅を建てるハウスメーカーを探している」場合と「宿泊体験をするモデルルームそのものを購入しようとしている」場合によって変わります。
ハウスメーカー選びの場合
注文住宅を建てるハウスメーカーを選定する場合、宿泊体験をしたモデルルームを購入することはありません。
この場合は、モデルルームを通じてハウスメーカーの住宅性能を確認することが目的です。そのため、宿泊体験を依頼するタイミングはハウスメーカーを選定している段階となります。
つまり、宿泊体験をしたハウスメーカーとは別の会社で家を建てる可能性を残したまま宿泊体験をすることになります。
建売住宅の場合
建売住宅のモデルルームの宿泊体験は、まさにモデルルーム自体を購入するかどうかを決めることが目的です。
そのため、宿泊体験を通じて得た情報は、そのままのちの生活へ活かされます。
購入前に宿泊体験をすることで、大きな失敗をすることなく家を購入できるため、モデルルームを購入するための宿泊体験は非常に有効といえるでしょう。
宿泊体験の申し込み方法
宿泊体験の申し込みは、電話やWebなどでハウスメーカーに直接します。
人気のモデルルームとなると宿泊体験ができる日は何カ月も先になってしまうこともあります。宿泊体験は基本的に無料のため、気になったらなるべく早い段階で申し込みしましょう。
宿泊体験で参考になる点・ならない点
宿泊体験で得ることができる情報は参考になる点が多いですが、残念ながら参考にならない点もあります。そのため、せっかく予定を合わせて宿泊体験をしたのに期待外れになるケースもあります。
「参考になる点」と「参考にならない点」を事前にチェックしましょう。
参考になる点
宿泊体験では、以下のようなことが参考になります。
- 住宅設備の使いやすさがわかる
- 気密性、断熱性を体感できる
- 朝と夜の環境がわかる
住宅設備の使いやすさがわかる
いま住んでいる家よりも新しい設備が導入されているモデルルームの場合、宿泊体験することで使いやすさや性能を体験できます。
特にアイランドキッチンや床暖房、全館空調などは賃貸住宅では導入されていないため、非常に参考になるでしょう。
気密性、断熱性を体感できる
最近では省エネ住宅が主流となっており、ほとんどのハウスメーカーが高気密高断熱を謳っています。しかし、築年数が比較的新しく性能が高い賃貸住宅に住んでいると、高気密高断熱がピンとこない人も多いでしょう。そのため、実際にモデルルームに宿泊体験することで賃貸物件以上の「涼しく暖かい家」を体感できます。
このような体験は、高機能住宅を購入するメリットをより深く理解することにつながります。
朝と夜の環境がわかる
真夜中や早朝の環境を知ることができる点は、モデルルーム自体の購入を検討している人にとって大きな参考になるでしょう。
前面道路の交通量や近隣住民の生活音など、住んでみないとわからない点もあります。また、勤務先や学校まで実際にどのくらいかかるのかを計測するには、宿泊体験しそのまま目的地に向かうのが理想です。
そのため、朝と夜の環境を知りたい場合は宿泊体験がおすすめです。
参考にならない点
宿泊体験をしても参考にならない点もあり、期待外れにならないためにも次のポイントを確認しましょう。
- 設備が高価すぎると参考にならない
- 季節によっては「普通の家」になる
- 将来の環境変化まではわからない
設備が高価すぎると参考にならない
モデルルーム自体を購入せず、ハウスメーカー選びの判断材料として宿泊体験する場合には注意が必要です。
なぜならモデルルームに導入されている設備はどれも最高スペックであることが多く、実際には採用が難しい設備であるケースが多いからです。また、高気密高断熱の体感においてもハウスメーカーごとに性能は大きく異なります。
そのため、ハウスメーカー選びの場合は宿泊体験の経験が住んだあとのイメージと大きくずれる可能性があることを知っておきましょう。
季節によっては「普通の家」になる
春や秋といった比較的過ごしやすい季節に宿泊体験をした場合、床暖房や高気密高断熱のメリットを感じられず、「普通の家」になってしまう可能性があります。
そのため、夏や冬といった気温差が大きくなるシーズンに宿泊体験をすることで、その家の性能が体感できるでしょう。
将来の環境変化まではわからない
モデルルーム自体を購入する目的で宿泊体験をする場合、周辺環境の状況は大変参考にできます。
ただし、購入後に大きな建造物が目の前に建築されるなどの環境変化までは把握できません。これは宿泊体験を2度3度繰り返しても得られない情報のため、将来的に周辺環境が変化する可能性があることは知っておきましょう。
宿泊体験の行き過ぎには注意
多くのハウスメーカーが、モデルルームの宿泊体験を募集していますが、宿泊体験に行き過ぎるのはおすすめできません。
宿泊体験に行き過ぎることの注意点を紹介します。
宿泊体験後は営業を受ける
宿泊体験後は営業担当から感想を聞かれ、購入するか否かの回答を求められるでしょう。
一般的に購入やハウスメーカーを決めかねる場合は「まだ迷ってて」という断り文句を使います。しかし、宿泊体験をすると、ほとんどの情報がそろうことになり、迷う要素がなくなります。わかりやすく言うと、担当者は「宿泊体験したのだから決断できるよね」といったスタンスです。
宿泊体験をするに至った過程にもよりますが、宿泊体験後は直接的な質問を受けることが多いことを知っておきましょう。
宿泊体験が多すぎると比較検討できなくなる
ハウスメーカー選びの判断材料として宿泊体験の利用はおすすめですが、数が多すぎるとどの家もよく見えてしまい、悩む材料も増えてしまいます。
このような状態になってしまうと比較検討が難しくなり、予定している入居時期に間に合わないおそれがあります。
宿泊体験は最終判断の材料にするのがおすすめ
モデルルームの宿泊体験をする場合には、以下のようにハウスメーカーが謳う性能が本当に実現されているのかどうかの最終確認を目的としましょう。
- 本当にエアコンなしで生活できるのか
- 太陽光発電で実際にどのくらいの発電ができるのか
最終判断を目的とすることで、意味のない宿泊体験をせずに済みます。まずは、たくさんのハウスメーカーに話を聞いて、候補を2~3社に絞りましょう。そのあとに、宿泊体験などを通じてじっくり比較検討することで、満足のできる選択ができるでしょう。
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