100年前は沼地だった!? 土地購入で古地図をチェックするポイント

更新日:
100年前は沼地だった!? 土地購入で古地図をチェックするポイント

土地の購入を検討するとき、地盤の強さが気になります。過去に土地が沼地や湿地、田んぼなどだった場合、適切に処置がされていないと地盤がゆるいままかもしれません。土地を購入するときは、古地図でのチェックをおすすめします。

土地の来歴は必ずチェック!ゆるい地盤は危険!

2011年に発生した東日本大震災では、震源地から離れた関東でも液状化現象が発生しました。液状化現象は揺れが繰り返されて土地が液状になる現象のことで、地盤のゆるい土地で起こります。いま住宅が建っている場所も、かつては湿地帯などの地盤のゆるい土地だったのかもしれません。家を建てるときには、災害による被害を防ぐためにも購入する土地の歴史を調べることが大切です。

土地の過去は古地図でわかる!

かつて土地がどのように使用されていたのか、どのような状態だったのかを知る方法があります。それが古地図で調べることです。

現在の地図と古地図を見比べると、過去のその土地の様子がわかります。現在は宅地となっている場所も、田んぼだった場所が埋め立てていたり、山を崩して平地にしていたり、川や海の埋め立て地だったりします。古地図を調べることで、どのようにして作られた土地なのかがわかるのです。

古地図を手に入れる方法は?

古地図は国土地理院で閲覧できるほか、Webサイトから申請して地図を取り寄せることもできます。そのほかにも図書館で調べる、古地図のWebサイトで見るなどの方法があります。

古地図は自分で簡単に手に入れられるので、積極的に調べてみましょう。

国土地理院で閲覧する

明治時代から現代までに作成された地図を、全国にある国土地理院で閲覧できます。閲覧にあたっては、事前予約が必要です。また実際に足を運ばなくても、Webサイトの「図歴(旧版地図)」から見たい地図を申請して取り寄せることも可能です。

国土地理院のWebサイトにある「古地図コレクション」では、国土地理院が所有する江戸時代などの古地図を見られます。

航空写真で昔の風景を見る

国土地理院が所有している「地図空中写真閲覧サービス」でいまと昔の航空写真が見られます。明治時代の陸地測量部時代から今日までの航空写真を見ることで過去の状況がわかります。ほかにも地図と年代別の航空写真など、さまざまな情報を重ね合わせて見られます。

図書館で閲覧する

国会図書館、都道府県所轄の図書館、地域の図書館、郷土資料館などで、保管されている

古い地図が見られます。国会図書館には近世以前の古地図などがあり、デジタル化されているものは「国会図書館デジタルコレクション」を利用できます。

各地方の図書館では、さまざまな古地図を収蔵しています。古地図のデジタル画像をWebサイトで公開している図書館もあるため、あらかじめ確認しておきましょう。また古地図を閲覧に行く場合は、いつごろの地図を見たいのか図書館に確認すると確実です。

古地図のWebサイトで見る

今昔マップon the web」では、いまと昔の地図を比べて見られます。調べたい地域をクリックしていくと新旧の地形図が左右に表示され、簡単にいまと昔の違いを確かめられます。スマホでの利用も可能です。

土地が何に使われていたのか調べる方法

法務局の登記簿謄本で地目を確認することで、土地がどのような用途で使われていたのかがわかります。建物が消滅している場合や複数の土地を統合する合筆などで地番がなくなってしまっている場合でも、閉鎖された過去の謄本を取得することで土地の利用方法を確認できます。

こんな場所は要注意!地盤がゆるいかも…

家を建てるときには、購入する土地の過去を調べることが大切です。

かつて湿地帯や沼地、河川だった土地だと、地盤がゆるくて地震のときに被害が出るかもしれません。適切な処置がされていれば問題ないため、過去に問題のある土地でもすべてが危険というわけではありませんが、あらかじめ知っていれば対策を講じられます。

沼・湿地

昔は沼地・湿地だった土地の場合、地盤がゆるいおそれがあります。また、沼地や湿地は水の集まりやすい場所で湿度が高く、カビなどが発生しやすいかもしれません。水が集まりやすいため、大雨や洪水の際に浸水する危険性もあります。

田んぼ

もともと田んぼだった場所も、地盤がゆるくて地震で被害が出るかもしれません。また、川や用水路から田んぼへ水を引き入れるため、川よりも低い位置にあるのが一般的です。そのため、大雨や洪水のときに水が流れ込んで、浸水するおそれがあります。

山・丘

山や丘を盛土や切土で平らにして、宅地にしている土地が多く見られます。適切に処置されていない場合、山や丘にある土地もリスクがあります。

盛土は傾斜のある土地に土を盛って平らにすることで、もとの地盤の上に土を新たに盛るため、土がふたつの層に分かれてしまいます。これにより、地滑りが起こるおそれがあるのです。

切土は傾斜のある土地を削って土地を平らにすることで、比較的よい地盤といえます。注意が必要なのは盛土と切土との境界部分です。災害が起きた場合に盛土は変形しますが、切土は変形しないため、土地に段差ができてしまい、結果的に家が傾くおそれがあります。

海を埋め立ててできた土地にも注意が必要です。地盤がゆるく、地震によって液状化が起こるかもしれません。東日本大震災のときは、埋め立て地で液状化現象が起こって問題になりました。古地図で確認すると、かつて陸地の内部まで海だったことがわかります。

低地

まわりの土地よりも低くなっていた場合は、川を埋め立てるなどして水分量が多かったり、やわらかい粘土質や砂地だったりするおそれがあります。こういった土地は地盤がゆるいかもしれないので注意が必要です。

河川の流れを変える改修工事などが行われ、埋め立てられた場所が宅地として利用されている場所もあります。

リスクのある土地かもしれないと思ったら、自治体が公開しているハザードマップで確認しましょう。洪水などで浸水する可能性のある場所をチェックできます。国土地理院の「ハザードマップポータルサイト」からは全国の災害リスク情報を見ることもできます。

ゆるい地盤はどうすればいい?

ゆるい地盤かもしれない、と不安を感じたら、地盤調査を行いましょう。土地の強度をきちんと調査して、必要に応じて地盤の補強工事を行います。ゆるい地盤でも軟弱層を固める地盤改良や、杭状の補強材を打ち込む地盤補強などをすれば、地震などの災害に耐えられる家を建てることが可能です。

地盤調査や地盤補強などの工事は数十万円単位の費用がかかります。そのため購入を検討しているすべての候補地に地盤調査を行うのは、現実的ではありません。まずは古地図で土地の過去を調べて、気になることがあれば不動産会社に相談しましょう。

東証グロース上場

リビン・テクノロジーズ株式会社(東証グロース上場 証券コード:4445)が運営する住宅展示場です

Copyright © Living Technologies Inc. All rights reserved.

page
top